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2012年12月

2012年12月29日 (土)

武雄市の樋渡市長の佐賀新聞社への抗議により非表示とされた井上一夫氏のブログ記事について

当記事はツイッターの #takeolibrary というハッシュタグで得た情報なども元にして書いております。
情報を寄せてくださっている皆様に感謝いたします。
興味のある方は是非一度ご覧になってみて下さい。

※何度か修正を加えています。記事の変更履歴は記事の最下部にあります。


12/26に、佐賀新聞社が運営する地域ブログサイト「ばってんがサイト」に、
井上一夫氏による
   「知的基盤を奪われる武雄市民」 (BLOGOS転載) ※後述する事情によりリンク先は現在は非表示
というブログ記事が掲載されました。

この記事を書いた井上氏は、
   「武雄市図書館・歴史資料館を学習する市民の会
の代表世話人の1人でもあります。
ばってんがサイトの井上氏のプロフィール欄を見てもわかるとおり、
一級建築士の資格を持っている方で、建設省九州地方建設局建築課から
武雄市役所職員となり、武雄市文化会館建設などを手がけていらっしゃいます。
また、武雄市役所を退職後、地域づくり活動などに積極的に携わっている方であり、
ばってんがサイトのライターとして寄稿してはいますが、佐賀新聞の記者ではありません。

記事の内容を、私からの補足も含めて大雑把に書くと、

  ●過去の武雄市文化施設群構想により、武雄市文化会館や
    武雄市図書館・歴史資料館などが作られた経緯と、その意義の説明。

  ●武雄市図書館・歴史資料館で重要な役割を果たしてきた蘭学館のスペースが
    12/11の市議会で突然発表された方針変更によりつぶされ、
    TSUTAYAのCD/DVDの有料レンタルスペースに改装されてしまうこと。
    蘭学館の資料は数年間は隣の企画展示室に間借りして展示されることになるので、
    それにより歴史資料館のスペースが圧迫され、活動が限定的になってしまうこと。

  ●色々と配慮され快適に作られていた図書館スペースが、
    TSUTAYAやスターバックスによって図書館の奥や2階に追いやられ、
    2階部分の壁には天井に届くほど大きな書架が配置され、
    細いキャットウォーク(通路)を利用してアクセスすることになるので
    地震の際には蔵書が1階に崩落して人的被害が出る可能性が強いと思うこと。

  ●現在進められている新図書館構想では、歴史資料に関する経緯や今後のあり方、
    意義の検討といった知的議論が全く行われていないこと。

  ●100年の大計として進められてきた町づくり・人づくりだが、
    トップの恣意的政策(思いつき政策)が暴走し、
    武雄市民の知的基盤を崩壊させている。

といった内容です。
地域のことを考えて作られた武雄市図書館・歴史資料館が踏みにじられていくことに対し、
本来の意義を述べ、悲しみや不安、憤りをつづった記事です。
記事の魚拓が残っているのでこちらからご覧ください


ところが、このブログ記事は、投稿翌日の12/27夜に、
ばってんがサイトを運営する佐賀新聞社により非表示とされてしまい、
読めなくなってしまいました。

いったい何があったのでしょうか。実はこんな事情がありました。

樋渡市長のツイートは文章が途中で切れてしまってますが、リンク先を見ればわかるとおり、
『人的被害が出る可能性が強いと思っている」は絶対に許せない。』だそうです。

この樋渡市長の抗議を受けて、佐賀新聞社は声明を出し、
井上氏のブログ記事を非表示にしました。

声明の一部を抜粋します。

   「抗議をいただいた主な点は、
       「(2階の)書架も開架式といいながら、高さは天井まであり
        閲覧者が自分で取りだす事はできない。2階の書架は
        キャットウォー ク(点検通路)でアプローチしなければならず、
        地震時にはこの蔵書は1階フロアに一気に崩落し、
        人的被害が出る可能性が強いと思っている。」
    という表現です。」

   「樋渡市長からは
       「個人のブログならまだしも、佐賀新聞が運営するブログ論壇サイトで
        こうした表現を記載すれば、佐賀新聞が人的被害が及ぶと書いたと同然だ」
    というご指摘をいただきました。」

ふーん。
佐賀新聞社って、こんな幼稚な言いがかりで有益な記事を非表示にするほどヘタレだったんですねえ・・・。
   (2012/12/30 0:10 取り消し線を追記。詳細は伏せますが、嫌味とかではなく、
    佐賀新聞社さんを良いほうに見直そうと思える出来事がありましたので、
    この表現は取り消すことに致します。)

「いったん非表示にする」とのことですが、樋渡市長の言い分を併記して公開を続けるほうが良いと思いましたが。
ツイッター上ではこんな指摘も出てましたけど。

要するに樋渡市長と佐賀新聞社が手を組んで、炎上マーケティング的な
話題作りをしてるのではないかという指摘ですね。
まあ佐賀新聞社側のデメリットが大きいですし、さすがにそれはないと思いたいですが、
10/21に開催された「武雄市図書館・歴史資料館を学習する市民の会」の勉強会について、
佐賀新聞が何故かワーキングプアの話だけを報じたのを見ているので、一抹の不安も。
この勉強会では図書館問題について色々話し合われたはずなのに、なぜそこだけなのかと・・・。
まあとりあえずこれは置いておきましょう。

で、樋渡市長のほうはと言うと、得意げに勝利宣言して自身のブログを更新。

Facebookでも同様の記事を書いてますね。

   今日はネットの良いところを感じた。佐賀新... (要Facebookログイン)

Facebookの記事では

   「井上一夫さんという訳分からん市民が書いたメチャクチャな記事」 

と書いてますね。一応「訳分からん市民」の部分だけはコメント欄で不適切だったと書いてますが、
訳わからん市長が何を言ってるんでしょうね。
Facebookに市長を支持するコメントを寄せている方々も、樋渡市長の出鱈目な主張を鵜呑みにせず、
しっかりと事実を調べてから判断していただきたいものです。

 
ちなみに、詳しくは記事の最後に示しますが、筆者の井上氏が代表世話人を務める
   「武雄市図書館・歴史資料館を学習する市民の会」
は、9月上旬に、武雄市議会に対して提案や請願を含めた公開質問状を提出しています。
9/10の市議会の山口昌宏議員の一般質問でこの公開質問状が取り上げられたのですが、
この時も樋渡市長は山口議員らと共に、実名を挙げて井上氏を市議会で中傷しています。
反対者を徹底的に理不尽に貶めるのがいつもの樋渡市長のやり口です。
今回のブログの件も同様だと思います。

 
さて、ここで井上氏のブログ記事から、問題とされた部分の原文を抜粋してみましょう。

図書館は奥に押しやられ2階に追い上げられてしまっている。その書架も開架式といいながら、高さは天井まであり閲覧者が自分で取りだす事はできない。2階 の書架はキャットウォーク(点検通路)でアプローチしなければならず、地震時にはこの蔵書は1階フロアに一気に崩落し、人的被害が出る可能性が強いと思っ ている。

問題とされたのは最後の

   「地震時にはこの蔵書は1階フロアに一気に崩落し、人的被害が出る可能性が強いと思っ ている。」

の部分ですね。

それでは、この井上氏の懸念が妥当なものだったのか、おかしなものだったのか。
それを考察してみましょう。

まずは、武雄市図書館がどのような建物なのかを示すために、
勝手ながら樋渡市長の11/23のブログ記事から2枚の写真を引用させていただきます。
念のため人物の顔にはぼかしをかけてあります。
武雄市図書館は11/1から改装工事に入っており、その最中の写真となります。

Takeolibphoto1

Takeolibphoto2

 

見ての通り、2000年10月に完成したばかりのまだ新しい図書館なのに、
なんで代官山蔦谷書店っぽくするために既存の本棚とかも全部処分して、
7億5000万円(武雄市4億5000万円、CCC社3億円)もかけて改装するのでしょうねえ・・・。
ここ数年の武雄市の図書館の年間運営費は1億2000万円程度ですし、
年間の図書購入費は1300万円ほどなんですが・・・。

まあそれは置いておくとして、次に、公表されている新図書館のパース図を3枚ほど抜粋して示します。

1f_fukan

2f_catwalk_big

kabe_hondana

 

もう一度、井上氏の懸念を再掲しますね。

   「地震時にはこの蔵書は1階フロアに一気に崩落し、人的被害が出る可能性が強いと思っ ている。」

うん、以前の記事でも書いたけど、これは崩落の危険を心配して当然でしょ?

写真と見比べるとよくわかりますが、

   ●コンクリ打ちっぱなしの垂直な壁だったところに

   ●かなり狭いキャットウォークを増設して

   ●その横の壁沿いに、高さ4mくらいある11段の巨大本棚を設置する

      ※2013/1/21 0:20追記
        巨大本棚の高さについては、その後の問い合わせで3.9mあることが判明しました。
        また、1階には4.6mの本棚も置かれるとのことです。

ということですよね?

井上氏は控えめに

   「地震時に蔵書が1階に崩落」

としか述べていませんが、私ならもっと率直に

   「日常の清掃作業や書籍の出し入れで
   利用者や職員が色々な意味で死ぬレベル」

と表現したいほどです。

 

さて次に、この件に関する樋渡市長のブログ記事から、一部文章を抜粋します。

  「それ以上に、何ら根拠もないのに、また、取材も無く
       「一気に崩落し、人的被害が出る可能性が強い」
   と書くあたりは、これって異常ですよ。」

「何ら根拠もない」と言ってますが、まずパース図を見て心配するのは当然ですね。
また、井上氏は9月議会で議員に配られた新図書館の図面を入手しており、
それを市民の会のブログで公開してくださっています
この図面を見ると、キャットウォーク部が実際にかなり狭いということもわかります。
根拠としては、これらで十分ではないでしょうか。

また「取材も無く」とのことですが、確かに取材はなされていないのでしょう。
しかし、少なくとも私個人は、11/2に2階部分の安全性の懸念について、
樋渡市長にツイッターで質問をしていますが、完全に無視されています。
樋渡市長に送って無視された質問ツイートは、以下の通りです。
市長に回答義務が無いことは承知していますが、事実としてお知らせしておきます。

 
また、これとは別に、11/13に樋渡市長と武雄市役所 文化・学習課宛に質問メールを送っています。
これは11/15の市民説明会での回答を期待して送ったものですが、こちらも完全に無視されています。
送ったメール本文は、こちらの記事で全文を公開していますが、
一応関連する質問部分を抜粋しておきます。
★印をつけてあるのは、これらの質問を最重要項目として回答を求めたということです。

 ★イメージ図を見ると、2階の壁だった部分に狭い通路(キャットウォーク)を取り付けて
   高さ3~4mもある巨大な本棚を壁際に設置して本を並べるようですが、
   本の取り出し方法などはどうなるのでしょうか。

 ★2階の巨大本棚の最上段の本の取り出しなどは危険だと思いますが、
   本や人の落下対策など、安全面での配慮はなされているのでしょうか。

 ★もともとコンクリート打ちっぱなしだった垂直な壁にキャットウォークのような
   狭い通路を取り付けて増設するようですが、強度面などは大丈夫なのでしょうか。
   崩落等の事故が発生しないか心配です。

 ★2階の壁際にずらっと本を並べることになると、温度差や空気の対流の関係で
   カビの発生なども心配されると思うのですが、対策はとられるのでしょうか。
   古くて傷みやすい本もほぼ全て開架図書として本棚に置かれるそうなので心配です。

 
また、11/15に開催された参加者わずか23名の市民説明会では、参加した市民の方から

   「(パース図の四角く開いた部分は)学習室の入口ですよね? 2mくらい?
    その倍くらいの高さまで本があるようだが……背が小さいから本に手が届かない。」

という質問が出ていたようなのですが、教育委員会の回答は、

   「係に言えば本を取る。今の図書館司書の他に係員を配置。
    すぐに声かけしていただける状態にする。」

という、なんとも力の抜ける内容だったようです。
利用者にとっても、「司書の他の係員」にとっても使い勝手が悪く不幸なことだと思うのですが・・・。

 
要するに、何が言いたいかというと、

 樋渡渡市長や武雄市役所は、新図書館構想について、
 市民に対する説明責任を全く果たしていない

ということです。

私自身は武雄市民ではありませんが、新図書館構想についての
市民説明会は、5/20と11/15の2回しか行われていません。
また、樋渡市長は5/20の説明会をブログで「糾弾会」と表現していましたし、
11/15の説明会は、翌日から複数のイベントやお祭りが数日間にわたって行われるという
市民も市役所も準備で忙しいはずの日に、開催告知もまともに行わないまま開催されており、
その結果、市民の参加は定員150名に対してわずか23名にとどまっています。

 樋渡市長は、市民のブログに難癖をつけて
 理不尽な批判をして筆者を貶めるのではなく、
 自らと武雄市役所の説明不足を恥じ、
 市民への説明責任を積極的に果たすべきである。

私は強くそう思います。

樋渡市長は、自らのブログ記事の中で、

井上一夫さんが何を書いても自由。しかし、「知的基盤を奪われる武雄市民」という表題で、佐賀新聞社が運営するサイトに書くのは問題だと思って、今晩、佐賀新聞社に抗議しました。

「では、どういう対応をすれば良いか?」との指摘に対しては、私からは、「それこそ、佐賀新聞社が考えることである。私が何らかの対応を要請すれば、それは表現の自由を阻害し、場合によっては検閲になりかねない。」と申し上げました。あわせて、「何らかの対応をされる場合には、その理由を明記してほしいし、私からの抗議に関しても、事実その通りなので書いてくださって構わない。」と伝えました。

と書いており、「佐賀新聞社による広義の風説の流布だ」などとほざいていますが、
事実上は井上氏に対する卑怯な言論封殺だと言っても過言ではないでしょう。
また、ブログやFacebookで行っているように、反対者である井上氏を理不尽に貶めるという目的もあったのでしょう。
市長のブログ記事では、自分達がこれまで市民に対して
まともな説明をしていないことには一切触れていませんね。
「図書館・歴史資料館に関する市民アンケート」についても、樋渡市長は
市議会での約束を破り、アンケートの自由記述欄の結果公表を行っていませんよね?

恥ずかしいと思わないのでしょうか?

 
※2012/12/30 17:30追記

今年の10月に、ふろすてぃ(@Alice_fst)さんという方が、
武雄市新図書館の図面等について武雄市役所に対して情報開示をかけていました
しかし、11/5付で不開示とするという通知(PDF)が出されています。
理由は「業者選定段階のため」というものでした。
入札により業者が決定されたのは11/7ですので、その後情報開示をかければ
ある程度の情報は手に入ったかもしれませんが、少なくともつい最近までは
情報開示ですら必要な情報を得ることができなかったのは間違いなく、
この点からも、井上氏が懸念を表明したのは妥当であると私は考えます。

※2012/12/30 18:00追記
なお、上記の情報公開請求を行ったふろすてぃ(@Alice_fst)さんは、
元々は7月に情報公開請求をかけたのですが、武雄市役所のミスで3ヶ月放置されています。
これは明確な条例違反であり、樋渡市長および武雄市役所は
ふろすてぃさんに真摯に謝罪すべきなのですが、
なぜか樋渡市長はふろすてぃさんをツイッターで激しく誹謗中傷しています。
自分への反対者を理不尽に貶めるという樋渡市長の姿勢がよく表れた事例です。
当時の状況は以下のtogetterにまとめてありますので是非ご覧下さい。
樋渡市長の異常性がよくわかると思います。

   武雄市役所のミスを棚に上げ正当な情報公開請求者を罵倒する樋渡市長 - Togetter

※2013/1/20 23:30追記
ふろすてぃさんが、武雄市役所に対し、「書架仕様」について開示請求を行いましたが、
2013/1/17付で、
   「CCCの自社開発製品でノウハウ流出を防ぐため」
という理由で不開示通知が出されています。
CCC社の自社開発?CCC社って耐震性を考慮して巨大な特殊書架を開発するような
データの蓄積やノウハウや実績なんてありましたっけ・・・?
しかも、書架の高さについては、私の質問に対して3.9m~4.6mであるという
回答が既に武雄市役所からなされている
ため、全面不開示なのはおかしいでしょう。
なんにせよ、井上氏が事前に書架に関する問い合わせを行っていたとしても
正しい情報が得られなかった可能性が高いという根拠が1つ増え、
樋渡市長には井上氏や佐賀新聞社を批判する資格がなかったということがより一層はっきりしました。

 
以上を踏まえ、佐賀新聞社に対しては、井上氏の記事の非表示を解除するよう、
情報提供も兼ねた要望メールを送りました。
上で述べた9/10市議会での井上氏に対する中傷も含め、他にも色々と書いてあります。
記事の最後にメール全文を公開しておきますので、是非内容をご覧ください。
時間がなかったこともあり、いまいちまとまりがありませんが・・・ orz

 
なお、本件については、その後佐賀新聞社が武雄市役所に追加取材を行い、
それによってわかったことなどを踏まえて記事を作成し、
一部を修正した上で井上氏の記事が再掲されました。
以下にそれぞれの記事へのリンクを示しておきます。

  抗議いただいた件の事実確認について(ばってんがサイト事務局) : ばってんがサイト / 佐賀新聞

  知的基盤を奪われる武雄市民  ―武雄市図書館・歴史資料館問題から(2) : ばってんがサイト / 佐賀新聞

この処置についても少々言いたいことがありますが、それはまた別の記事にしようと思います。
再掲された井上氏の記事は、色々と重要な指摘が含まれていますので是非ご覧下さい。
樋渡市長が市民を軽視し、独善的に計画を進めているという実態を少しでもわかっていただければ幸いです。

   ※2013/1/14 18:30追記
     こちらに追記するのをすっかり忘れていましたが、続きの記事を書きました。

        武雄市の新図書館の安全性は未だ疑わしく、商業主義の文化破壊でもあると考えます

     武雄市役所の説明では蔵書崩落の懸念は解消できませんし、
     図書館は利便性が低くされ、文化施設である蘭学館も潰されてしまいます。
     大きな問題だと思いますので、是非お読みいただければと思います。

また、この件に対するツイッターでの反応が以下のtogetterでまとめられています。
参考までにそちらのリンクを示しておきます。

   “知的基盤を奪われる武雄市民”の反応 - Togetter

   言論の自由も奪われている武雄市民 - Togetter

 
記事は以上です。以下は、私が佐賀新聞社に送ったメールです。(折りたたんでおきます)

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2012年12月 9日 (日)

武雄市の樋渡市長に関する「自殺した市職員の葬儀にTシャツ姿で参加」という真偽不明のブログ記事と、それに対する市長の反応について

2012/12/7に、ツイッターで以下のようなツイートが流れました。

  「自殺した武雄市職員の葬儀に武雄市長ががばいばあちゃんのTシャツ着てきて、
   がばいばあちゃんの宣伝して帰っていったというのは本当の話なんだろうか。」

    ※注:佐賀県武雄市は「佐賀のがばいばあちゃん」のテレビ版のロケ地です。

その後の流れなどを見て確認したところ、情報源となったのは、こちらのブログのようです。

   武雄市長裏物語?消されたら、ごめんなさい。

2012年7月から8月にかけて書かれたブログで、記事は4つのみ。
この中にある以下の記事が、情報源とのことです。

   やる気のある人ほど、こないでください!? : 武雄市長裏物語?消されたら、ごめんなさい。

率直に言って、一見怪しげなブログであり、これを根拠にしてよいのだろうかとも思うのですが、
少なくとも別の記事にある

   「元武雄市長である石井義彦氏の葬儀に樋渡市長が作業着に長靴姿で参加した」

というのは事実のようです。
武雄市民の方も事実だと言っており樋渡市長ご自身も事実を認めています。
記事にもあるように、当日は大雨で洪水注意報が出ており、その対応で忙しかったようですが、
洪水注意報は葬儀の時間よりずいぶん前に解除されており、
参列者の中で喪服を着ていなかったのは、樋渡市長お1人だったとのこと。
実際に市長という立場でどういう対応を行っていてそうなったのかはよくわかりませんが、
樋渡市長はツイッターで「葬儀の服装は、ご遺族・ご親族の希望。」と述べています。
私としては当日の事情がよくわからないこともあり、これについてどうこう言うつもりはありません。

この記事で取り上げたいのは、市職員の方の葬儀に関するほうのツイートに対する、
樋渡市長の反応です。まずは発端となったツイートを示します。
(このツイートの後、この情報を検索で見つけたことや元ブログの記事などがツイートされています。)

そして、このツイートを、樋渡市長と因縁(?)のある、セキュリティ専門家の高木浩光氏が公式リツイートします。
その公式リツイートを樋渡市長が検索で見つけ、反論したのが以下の一連のツイートです。

高木浩光氏は、ツイッター上で比較的強い影響力を持つ人物です。
私もよく高木氏のツイートを参考にさせていただいており、感謝しています。
ただ、今回の件については、率直に言って、人の生死にも関わる真偽不明の情報を
安易にリツイートするのは残念だとも思いました。

しかし、私がこの記事で問題提起したいのは、
樋渡市長の高木氏に対する批判と、この後の樋渡市長の対応についてです。
この後、別の方と樋渡市長との間で、以下のようなやりとりがありました。

 
実は私は、樋渡市長の高木氏に対する反応を見て、以下のようなツイートをしていました。

私は11月末に別件で樋渡市長からブロックされているため、直接質問を送れなかったのですよね。
おそらくではありますが、Tachikenさんはこれを見て樋渡市長にツイートを送って下さったのだと思います。
しかし、結局樋渡市長は明確に自分宛に送られたTachikenさんのツイートを無視したため、
結果的に、問題のブログ記事そのものについて明確な否定をしていないことになります。

一応樋渡市長は、高木氏を非難しているツイートの中で、

    「有るわけないでしょ」

    「根も葉もないようなツイート」

と言っていますので、普通ならば、問題のブログ記事は事実無根だと考えるのが妥当でしょう。
しかし、私個人としては、これまでに

    「市議会やツイッターなどで、理不尽に攻撃的に、場合によっては
     事実を捻じ曲げてまで反対者を貶める樋渡市長の姿」

を何度も見せつけられています。(具体例については記事の最後に示します)
偏った見方かもしれませんが、過去の因縁もあるとはいえ、元ツイートをした人や
元ブログに対して抗議するのではなく、公式リツイートをしただけの高木浩光氏を
攻撃しているのを見ると、樋渡市長の言葉をそのまま簡単に信じることはできないのです。

あらためて問題のブログの記述を見直してみましょう。

彼の葬式に、樋渡啓介武雄市長は、
「がばいばあちゃん」のTシャツ姿でやってきた。
「がばいばあちゃん」の宣伝をして帰って行った。

記事の真偽はいったん置いておくとして、解釈の仕方はいくつかあると思いますが、私はこれを

   「【Tシャツ姿で参列したこと】を、【宣伝をして】と表現している」

と解釈しました。ちなみに「がばいばあちゃんのTシャツ」というのはおそらくこれのことです。
派手な色の記念Tシャツのようなものですので、着ているだけで宣伝効果があるとも考えられます。
   「Tシャツを着てきたことが事実だったとしても、それ以上何か宣伝的な行為をしたわけではない」
という解釈です。

一方で、発端となったツイートを見直してみましょう。

  「自殺した武雄市職員の葬儀に武雄市長ががばいばあちゃんのTシャツ着てきて、
   がばいばあちゃんの宣伝して帰っていったというのは本当の話なんだろうか。」

このツイートだけを見ると、

   「樋渡市長が葬儀の場に、佐賀のがばいばあちゃんのTシャツを着てきただけでなく、
    それとは別に何らかの宣伝的な行動まで行った。」

とも解釈できると思います。例えば葬儀の場で

   「今度"がばいばあちゃん"が放送されるのでよろしく」

と発言したとか、ビラを配ったとかですね。
しかし、さすがにこれは普通に考えてありえないと思います。

その上で、普通ならひねくれすぎた見方だということも踏まえてあえて言うと、

   「樋渡市長が【あるわけない】【根も葉もないような】と言っているのは、

       "宣伝発言といった具体的な宣伝行動まではしていない"

    というだけであり、Tシャツ姿で葬儀に参列したことなどは事実という可能性もあるのでは?」

という解釈もできてしまうのではないかと思うのです。
私が、上に挙げたツイートで

   「このブログ記事に書かれている内容は全て事実無根なのですね?」

という確認をしたかった理由はこれです。

ツイッターでは、樋渡市長の周辺はいつも炎上気味です。
私自身はあくまでも事実に基づいた自分の意見として批判を行っているつもりですが、
その私から見ても過剰に感情的に市長を叩いている方がたくさんいらっしゃいます。
炎上気味なのは樋渡市長の行動やツイッター運用が異常すぎるためでもあるのですが、
今回の件についても私から見て「さすがにそれはどうなんだろう?」という意見をしている人もいました。

私は、人の生死が絡んだ内容については、少なくともまず事実をしっかり確認すべきであり、
そのことで批判を行うにしても遺族や関係者の心情などにしっかり配慮するべきだと考えています。
(そういうこともあり、この記事を書くべきかどうかも迷いました)

この件について事実を知っているのは、ご遺族、葬儀に参列した方や関係者、及び樋渡市長ご本人のみです。
もしこの件が事実無根であるならば、過度に樋渡市長を叩いている方々が、
今後この件を持ち出して事実に反する批判を繰り返すことがないよう、

問題のブログ記事に書かれている

   1.市職員の方が自殺なさったという事実はあるのか。
     (樋渡市長も「遺族の方」と言っているので事実はあるように思えますが。)

   2.市長が時間にお構いなしに連絡をして市職員の方に負担をかけていたという事実はあるのか。

   3.市職員の葬儀に「佐賀のがばいばあちゃん」のTシャツ姿で参列したという事実はあるのか。

   4.3がもし事実なら、Tシャツ姿で参列した背景として、どのような事情があったのか。

   5.葬儀の場で、Tシャツ姿だったということ以外に「何らかの宣伝行動をした」という事実はあるのか。

といった点について、せめて樋渡市長ご自身の口から
   「この点については事実無根である」
個々の点について明確に表明し、必要なら事情説明をなさったほうがよろしいのではないかと思います。
また、問題のブログ記事に対しても、必要であれば名誉毀損だと訴えて削除を求めるなど、
具体的な行動を起こされたほうがよろしいかと思います。
それがご遺族のためにもなるのではないかと思います。
私もこの件で真実が不明なまま感情的なだけの批判が繰り返されるのは見たくありません。
繊細な問題ではありますが、現状のままでは、非常に中途半端な状態だと考えます。
Tachikenさんからの問いを無視して、検索で見つけた煽りツイートと戯れてらっしゃいましたが、
もう少し、対応すべきことをしっかり見極めたほうがよろしいのではないでしょうか。

高木氏を非難するにしても、まずは上の事情説明を先になさってからのほうが良いと思います。
もし仮に問題のブログ記事が事実なのであれば、樋渡市長はツイートの言葉尻だけを捉えて
それを高木氏の非難に利用したということになります。
その場合、ご遺族の感情を踏みにじり故人を冒涜しているのは樋渡市長だということになるでしょう。
そうではないことを願います。

なお、上にも書いたとおり、私はツイッターでは樋渡市長からブロックされてしまっております。
この記事を読んで、必要だと思われた方は樋渡市長にお知らせください。
(樋渡市長は普段からエゴサーチをしておられるので検索で見つけるかもしれませんが。)
私からメールでお知らせすることもできますが、過去にほぼ完全に無視され
徒労感を味わっておりますので、そこまでして意見を送るつもりはありません。
樋渡市長も私からの意見など聞く気はないでしょう。

本件について樋渡市長から反論や意見表明などがあった場合はお知らせ下さい。
この記事に追記させていただこうと思います。

 
■参考: 私が知っている「樋渡市長が理不尽に反対者を貶めた」という事例

 ●図書館運営をCCCに委託することについて、Tポイントカードに関わる個人情報面で警鐘を鳴らし、
   個人として関連ツイートをリツイートしていたセキュリティ専門家の高木浩光氏に対して、
   専門外の点まで含めた公開討論会を一方的に呼びかけ
      「国の機関の住人が権力を笠に来て,いろんな前向きな動きを
       つぶそうとするそういう姿勢は絶対に許さない。」
      「上司に判断してもらいましょう。」
      「多くの国会議員にその内容を報告します。」
   と半ば脅迫めいた発言を行った
   (少なくとも高木氏本人は脅迫だと受け止めつつあった。)

 ●2012/5/20の図書館構想の市民説明会で、市民からの意見を「糾弾」と表現。
   (質問会そのものを「糾弾会」と表現していたがそれは訂正している。(魚拓))

 ●2012/9/10の武雄市議会において、武雄市図書館構想に対して請願や提案を含む
   公開質問状を出した市民団体とその代表者を、山口昌宏議員と一緒になって実名で罵倒

 ●2012/9/13の武雄市議会において、一般質問に立った石丸定議員に対し、
   石丸議員が6月議会で行った問題発言(図書館運営委託を行うCCCへの中傷とされた)を取り上げ、
      「申しわけございませんでしたというお言葉は議事録には残っておりません。」
   と事実に反する主張を行い、執拗に謝罪を求めた。
   (9/13の市議会の議事録のp.384~p.388。上記発言はp.387。)
   実際には6/14の市議会の議事録のp.234に、石丸議員の
      「申しわけございませんでした。」
   という言葉が記録されている。

 ●武雄市役所に対して正当な情報公開請求を行った方に対し、ツイッターで
      「お里が知れる」
      「下品な質問状」
      「担当職員も何の生産性も無い質問状に呆れてたよ」
      「情報公開請求好きのおっさん」
      「下劣きわまりない」
      「中学生ののぞき見レベル」
      「何ら付加価値が生まれない」
   と、散々に罵倒

 ●図書館アンケートの件や樋渡市長のツイッター運用について意見を送っていた私を
   「足を引っ張る」「ストーカー、女にモテない」と呼び、ツイッターをブロック。

 ●市長がブログやFacebookで勧めている日本未提供サービスのSpotifyの利用について、
   違法性の懸念や問題点を指摘した方をFacebookやツイッターでブロック。
   (これは相手を貶めたというほどのことでもないですが、こういう行動をとっているということで。)

 他にも、武雄市議会のUstream中継や議事録を見ると、答弁や野次で
 反対議員への嫌味を繰り返すなど、異常に相手を貶める攻撃性が見られます。
 報道発表や講演会などでは調子のいいことばかり言っているようですが、
 皆様自身の目で実状をしっかり見極めてみていただきたいと考えています。

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