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■自治体がsatisfaction guaranteedと組んで
     「Japan satisfaction guaranteed」
  などと名乗るのは異常なことなので食い止めたい

  このページは、

     「佐賀県武雄市を始めとする複数の地方自治体が、satisfaction guaranteedと手を結んで、
      "JAPAN satisfaction guaranteed(JapanSG)"という名前で通販事業の海外進出をする」

  という馬鹿げた話を食い止めたいと思い、まとめているものです。ベタ書きですみません。

  2013/6/25に、「FB良品」という、複数の自治体が参加している通販事業が、
  「satisfaction guaranteed」という怪しげなブランドと手を組んで、
  2013/9/3をメドに「JAPAN satisfaction guaranteed」と名前を変え
  シンガポール等の東南アジア向けに海外展開していくということが発表されたのですが、
  関係者はろくに何も考えていないように思えます。

  武雄市の樋渡市長が、2013年2月にシンガポールで行われた講演会で
  satisfaction guaranteedの佐藤俊介CEOとセッションし、その縁から勝手に提携の話を進め、
  2013/6/25のFB良品の総会当日に参加自治体からの同意をとりつけたという形になっているようですが、
  satisfaction guaranteedの実態について何も理解していないとしか思えません。
  少なくとも、総会に参加しなかった燕市・三条市には事前に情報が知らされていなかったこともわかっており、
  参加自治体に十分な検討時間が与えられたとは思えません。
  元々のFB良品の取り組みについても、色々と問題を感じていたのですが、
  今回もまたFacebookにろくでもない幻想を抱いたまま、暴走しているように思えます。

  「satisfaction guaranteed」は、2013/8/2時点でFacebookページで420万以上の「いいね!」を得ているのですが、
  調べてみたところ、それに見合うような実態があるとは、とても思えませんでした。
  実際に、彼らが行っていたアパレル事業は、売り上げを伸ばすことができなかったようで、
  2011年11月の2.5億円の第三者割当増資の際には「海外30店舗、国内30店舗の出店」を目指していたにも関わらず、
  2012/3/11には渋谷パルコの実店舗を、わずか1年間の営業で閉店、
  2012年4月頃には新宿伊勢丹メンズ館からも、わずか8ヶ月ほどで撤退(おそらくこれで実店舗は無くなったはず)、
  2012年8月下旬には、オンライン店舗まで閉鎖し、実質的に同社のアパレル事業は終了しています。
  シンガポールに店を出していたこともありますが、小さなアンテナショップを5ヶ月間ほど開いたのみ。
  2012年11月下旬からのインド出店も、ショッピングモールの特設コーナーでわずか約2週間程度です。
  現在では、
      「satisfaction guaranteedというブランドを他社にライセンスする」
  という謎ビジネスに移行しているようです。
  「いいね!」の数以外に実質的な認知や力がないブランドを売りつけるというビジネスは理解に苦しみます。

 
  そして、FB良品との提携が発表された直後の6月末、satisfaction guaranteedの異常な実態が露呈しました。
  satisfaction guaranteedのFacebookページの投稿の多くが、あまりにも酷い著作権侵害であることがわかり、
  ツイッターなどで私も含め色々な方から数多くの指摘を受けた同社は、謝罪文を発表し、大量の記事を削除したのです。
  削除された記事の数は尋常ではなく、2013年分だけを見ると、89件中77件の記事が削除という有様。
  Facebookページ開始からのトータルで見ると、915件あった記事のうち、211件を削除しています。

 
  同社の狙いは「ファンの獲得」「ブランドロゴの認知」であり、まるでアフィリエイトサイトのように、
  面白画像でファンを集め、更に画像にロゴを埋め込むという手法でブランド認知を高めようとしたようです。
  そのために使った画像のほぼ全てが他者の著作物なのですから、実にどうしようもない話です。
  仮にも「ブランド」を名乗るものがやっていいことではないでしょう。
  同社は2012年3月頃から、このような著作権侵害行為に本格的に手を染めていったことがわかっており、
  その間に「いいね!」の数は115万→418万と、3.63倍以上に増加しています。
  2013年7月には420万以上に達しており、同社はその「いいね!」を武器として、ビジネスをしようとしているようです。

  実際に同社のFacebookページを見ていただければわかると思いますが、著作権侵害で削除した投稿を除くと、
  同社が他に何かブランドとして魅力的な情報を発信してきたとは思えません。
  つまり、satisfaction guaranteedの420万の「いいね!」のほとんどは、
  他者の著作物を無断利用して得たものと言っても過言ではないでしょう。
  また、satisfaction guaranteedというブランドの価値がFacebookの「いいね!」の数だけに依存している実状を考えると、
  satisfaction guaranteedというブランドそのものが、著作権侵害行為により築かれてきたダーティーなものだと言っても
  そう大袈裟ではないのではないでしょうか。

  なお、6月末の大量削除後、7月に入ってからの同社Facebookページでは、他人の記事をシェアしたり、
  FlickrからライセンスがCreativeCommonsになっている写真を探してきて転載するなど、
  ブランドとしてのアピールなどほとんどできない、お茶を濁すだけの投稿ばかりが繰り返されています。
  伝えるべき「ブランドの中身」がないわけですから、当然でもありますね。そんなものが「ブランド」なんでしょうか?

  著作権侵害行為が本格化する以前の時期にしても、それに見合う魅力的な情報発信をしてきたとは言いがたく、
  「いいね!」の数の伸びが妙に直線的過ぎるという点なども考えると、「いいね!」が伸びた要因が正直よくわかりません。
  Facebookの「いいね!」を売買するビジネスもありますし、同社が得た「いいね!」が真っ当なものなのか疑問でもあります。
  2013年7月も、1日あたり1700前後のほぼ一定ペースで「いいね!」が増えているようです

  satisfaction guaranteed社CEOの佐藤俊介氏は、元々バリュークリックジャパン出身の広告マンであり、
  satisfaction guaranteedの母体となった(株)エスワンオーも、インターネット広告代理事業を手がける会社でした。
  2007年にsatisfaction guaranteedというアパレルブランドを立ち上げた理由についても、

      「自らブランドづくりを成功させれば、より説得力を持って広告事業を展開できると考えたのがそもそものきっかけ」

      「ファッションは見ただけでファンになれるので、ブランディングしやすい特殊な分野だと考えています」

  と述べています。
  「インターネット広告やFacebookを利用して短期間でブランドを創り上げる」というコンセプト自体はわからなくもないのですが、

      ●佐藤俊介氏は2012/2/8に、

          「僕はsatisfaction guaranteedのページを運営している時にいつも著作権について凄く考えている。」

        という趣旨の連続ツイートをしていた。(魚拓はこちら)
        基本的にはシェアの話なのだが根本的な認識不足も見られ、現在の著作権を蔑ろにしているようにも見える。

      ●上のようにそれなりに著作権意識を持っていたはずにも関わらず、無断転載どころか、
        画像の無断加工などを多数繰り返し、ブランドイメージの発信(捏造)利用(悪用)している。

      ●2012/11/27に行った美容業界向けの講演会でも、Facebookでロゴの認知度向上に取り組んでいるという
        話をしていたが、紹介した事例は全て、他者の画像にロゴを埋め込んだ、著作権侵害の投稿であった。

      ●自分達で「創り上げた」ものの発信が極めて少ない。一体何を「創り上げた」と言えるのだろうか。
        彼らの言う「satisfaction guaranteed」というブランドの実体とは、一体なんなのか。

      ●海外に向けては日本の有名ブランドであるかのように振る舞って「いいね!」を稼ぎ、
        日本国内に向けては、その「いいね!」を根拠に「東南アジアで有名」だと思わせているが、
        実際には知名度も販売につなげる力も、ほとんど無いものと思われる。
       (あるならアパレルブランド事業もそれなりに成功しているはずだろう。)

      ●佐藤俊介氏は「日本のリブランディング」などと発言しているが、2012年2月のインタビューでは、

          『made in Japanは、ブランドビルディングのための一要素でしかない。
           ブランドは変化をしていかないといけないし、どこかのタイミングで
           made in Japanが通用しなくなる時がくるかもしれない。
           今はまだ有るので、使っている。それは日本人である限り、
           日本という盾を使わないともったいないです し、日本を捨てる必要はないと思う。」

        と語っている。要するに単に自分のブランド創りのために「日本を利用している」だけである。
        別に利用してはいけないわけではないが、利用の仕方に問題が多すぎる。
        渋谷の写真を加工して看板に自社ロゴを埋め込んで渋谷に大々的に進出しているように見せかけたり、
        日本の天気の報告記事で、1年前に他人が高評価を得た雪景色写真を盗用したり、
        東日本大震災の追悼記事で、追悼とは全く関係の無い舞妓さんのお参り写真を盗用したり・・・。

  というのが実際に彼らが行った行為であり、実態です。

  個人でやったのであればまだしも、これらの問題行為を、「ブランドの創造(ブランディング)」という、
  同社の最も根幹的な業務の一環として行ってしまったのですから、
  問題は非常に深刻であり、致命的であると考えています。
  上で述べたように、これは「ブランドの創造」ではなく、「ブランドの捏造」でしょう。
  佐藤俊介氏が、これらの行為で自らのブランドを貶めたことで、
  satisfaction guaranteedというブランドは既に取り返しのつかないダーティーなブランドになってしまったのではないか。
  私はそう考えています。

  また、satisfaction guaranteedの出資者であり取締役でもある加藤順彦氏は、
  satisfaction guaranteedのことを、「Fictional Brand(架空ブランド)」と表現しています。(記事の魚拓はこちら
  「無から有を創り上げる」「架空から現実を創る」などと言っていますが、

     『Facebookの「いいね!」以外に実態がないブランドを売りつける』

  と表現するのが正しいのではないでしょうか。

  このように、著作権侵害行為を繰り返した、まともなブランド実態があるとも思えない
  「satisfaction guaranteed」というブランドに対し、複数の地方自治体がろくに検討もせず提携という形で信用を与え、
  「JAPAN satisfaction guaranteed」という名前で世界に出て行くという行為は、
  率直に言って正気の沙汰とは思えず、日本の恥であるとしか思えません。

  satisfaction guaranteedについては、著作権侵害の問題以外にも、

     ●JapanSGでも使う予定になっているsatisfaction guaranteedの「ダイヤ×クロスボーン」のブランドロゴは、
       MODERN MISCHIEFというアメリカのアパレルブランドが、ほぼ同様の意匠を
       satisfaction guaranteedブランド設立以前から使用していることがわかっており、商標トラブルになる可能性がある。

     ●3000シンガポールドル相当の賞品をかけた写真コンテスト(2012年2月実施)の投票を放置していた形跡がある。
       (Facebookの状況からの判断であり、実際に放置していたかどうかは不明)

  といった問題もあります。
  著作権侵害問題も含めた多くの問題について、FB良品の運営や参加自治体は、一体どのように考えているのでしょうか。
  議論を尽くして計画を進めているとは到底思えません。誰一人として真剣に考えていないのではないでしょうか?

  名称変更して事業開始する2013/9/3(予定)まで、もうあまり時間もありませんが、
  FB良品に参加している地方自治体は、satisfaction guaranteedの酷い実態をあらためてしっかり見据え、
  名称変更や事業展開そのものについて、一度立ち止まって再検討の声を上げてみてもらえないでしょうか。

  また、ご賛同いただける方は、佐賀県武雄市を始めとする参加自治体に対し、
  反対意見を表明していただけると、この計画を食い止める力になると思いますので、是非お願いいたします。

 
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