Visual C++ 2005SP1/2008/2008SP1 の再頒布可能パッケージの最新版
先日NiVEの拡張プラグイン「Aviutl入力/出力プラグイン利用」が更新されたのですが、
入れてみたところ、NiVE起動時にエラーが発生してしまいました。
プラグイン作者のルーチェさんの調査の結果、
Microsoft Visual C++ 2005 Service Pack 1 再頒布可能パッケージ ATLのセキュリティ更新プログラム
のインストールが必要なことが判明。(いわゆるランタイムライブラリ)
もともと、うちの環境には
Visual C++ 2005 SP1 再頒布可能パッケージ (x86)
をインストール済みだったのですが、上記の「ATLのセキュリティ更新プログラム」は、
"更新プログラム"という名前にも関わらず、自動更新ではインストールされないようです。
ダウンロードして手動でインストールした結果、無事に動くようになりました。
詳細な経緯についてはルーチェさんが
「VC++2005SP1再頒布可能パッケージの罠」
という記事にまとめてくれていますので、見ておくとよいかも。
こちらでも大雑把にまとめてみると、以下のような流れが原因らしい。
1.2009年7月末に、
MS09-035 - 警告 : Visual Studio の Active Template Library の脆弱性により、リモートでコードが実行される (969706)
というセキュリティ問題への対応が行なわれた。
2.この際、既に「Visual C++ 2005 SP1 再頒布可能パッケージ」を
インストールしている環境(つまり一般ユーザの環境)に対しては、
自動更新で、最小限のパッチだけが当てられた。
3.VIsualStudioを使っている環境(つまり開発者さんの環境)に対しては、
自動更新で、最新のライブラリ群を含むフルパッチが当てられた。
4.作者さんは、最新のライブラリを利用してプラグインを作り、リリースした。
5.一般ユーザの環境には最小限のパッチしか当たっておらず、
最新のライブラリ群が無いため、NiVE起動時にエラーが発生してしまった。
6.一般ユーザの環境に最新のライブラリ群を入れるには、
Microsoft Visual C++ 2005 Service Pack 1 再頒布可能パッケージ ATLのセキュリティ更新プログラム
を手動でダウンロードしてインストールする必要がある。
つまり、ユーザ環境と開発者環境に対するマイクロソフト社の
自動更新の対応の違いが、今回の問題の原因の1つかなあと。
ちなみに、一般ユーザ環境に自動更新で当てられる最低限のパッチの内容は、KB973923を参照。
「ATLのセキュリティ更新プログラム」の内容は、KB973544を参照。
全然違うことがわかります。
「セキュリティ情報 MS09-035」のページの「FAQ」を見ると、
「修正された Visual C++ 2005 および 2008 再頒布可能パッケージ (KB973544、KB973551 およびKB973552) の
完全なバージョンは、製品の完全な新しいバージョンであるため、マイクロソフト ダウンロード センターから配布されます。」
(つまり古い再頒布可能パッケージを入れていても、自動更新じゃ入らないってこと)
と書かれており、この「製品の完全な新しいバージョン」というのが、
Microsoft Visual C++ 2005 Service Pack 1 再頒布可能パッケージ ATLのセキュリティ更新プログラム
だということ。
「セキュリティ更新プログラム」という言葉と、「製品の完全な新しいバージョン」という言葉は
いまいち結びつかないんだけどなあ・・・。
それに、開発環境を自動更新するなら、一般ユーザ環境も自動更新してくれればいいのに。
なお、この問題はVisual C++ 2005だけでなく、Visual C++ 2008にも同様の対処がされているようです。
NiVEのプラグインとしては「DirectShow入力」などがVisual C++ 2008を使っているので、
もしかすると今後の更新次第では、同様の問題が出る可能性も。
とりあえず、Visual C++ 2005SP1/2008/2008SP1 のランタイムの最新の再頒布可能パッケージが、
以下のものであるということは、記憶にとどめておいたほうがよさそうです。
●Microsoft Visual C++ 2005 Service Pack 1 再頒布可能パッケージ ATL のセキュリティ更新プログラム
●Microsoft Visual C++ 2008 再頒布可能パッケージ ATL のセキュリティ更新プログラム
●Microsoft Visual C++ 2008 Service Pack 1 再頒布可能パッケージ ATL のセキュリティ更新プログラム
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