日本書籍出版協会の質問書に対する樋渡市長の回答書って酷いよね
この記事はツイッターの #takeolibrary や #たけお問題 に寄せられている
意見なども参考にさせていただいた上で書いております。
情報を寄せて下さっている皆様に感謝いたします。
出版社約440社で構成する日本書籍出版協会は6日、4月1日にリニューアルオープンする武雄市図書館に関する質問書を樋渡啓祐市長に出した。
新しい市図書館は、レンタルソフト店を展開するTSUTAYA(ツタヤ)の運営会社カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が指定管理者として運営する。
質問は(1)CCCがテナントとしてツタヤの書店を運営することに関し、地元書店にも公募の機会を与えたのか、決定プロセスを示してほしい(2)Tポイ ントカードの導入は図書館の公的業務を利用してCCCへの割引販売による利益誘導を行うとの見方もでき、著作権法を逸脱する疑いもあり、市の考えを示して ほしい-の2点。
これに対し、樋渡市長は「オープン直前になって何をいまさらという気がするが、速やかに回答する」と話している。
そんなわけで、日本書籍出版協会が、2013/3/4付で、武雄市の樋渡市長に質問書を提出。
質問書のPDFはこちら。
その他の関連記事もいくつか挙げておきます。
武雄市新図書館計画の法令違反の疑いについて日本書籍出版協会が質問書を提出 | スラッシュドット・ジャパン YRO
日本書籍出版協会、「武雄市図書館に関する質問書」を公表 | カレントアウェアネス・ポータル
(過去の記事へのリンクあり)
武雄市樋渡啓祐さん周辺がまた図書館の件で絶妙な炎上芸を魅せる: やまもといちろうBLOG(ブログ)
この質問書に対し、2013/3/8に樋渡市長が回答書を出しました。
【社団法人日本書籍出版協会への回答】 - 武雄市Facebook (全文はここから)
日本書籍出版協会というところから~ - 樋渡市長Facebook (要ログイン)
こちらについても関連記事を挙げておきます。
武雄市新図書館問題、書協の質問に市側が回答 一方で問題を考える市民集会が開催 | スラッシュドット・ジャパン Submission
さて、この回答ですが・・・
Facebookやブログに回答書を画像で載せるという、
アクセシビリティなどガン無視した愚行。さすがです。
非常に読みづらいですね。最低でも別途PDFくらい用意すればいいのに・・・。
また、武雄市の公式HPにも載ってません。
武雄市役所は以前も、図書館・歴史資料館に関する市民アンケートの集計結果を発表した際に、
表データのキャプチャ画像を貼って終わりにするという、
市民を馬鹿にしているとしか思えない手法をとっていたため、
さすがに見かねて個人でグラフ化などを行って公表したこともあります。
なんでもFacebookで済ませるのではなく、ちゃんと情報に応じて
ホームページと使い分けて、市民にわかりやすい適切な形で公表しろと・・・。
Facebookの使い方を根本的に間違えているとしか思えません。
武雄市のFacebookを参考にしようと視察に行く地方議員もいるようですが、
「Facebookでの偏った情報発信にかまけてばかりで、
それ以外の市民向け広報全般をないがしろにしている」
というのが武雄市の実態だと思います。
下手をすると情報統制という狙いすら感じられるほどに酷い状況だと思っています。
以下のような事例を見てきた実感です。
●昨年6月議会で作ると言っておきながら結局作られなかった、
図書館構想に関する市民向け説明ページ。
(市民説明会もたった2回(参加者は130名と23名・・・)ですし、
図書館構想の実態をちゃんと把握できている市民は少ないでしょうね。)
●議会広報誌や議案賛否公表、議会報告会すらない全国最低レベルの市議会。
(Ustream中継はあるが一般質問のみ。議事録は2~3ヵ月後。
上の記事は2012年5月のものだが、その後改善に動いているという話も聞かない。)
●講演会(2013/1/21 徳島)で
「ぼくはよく言われるんですよ、市民の声をもっと聞けって、言われるんですよ。
なんで聞かなきゃいけないんだって、このごろ回答してます。」
と放言する樋渡市長。
(市長がよく発言している「多聞第一」など、上辺だけの言葉にすぎません。
この講演会での発言のほうが本音だというのは、図書館計画などの進め方を見てもよくわかります。)
●TIME誌の見た目をパクっただけという、内容の薄いフリーペーパーのような市報。
(賛否はあるでしょうが、少なくとも私はしっかりと色々な情報がつまった
地元や実家の自治体広報誌のほうがありがたいです。
Facebookには毎月1日に画像で載せられるのに、公式HPに見やすいPDFで載せるのが
ずいぶん遅れることが多いのも気になります。)
市民に向けた丁寧でわかりやすい情報発信をないがしろにする一方で、
話題を呼びたいだけの中身のない施策の打ち出しや報道発表などには力を入れているようです。
このような現在の武雄市役所の広報を参考にするのはやめていただきたいものです。
目を覚まして実態を見て下さい。
さて、モノにもよりますが、個人的には自分の名前や各種データなどを画像で貼るというのは、
なんらかの事情で検索されるのを避けたい人がとってる手法というイメージ。
武雄市の公式Facebookも、ログインしていない状態で見ると、せいぜい1ヶ月程度前までしか
記事を遡れなくなっているようですし、このまま流し去りたいのかなあ。
大事な回答書をこのまま流しちゃいけないし、
ちゃんとテキストで見れたほうがいいよね。
ということで、回答書をテキストに起こしたものを、記事の末尾に載せておきます。
本当は武雄市役所や樋渡市長がちゃんとテキストで見れる形で公開してくれるといいのですけどね。
ところで、このブログでも再三書いてきているとおり、樋渡市長は、
反対質問や抗議をされたら理不尽に徹底的に相手を貶める
という行動パターンをもっています。
■ 2012/5/28 日本図書館協会 武雄市の新・図書館構想について
→ 日本図書館協会の見解は対案無しの荒唐無稽だ。 : 武雄市長物語
→ 樋渡市長のブログを「日本図書館協会」でGoogle検索 (機会あるごとに貶している)
■ 2013/9/18 日本文藝家協会 図書館業務の民間委託についての提言 (PDF)
↓
そうですね。論外。 RT @comcomlib #takeotoilet さて。武雄市長は日本文藝家協会の声明文を受けてどうするのでしょうか。 日本図書館協会の時と同じように、既得権益を振りかざす社団法人として無下にあしらうんでしょうかね。
— 武雄市長 樋渡啓祐さん (@hiwa1118) 2012年9月19日
文藝家協会って初めて知った。各県の教育長に文書を流すなんて古典的かつ怪文書的。ある意味微笑ましい。僕にまず抗議したら良いのにね。 RT @ragged_right いつも政府に頼みこむ。図書館自体が民業圧迫では?
— 武雄市長 樋渡啓祐さん (@hiwa1118) 2012年9月19日
さて、今回の日本書籍出版協会からの質問書ではどうだったのか見てみましょう。
オープン前1か月を切って今さらという感が強いが、真摯にかつ丁寧に回答します。暫しお待ちください。「日本書籍出版協会は・・、武雄市がCCCを指定管理者として図書館業務を委託することに関連して、図書館内への書店併営・・の懸念を示す質問書を、同市の樋渡啓祐市長宛に送った。」
— 武雄市長 樋渡啓祐さん (@hiwa1118) 2013年3月6日
オープン1か月を切って何をいまさらって感じだけど、迅速かつ丁寧にお答えします。/日本書籍出版協会が武雄市長に質問書/佐賀新聞ニュース/The Saga Shimbun :佐賀のニュース saga-s.co.jp/news/saga.0.24…
— 武雄市長 樋渡啓祐さん (@hiwa1118) 2013年3月6日
オープン前1か月を切って今さらと思うんですが、真摯にかつ迅速に回答しますね。RT @seaki Browsing: 武雄市図書館委託に質問書 - NHK佐賀県のニュース www3.nhk.or.jp/lnews/saga/508…
— 武雄市長 樋渡啓祐さん (@hiwa1118) 2013年3月6日
オープン1か月を切って、何を今さらと思うんですが、それはそれとして、こうやって関心を持ってくださることはとても良いことだと思います。地方にとっ て、無関心は最大の悪。そういう意味では、日本書籍出版協会(初めて聞きましたが)のご質問はありがたく思います。二の矢、三の矢、お待ちしています。日 本の書籍出版の発展のために頑張ってください。僕らも応援します。
最後に、この回答書については、武雄市担当メディアに投げ込むのと同時に、先方にも郵送いたしました。
樋渡市長は「今さら」ということにしたいのでしょうが、
日本図書館協会などからの指摘を実質的にスルーし、
まともな説明をしてこなかったのは樋渡市長と武雄市のほうなのですが。
武雄市民も含め、実態を知っている人にとっては、
「いつかまともな説明がされるだろうと思ってたのに、
何もしないまま開館すんのかよ!」
という思いのほうが強いのではないかと思います。
それと、回答書なのですから普通は相手への送付が主だと思うのですが、
「武雄市担当メディア」を先にしてその後に「先方にも」と、
日本書籍出版協会のことをまるでおまけのように書いているのは、
なにかの嫌がらせのつもりなんでしょうか。
些細な点ですが、私はこれまでの樋渡市長の言動も踏まえ、異様さを感じました。
日本書籍出版協会というところから~ -樋渡市長Facebook
日本書籍出版協会というところから、武雄市図書館に関して質問状を頂きました。速く回答せい!ということだったので、3日間で回答しました。もっと速く回答できたのですが、僕が、目下、他の仕事を抱えすぎていて。
まあ、質問状を読んでもらえれば分かりますが、何を今さらって感じです。質問自体レベルが低い。しかし、何でも前向きに捉える私としては、こうやって関心を持ってくださって、しかも、それがニュースになる。これって、武雄市、そして、武雄市図書館の良い宣伝になります(^^ゞ
日本書籍出版協会の皆さんに心から感謝申し上げます。再質問等、心からお待ちしています。
こちらはわかりやすく相手を貶してますね。いつもどおりの樋渡市長です。
これが樋渡市長にとっての「真摯」なのでしょうかね。だからあなたは駄目なんですよ。
ただ、今回の日本書籍出版協会の質問が甘いと思えるのも事実です。
既にツイッターなどでは色々な動きも出ていますが、おかしな点や疑問点は
極力明確にしていきたいところですよね。
自分でも色々と考えてはいるのですが、力不足でうまくまとまりません。
とりあえず、
●回答書には
◎武雄市がこれまでの図書利用カードに加え
「Tカードでも図書館の書籍を借りることを可能にしたい。」
と考えた。
◎「窓口業務の省力化に協力していただいた意味合い」でポイントを付与する
とあります。まずそう考えていること自体がおかしいのではないでしょうか。
昨年5月4日のCCC社との基本合意会見(代官山、佐賀県庁)では、
「今まで図書館に親しんでない人、この人達を呼び込むきっかけ、動機付けになる」
「カードがなるべく1枚で済む流れができればいいなと思っています」
などと言っています。「省力化に協力してもらった対価」というのは後付けの理由ですよね。
「そもそも何故Tポイントなのか」も説明されていませんね。
CCC社と組むと決めた上でのことでしょうが、短絡的すぎやしないでしょうか?
従来の図書利用カードが使えるにも関わらず、図書館システムと
Tカードをわざわざ連携させるというのも不可解です。
自動貸出機を利用させるためにTポイントサービスは本当に必要なのでしょうか?
使いやすければポイントサービスなどなくても状況に応じて自然と使うようになる気がしますが。
「カードがなるべく1枚で済む流れ」についても、行政が一民間企業である
CCC社のTカードに依存したり、それを推進するのはおかしいと思うのですが。
しかもCCC社は多数の加盟店から個人の購買履歴等を貪欲に収集し、
そのデータベースを元にしてマーケティングやターゲッティング広告などの
商売を行っている会社です。行政サービスとの相性は最悪だと思うのですが。
●ポイント付与など無関係に、公立図書館の貸出カードに、私企業が扱っている
ポイントカードを導入するというだけで十分な利益誘導と言えるのではないでしょうか。
●そもそも「9つの市民価値」として
7.「代官山 蔦屋書店」のノウハウを活用した品揃えやサービスの導入
8.Tカード、Tポイントの導入
を挙げ、CCC社以外実現不可能な条件にしている時点でおかしいのではないでしょうか。
その他の多くの項目も図書館部分とは関係ない有料部門の内容が多く、
市民にとっての価値ではなく、CCC社にとっての価値でしかないように見えます。
樋渡市長らは2012年1月からCCC社と打ち合わせを繰り返しており、
その結果2012年5月4日に提携基本合意に至ることとなっています。
つまり「9つの市民価値」そのものが、CCC社と一緒になってデタラメに定義したものであり、
そのように恣意的に作られた「市民価値」を理由に「CCC社の他に存在しない」として
随意契約を行うのは本末転倒であり、これが許されるのであれば、
選定そのものが形骸化してしまい、やりたい放題になってしまうものと考えます。
●樋渡市長が回答書で蔦屋書店の営業許可の根拠として挙げている
「地方自治法第238条の4第7項」は、
「行政財産は、その用途又は目的を妨げない限度において
その使用を許可することができる。」
というものですが、武雄市の新図書館計画では
◎閉架書庫や館長室などが潰されている。
◎武雄市の貴重な蘭学資料の常設展示のために作られた専用建物である
「蘭学館」のスペースが、市民への事前説明もなく一方的に明け渡され、
蔦屋書店の有料CD/DVDレンタルコーナーにされている。
◎従来の1.38倍しかない開架スペースに、2倍~2.5倍の書籍が詰め込まれている。
つまり、単位開架面積あたりの書籍密度は従来の1.45倍~1.81倍となっている。
◎その結果、図書館部分では、最大で高さ4.6mという巨大書架を始めとして
3m、4mクラスの巨大な書架が多用されており、脚立等での高所作業が必須になるなど、
従来よりも利便性が下がった上に危険性が増すという状況となっている。
といった具合に、図書館・歴史資料館の本来の用途を
妨げているとしか思えない改修がなされており、
それによって開架スペース(1571.7平米)の約半分にあたる、
786平米の有料営業スペースが無理やり作り出されています。
ちなみに従来の武雄市図書館の開架スペースは1140平米です。
従来の開架スペースの7割近い広さの有料営業スペースが作られたわけですね。
これは「地方自治法第238条の4第7項」の
「その用途又は目的を妨げない限度において」に
抵触していると考えられるのではないでしょうか。
参考1: 目的外利用
参考2: 武雄市の新図書館の安全性は未だ疑わしく、商業主義の文化破壊でもあると考えます
参考3: 武雄市の新図書館では高さ3.9~4.6m、12~13段の巨大な書架が使われるとのことです
改装後のスペースを貸し出すのだから問題ないと主張されるかもしれませんが、
そもそもCCC社への委託が決まった結果、まだ新しく綺麗だった図書館に
武雄市4億5千万円、CCC社3億円という巨額の改装費をつぎ込んでいるため、
「改装した後だから問題ない」という主張は無理があります。
武雄市がCCC社と組んで図書館・歴史資料館を破壊したと言ってもよいでしょう。
「新たな価値創造のため」と言うでしょうが、そういう見方もあるということです。
なお、「9つの市民価値」の1つとして挙げられている
「1.20万冊の知に出会える場所」
※注: 蔵書数は元々19万冊程度であり特に増えるわけではない。
従来は開架スペースに置いていたのが8~10万冊で、
残りは閉架書庫に置かれていただけ。
は、「20万冊開架」と言われていますが、
◎「閉架書庫を潰して全て開架にする」という無謀さ
◎少なくとも巨大書架の上部は実質的な閉架であり、
高所での作業が必要になることで
本来無かったはずの危険まで発生している
(図面では2階キャットウォーク部の大半が「閉架書庫バルコニー」と
なっているというのも謎。)
という実態を見ると、これは市民にとっての価値を追求したものではなく、
有料営業スペースを改修で無理やり作り出すという目的をごまかすために
でっちあげられたものであると考えるのが自然だと思われる。
●「年間1億1千万円」という委託費で、「1日12時間365日開館」という
図書館運営を委託することは本来なら不可能。
委託費には人件費が12名分しか含まれていないが、
その人数で長時間の開館を行えるはずがない。樋渡市長は市議会で、
武雄市が直営で同じ運営をするなら30人体制(従来の23人に7人増員)が必要になり、
費用も2億3200万円かかると述べている。(これもまともな試算ではないが。)
CCC社のノウハウや運営努力でコストを削減させているのではなく、CCC社に対して
◎公立図書館へのTカードの導入実績と普及
◎図書館内での営業スペースの提供
◎指定管理者としての図書館運営実績
◎図書館を手始めとして自治体の他業務にもTカードを導入していくという方針
(樋渡市長はこれまで、生活保護やマイナンバー、住民票発行などに
Tカードを導入し広げていきたいという発言を繰り返している。)
といったメリット(利益)を与えることで委託費削減を図っているのは明らかであり、
武雄市自身も、訪れた視察者に対して
「従来と同じ給与を保障するにも関わらず経費を削減できるのは、
物販の利益を充てることで、収支が成り立つ仕組みになっているから。」
と説明している。
また、CCC社が雇うことになる図書館司書の一部は、通常の図書館業務だけでなく
有料部門である蔦屋書店の業務も行うということが明らかになっており、
図書館業務と有料部門の業務が不可分のものとなっている。
参考: 武雄市図書館・歴史資料館の現在の職員23名の配属先と関連考察(コストや地元書店への影響等)
指定管理者としての図書館運営と、有料スペースでの営業とを
明確に切り離すことができないというのは、適切とは言えない状態であると考える。
●2012年7月5日の指定管理候補者選定委員会が開催されているが、
開示された議事録(PDF)によると、非公募とした理由は、文化・学習課長から
「図書館を365日開館して運営できる事業者が
CCC社のみであるということが最大の理由。」
「現在全国で図書館の指定管理を引き受けている
どの事業者も、365日開館の実績がない。
これに対し、CCCは、代官山蔦屋書店の運営実績から、
365日の開館が可能であり、さらには開館時間帯も
9時から21時までの大幅拡大ができる事業者と見込まれる。」
「CCC社以外に我々の要求に応えることのできる事業者はないと判断した」
と説明されている。
しかし、CCC社はそもそも図書館の指定管理を受けた実績すらない。
代官山蔦屋書店は図書館ではなく書店であり、更に言えば2011年12月の開店なので、
2012年7月の時点では、代官山蔦屋書店の365日開店の実績すら無い。
図書館運営と書店経営は別物であり、相互の実績は結びつかない。
教育部長の補足によると、
「たくさんのサービスの充実が期待できる。
郵便ポストの返却やコンビニ返却をはじめ、経費の削減など
9つの価値というワードで説明がなされている。
文化・学習課長が言ったのは、その中で最大の理由を挙げるとすれば
365日の開館であるということです。」
となっているが、そもそもCCC社ありきで話をしており、それらのサービスを
他の業者が提供できないという根拠は示されていない。
昨年5月の日本図書館協会の指摘の中にもあるが、
これでは選定理由について説明責任を果たしているとは言えない。
などなど、以前から言われている内容も含め、
明らかにすべき点はまだまだあると思っている次第です。
他にも色々ありますし、そのあたりをうまく詰めていけるとよいのですが・・・。
現実問題として、今更CCC社との契約を解除したり、改装によって改悪されてしまった
図書館を元に戻すようなこともできません。
できたとしても実際問題としてあまり意味がありません。
基本的には少しでもマシな運営になるよう注視し、必要なら意見を出していくしかないとは思っています。
しかし、法律面などでの問題整理はきっちりと行っておくべきだと思いますし、
武雄市の図書館計画が樋渡市長のズレた感覚によって
市民無視で強引に進められてしまった、ろくでもない計画だということは、
世間に向けてしっかりと明らかにしていくべきだと考えています。
樋渡市長が、反対する市民や個人、組織に対して理不尽な誹謗中傷を繰り返したことも忘れるべきではないでしょう。
以下は、樋渡市長の回答書のテキスト起こしになります。
参考資料部分は、該当法令等へのリンクを示してあります。
最初はこのテキストだけで記事にしとくつもりだったのに、ずいぶん色々と書いてしまったなぁ・・・。
武市秘第84号
平成25年3月8日
社団法人 日本書籍出版協会
理事長 相賀昌宏 様
「武雄市図書館に関する質問書」への回答書
武雄市長 樋渡啓祐
2013年3月4日付にて貴協会よりいただいておりました「武雄市図書館に関する質問書」に対し、以下のとおり回答いたします。
武雄市では、従来から、開館時間の延長、司書待遇の改善、蔵書内容の改善等、図書館改革を強力に進めて参りました。しかしながら、市民価値の高い、あるべき図書館を実現するためには、一地方自治体の取組だけでは限界があり、このような図書館を実現するために、従前から、民間のパートナーを探しておりました。もちろん、地元の書店組合の皆さんにも図書館運営や連携について相談して参りました。
そのような中で、昨年の冬、カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(以下「CCC」という。)が新図書館構想に賛同していただき、昨年5月に、本市と「武雄市図書館企画・運営に関する提携基本合意」をするに至り、その中で実現する「9つの市民価値」を公表することになりました。
そして、平成24年7月臨時議会において、市民価値の高い、あるべき図書館、換言すれば、従来の公共図書館を超える新しい図書館を実現するのはCCCの他において存在しないことを説明し、武雄市の公立図書館部分の指定管理者を随意契約によりCCCとすることを承認(議決)頂いたところであります。
1.指定管理事業者であるCCCが書店を併営する件について
公共施設である図書館内のスペースをテナントとして書店を運営することに関しては、新図書館構想を実現するために必要な要件であり、「実現する9つの市民価値」を十分に理解したCCCが運営することによって初めて実現するものであります。
販売エリアは、公立図書館の扱いとは完全に区別され、公的施設を使用するにあたっての条件を付した上で許可をするもので、地方自治法第238条の4第7項及の規定に基づき、CCCが申請をし、それに対し市が地方自治法第238条の4第7項及び武雄市行政財産使用料条例に基づいて許可したものです。
さらに、貴協会が主張される「地元書店にも公募の機会を与えたか」については、武雄市においては、従来このような公的施設の使用許可に、公募方式は採用しておりません。
なお、本件に関して、地元の書店組合、市議会からもご相談、ご指示等なかったことも付記いたします。
2.T-Pointカードを貸出カードと併用する件について
Tカードについては、武雄市がこれまでの図書利用カードに加え「Tカードでも図書館の書籍を借りることを可能にしたい。」と考えたことで、新図書館構想で実現したい市民価値の一つです。
ご指摘の民間業者であるCCCへの割引販売による利益誘導ではありません。また、利用者が借りる際、著作物1冊ずつにそれぞれポイントを付与するのではなく、利用者が自動貸出機を利用したときのみ「窓口業務の省力化に協力していただいた意味合い」で一日に1回ポイントを付与するものです。窓口業務が省力化されることにより、図書館司書がレファレンスサービスに対応できる時間が増えることになります。これにより、市民価値の向上が図られるものと思料いたします。
したがって、貴協会が懸念されている著作権法第38条第4項に定められた、非営利無償の貸与の範囲を逸脱するのではないかというご指摘には当たらないものです。
(参考資料)
■提携により武雄市図書館にて実現する9つの市民価値
1.20万冊の知に出会える場所
2.雑誌販売の導入
3.映画・音楽の充実
4.文具販売の導入
5.電子端末を活用した検索サービス
6.カフェ・ダイニングの導入
7.「代官山 蔦屋書店」のノウハウを活用した品揃えやサービスの導入
8.Tカード、Tポイントの導入
9.365日、朝9時~夜9時までの開館時間
○地方自治法 第ニ百三十八条の四
○武雄市行政財産使用料条例(条例第56号)
○著作権法 第三十八条
○武雄市図書館に関する質問書(PDF)(日本書籍出版協会)
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