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2013年4月 5日 (金)

バンキシャ!に武雄市図書館問題に関する意見を送ってみた

■2013/4/6 0:25追記
  4/7(日)に放映予定でしたが、4/21(日)か4/28(日)に延期されたとのことです。

■2013/4/10 4:00更新
  経緯を書かずに最初から「デタラメ」などと書くと意見がしっかり伝わらないという指摘を頂きましたので、
  経緯説明を追加し、表現なども一部修正いたしました。ご指摘ありがとうございます。
  送ったメールの内容についても、指摘した点が多少なりとも見やすくなるよう改行を追加しました。
  なお、バンキシャ以外にも、もう1つ密着取材があったようですがどこなのかは不明です。
 


 
ツイッターを見ていたところ、こんな告知が。

    4月7日(日)日テレ・バンキシャ!に出ます : 武雄市長物語

樋渡市長が武雄市図書館開館時から密着取材を受けているというのは
ツイッターで市長の発言を見て知っていたのですが、バンキシャ!だったのですね。

これまで当ブログで色々と書いてきたように、私は、「武雄市図書館計画」は、
樋渡市長により市民の意見を完全に無視して進められたあまりにも酷い計画だと考えています。
市民無視だけでも酷い話ですが、それどころか市民を騙す形で計画が進められました。
樋渡市長や議員による反対市民らに対する理不尽な誹謗中傷もありましたし、
しっかり検証してみると、市議会での説明内容すらおかしなことだらけでした。
各所から指摘された問題も、ほとんどがまともな対応もされず棚上げされたままです。
そもそも武雄市図書館はまだ新しく綺麗で、改装の必要などありませんでした。
そんな酷い改装に、国のお金が2億円も使われてしまうことも明らかになっています。

これまでの報道のほとんどは、そういった問題をまともに検証しないまま、
樋渡市長や武雄市側の説明を鵜呑みにして流すものがほとんどでした。
改装開館後の報道も、見た目の雰囲気の良さや便利さを強調するものばかり。
バンキシャでも、表面的な事しか見ていない鵜呑み報道がなされてしまうのでしょうか?

それだけは本気で勘弁してほしい。(切実な思い)

そんなわけで、番組宛に意見を送ってみました。

  ■バンキシャ!公式ホームページ
    真相報道バンキシャ!

  ■番組内容
    真相報道 バンキシャ![字]|番組表|日本テレビ

  ■意見の送り先:
    真相報道 バンキシャ! 情報・ご意見・ご要望

急いで書いた(それでも結構時間かかった)ので、抜けている点もあるかもしれませんが、
ある程度の問題のまとめにはなってる・・・かな・・・?

長くなったので6通に分けて送ったのですが、その直後にツイッターを見てみるとこんな情報が。

あれ?どうやら延期になったのかな?
まあ放送されないと決まったわけでもないですし、密着取材を受けていたのは間違いないわけですから、
もしこの日に放送されなかったとしても、いずれ何かの機会に放送されることはあるでしょう。
鵜呑み報道ではなく、しっかりとした調査や検証にもとづいた報道を望みたいと思います。

 ※2013/4/6 0:25追記
   武雄市図書館についての放映は延期されたそうです。爆弾低気圧を報じるためらしく、
   武雄市図書館の放映は4/21(日)または4/28(日)になる予定とのことです。
      参考: バンキシャ!放映日延期になりました。 : 武雄市長物語

 ※2013/4/10 4:00追記
   密着取材はバンキシャ!だけではなくもう1つあったようです。
     参考: 樋渡市長Facebook(2013/04/05)
          「今日、もう一つの報道番組の密着取材がすべて終了しました。
           ひょっとすると、こっちのほうの放映が早いかもしれませんね。
           バンキシャ!は図書館が中心、こっちのほうは、
           僕の生き方そのものがテーマになります。」

 
武雄市図書館について、

  「何が問題視されているのかよくわからない」

  「見た目はオシャレだし便利でいいじゃん」

と思っている方々も多いと思います。
個人情報の問題ばかりが注目されているようですが、問題はそれだけではありません。
少々見づらいかもしれませんが、どうか一度お読みいただければ幸いです。
特殊市外市民(謎)からのお願いです。
(↑ふざけているようですが無視できない問題もありますのでよければリンク先もご覧下さい)

以下、番組宛に送った内容です。
そのままだと見づらかったので、各項目が見やすくなるよう、改行を足してあります。
 


長くなりましたので6通に分けて投書いたします。

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1通目
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4/7(日)放送予定のバンキシャ!で武雄市図書館と樋渡市長が取り上げられると聞きました。
私は昨年9月から武雄市図書館と樋渡市長の問題を追いかけておりますが、樋渡市長らの説明はデタラメだらけです。
図書館構想は市民らを騙す形で進められ、様々な問題はまともな説明や議論もされないまま開館を迎えました。
武雄市図書館の改装には、合併特例債の適用により国費2億円が投入されることも決まっています。
デタラメな説明を鵜呑みにして放映しないよう、しっかり裏づけを取って責任ある報道をして下さい。
以下に樋渡市長や武雄市のデタラメな説明や実態、問題点などを根拠とともに情報提供します。私の意見も含めております。
少なくとも、これらの点についてデタラメな内容を放映しないよう、対処を求めます。

●「武雄市図書館の改装」について

  →武雄市図書館は2000年10月に出来たばかりのまだ新しく綺麗で明るく評判も良い図書館でした。「ゼロから新しく作った」「古い図書館を改装した」と誤認している人が多いようですので、「特に改装など必要なかったまだ新しい図書館に多額の改装費を投入した」という事実はしっかり説明していただきたく思います。

  →武雄市では分館の設置要望なども出ています。そんな中で不必要な改装事業を行ったことになります。

●「20万冊の蔵書が手に取れる」と最大高さ4.6mの巨大書架について

  →巨大書架の上部(2.1m以上)は落下防止柵が設けられており職員を呼んで本を取ってもらう必要があります。つまり書架上部は実質的な閉架です。したがって利用者が20万冊を手にとれるわけではありません。最大高さ4.6mの書架での取り出し作業には大きな危険が伴いますし、閉架書庫よりも危険性が上がり利便性が下がっただけです。

  →蔵書は従来からほとんど増えておりません。よく「開架図書が2倍に増えた」と表現されますが「蔵書が倍増した」と誤認されることが多い(それを狙っている?)ので、「閉架図書を開架に出しただけで蔵書数は変わっていない」ということがわかるような説明にして下さい。

  →「20万冊開架」と言っているのは「蔦屋書店やスターバックスを入れるスペースを無理やり作り出すためには閉架書庫も潰して全体的に異常な巨大書架に蔵書をつめこむ必要があった」という事情を誤魔化しているだけだと考えています。巨大書架が作り出す雰囲気に圧倒されるかもしれませんが、あのような巨大書架は図書館として異常だということをご認識下さい。

  →閉架書庫には「より安定した環境での資料保存性向上」というメリットもあると思いますが、全て開架となったことで資料の保存性は下がっていると考えております。

●「運営費は1割削減される」について

  →2012年度の図書館費予定額が1億4500万だったのに対し、2013年度は1億3200万円(図書館1億1000万、歴史資料館2800万、賃料収入600万)になると報道されており、差し引き1300万円の削減だと説明されています。

  →2012年度は開館日数を295日から331日に増やしたため、従来より図書館費が大きく増加しています。しかし結局改装工事のため5ヶ月間もの長期休館があり、大きく補正されたはずですので実績にはなりません。

  →2011年度までの図書館費は、大失敗しているMY図書館導入などの特別な費用を除けば、年間1億2000万円程度でした。

  →従って、従来に比べて図書館費はむしろ増加しているということになります。

  →確かに開館時間は増え便利にはなるのですが、そもそも1日12時間365日という長時間開館が市民のニーズや利用実態にあっているのか、費用対効果は適切なのかという議論もされていません。

  →CCC社が1億1000万円で1日12時間365日開館の図書館運営を請け負ったのは「物販での利益が見込めるためそれを充当できるから」と説明されています。武雄市からの委託費には人件費もわずか12名分しか含まれていません。つまり本来ならその金額で請け負うのは不可能なのです。このように「本来は別々にすべき物販の利益まで見込んだ格安での委託請負(物販エリア提供という便宜供与を行っての格安委託)」が適切なのかどうか法的な整理と議論が必要だと考えます。業務自体も図書館部分と有料営業部分が明確に分離されていません。「図書館運営」も「館内での営業活動」も公募が行われていないというもの重要なポイントです。このまま議論もなく既成事実化されてはいけないと考えます。

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2通目
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●「改装費の市民負担は無い」について

  →改装費は合併特例債(2億7500万円)の適用により、国が2億、武雄市が2億5000万、CCC社が3億の合計7億5000万円となりました。(ただしCCC社3億については明確な説明無し)

  →「指定管理者の導入で運営費が削減されるのでそれにより改装費が賄える」と説明されていますがデタラメです。
   上に書いたように運営費はむしろ増加しますし、仮に武雄市の説明どおり年間1300万円の削減だと考えても、武雄市負担分の2億5000万円を回収するだけでも19年以上かかります。

  →削減がなりたたない以上、武雄市負担分の2億5000万円だけで、市民1人あたり約5000円、1世帯平均で1万4000円超の負担となります。
   合併特例債が利用されるというのは3/12市議会の石丸議員の一般質問にて発表されたことですが、合併特例債がなければ市民1人あたり約9000円、1世帯平均で2万5000円以上の負担になるはずでした。

  →参考:9月補正予算の図書館改装費用4億5000万円のうち、建物と設備改修の分は約1億8000万ですが、それ以外に「空間創出」といった項目がありCCC社に「代官山蔦屋のような空間作り」などが委託され、本棚の総入れ替えなどが行われています。

●「武雄市が直営で1日12時間365日開館をやれば2億3200万円かかる」について

  →2012年度の図書館費予定額だった1億4500万円を、開館時間が1.6倍になるからという理由で単純に1.6倍しただけです。まともな見積もりではありません。

  →樋渡市長は7/18の臨時市議会で2億3200万円の内訳を説明していますが、その数字は明らかに間違っていることがわかっています。どんぶり勘定にデタラメな説明をつけているのは悪質です。

  →市民が「従来の2倍近い図書館費がかかってもいいから1日12時間365日開館してほしい」と望むとは思えません。そもそも、まずは上に書いたように「1日12時間365日開館」が費用対効果等も含めて適切なのかどうかという議論が必要だと考えます。

●「直営だと2億3200万円かかるがCCC社への委託だと1億1000万円になるので差し引き年間1億2200万円の効果(利益)。だから改装費の武雄市負担分2億5000万円は2年くらいで取り戻せる。」

  →樋渡市長や教育委員会、賛成派議員らが市議会で繰り返してきたデタラメな計算です。(数字は最新の状況にあわせました)

  →上に示した通り、「そもそも市民は従来の2倍近い2億3200万円かけてでも1日12時間365日開館を望むのか?」という観点がすっぽり抜けています。

  →上に示した通り、従来の図書館費は1億2000万円程度なのですから、開館時間が増えたとはいえ、2013年度予定金額の1億3200万円はむしろ負担が増えていることになります。従って、改装費を運営費削減で賄うというのはデタラメです。

  →CCC社に1億1000万円で委託されたのは図書館の施設管理と運営だけです。歴史資料館部分は市の直営です。従来の図書館費には歴史資料館部分も含まれていますが、それを無視して整合のとれない数字で計算されています。

  →最近では3/12市議会の石丸議員の一般質問でも古賀教育部長が合併特例債の適用にあわせてこのデタラメ計算を出していますが、「一般財源分の1億7500万円は1年半で取り戻せる」と言っており合併特例債の市の負担分(30%)が無視されていますし話になりません。このようなデタラメな説明ばかりが市議会でまかり通っています。

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3通目
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●「市民の意見などを反映した」について

  →意見を聞くどころかまともな説明すらろくに行われませんでした。市民説明会は5/20(130名)と11/15(わずか23名)の2回だけで大した説明も無し。計画説明用のホームページも6月議会から作ると説明されていましたが結局作られませんでした。

  →「アンケートで雑誌を増やしてくれという意見が多かった」を根拠として蔦屋書店の雑誌販売が入り口近くで大々的に行われていますが、その根拠となるアンケートは昨年4月にCCC社が武雄市で1日だけ行った対象者わずか173人のアンケート。そこで「雑誌の充実」を望んだのはわずか39名で、「本の販売」を望んだ人もわずか29名。9月の市民アンケートでも雑誌を望んだのは1120人中261人で4位。いずれも複数回答可の設問でした。したがって市民は別に図書館での雑誌販売を望んでいたわけではありません。樋渡市長やCCC社が雑誌販売を行いたかっただけであり、そのためにデタラメな説明がされているだけです。しかも雑誌だけでなく新刊書まで大量に販売されており、近隣の書店の経営への影響は必至です。

  →9月の市民アンケートまでは改装費は2億~2.5億と説明されていましたが、市民アンケ終了数日後に突然4.5億の予算が発表されました。その倍増予算を通すために、その予算が説明されないまま行われた市民アンケの「7割が期待」という結果だけが都合よく利用されました。

  →樋渡市長は9/13の市議会で「アンケートの自由記述欄の意見を公開し回答していく」と答弁していましたが、公開すらまともに行われませんでした。当然回答も一切なされていません。全てがないがしろにされ悪用されただけです。

  →9月議会では、代案を含めた請願を出した「武雄市図書館・歴史資料館を学習する市民の会」とその代表世話人が、樋渡市長や山口昌宏議員らによって理不尽に罵倒されました。

  →3月議会でも、市民の会の抗議活動が、山口昌宏議員によって理不尽に批判されました。「被災地にくらべ武雄市ではプラカード持って行進できるとは幸せでよかった」などと関係ない被災地まで持ち出して皮肉が述べられています。下種の極みです。

  →市民の長年の運動を経て作られた武雄の貴重な蘭学資料の常設展示館「蘭学館」は残すよう市民から要望が出ていましたが、樋渡市長は最初からTSUTAYAに明け渡すつもりでした。7月頭に視察に来た那須町長に「蘭学館は取り壊してCD/DVDコーナーにする」と説明していますし、開示された9月時点の図面では既に蘭学館はCD/DVDコーナーとされています。それにも関わらず樋渡市長は9月議会で「蘭学館は当面残す」とし、教育委員会も11/15市民説明会で「蘭学館は改修予算に入っていない」と説明して市民を安心させておきながら、12月市議会で突然「方針変更」し蘭学館をTSUTAYAの有料CD/DVDレンタルコーナーにし、そのための条例改正まで行っています。この「方針変更」について市民への事前相談はありませんでした。

  →日本図書館協会や日本文藝家協会による提言等は樋渡市長によって「荒唐無稽」だと片付けられ、まともな説明や対応はなされていません。日本書籍出版協会からの質問書には回答がなされましたが、「以前から公募していない」「物販エリアは明確に区分されている」といった説明が事実と異なるのをはじめ、まともな回答になっていません。

  →武雄市民ではありませんが、武雄市図書館についての情報開示請求を行った方が、武雄市側のミスで条例違反となる3ヶ月もの放置を受けた挙句、ツイッターで樋渡市長から名誉毀損と言ってもよいほどの誹謗中傷を受けています。

  →他にも、樋渡市長は反対意見を述べる議員や人々を異様なほど侮辱・攻撃しています。また1/21に徳島大学で行われたICT講演会では「なんで市民の意見を聞かなきゃならないんだ」と放言したほか、意見を述べた方の映像を流して「嫌な顔してますね~」と発言するなど、異様な攻撃姿勢を見せ続けています。

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●図書館内に蔦屋書店とスターバックスを入れた件について(提供面積や行政財産の扱いなど)

  →改装前の武雄市図書館の開架面積は1140平米。それに対し、CCC社の営業面積は745平米。つまり従来の開架面積の65%超もの広さを持つスペースが営業用に提供されています。

  →改装により図書館の開架面積も1140→1571平米と増加していますが閉架書庫や館長室、事務室などが潰された結果です。しかも図書館開架部の蔵書密度は従来の1.5倍~1.8倍に増加しています。あのように異常な巨大書架を導入せざるをえない、無理のある開架計画なのがよくわかると思います。

  →現在の比率で見ると、図書館開架部分が1571平米、営業部分が745平米ということになります。この2つが有効面積だと考えると、全体の3分の1を営業部分が占めていることになります。

  →地方自治法 第二百三十八条の四では「行政財産は~(中略)~その用途又は目的を妨げない限度において、貸し付け、又は私権を設定することができる。 」とされており、蔦屋書店とスターバックスは行政財産の目的外使用許可を得て貸付を受け営業を行っています。
   しかし、上に示したとおり、蔵書配置密度の増加や巨大書架での作業の危険制増加、利便性低下、全開架による書籍の保存性の低下等も考えると、「(図書館の)用途又は目的を妨げない限度」を逸脱して営業スペースが無理やり作り出され提供されていると考えられます。上で述べたように「蘭学館」も市民への相談もなく明け渡されてしまっています。しかも、この営業スペースを無理に作り出すために多額の税金が改装費として投入されているわけです。随分とおかしな話ではないでしょうか。

  →樋渡市長は日本書籍出版協会への回答で「販売エリアと図書館は明確に区分されている」としていましたが、図書館の蔵書が販売エリアに置かれていたり、2階の学習室に販売商品である雑誌が置かれていることが判明しています。スタッフも図書館部と販売部の両方の業務を行っています。その他の面を見ても図書館が営利行為にも利用されている、あるいは切り離せなくなっていることは間違いないと思われ、著作権法や貸与権などの面から見ても、図書館として成立していないのではないかという懸念があります。

●「指定管理者選定の経緯」について

  →もともと樋渡市長には図書館の指定管理者選定の権限などありませんでした。

  →それにも関わらず、2012年1月から5月にかけて、CCC社に内密かつ独占的に計画を検討させ、権限もないまま5/4に大々的に合意記者会見を開き合意書に署名しています。

  →「Tカードの導入」まで「市民価値」だとでっちあげ、公募すらしない上にまともな根拠もないまま、図書館運営経験すらないCCC社を選定し随意契約しています。昨年7月の教育委員会の選定会議録では「代官山蔦屋書店運営の実績により365日開館が可能」としていますが、この会議時点では代官山蔦屋書店は開店から約半年が経過しただけですし、書店の運営と図書館の運営は全く異なります。

  →後から教育委員会や議会を通したとはいえ、選定根拠の無さ、権限をもたない首長による1社への独占的な依頼、それを既成事実化する大々的な発表、その後の改装やあからさまな便宜供与などは、指定管理者の選定方法として非常におかしなものであると考えます。

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●個人情報の扱い(Tカード)について

  →通常の図書利用カードとTカードの好きなほうを選択できるようにしたから問題無いと主張している方々もいますが、そうではありません。

  →「図書館の自由に関する宣言」などでは、図書館は読書事実や利用事実を外部に漏らさないということがうたわれています。これは過去の検閲の反省なども踏まえたものです。

  →しかし武雄市図書館ではTカードで自動貸出機を利用するとポイント付与のため「Tカード番号・利用年月日・利用時刻・ポイント数」の4情報がCCC社のシステムに送られます。つまり「誰がいつ図書館を利用したか」という利用事実が外部に送られていることになります。

  →樋渡市長は市議会で図書館での館内写真撮影の禁止について説明する際に「誰がいつどこにいたかというのは重要な個人情報だから」と説明しています。

  →その一方で樋渡市長は「CCC社に渡すTカード番号・利用年月日・利用時刻・ポイント数の4情報は個人に紐づいた情報ではないので問題ない」と説明しています。「誰がいつ図書館を利用したか」という個人情報をCCC社に渡しているのに、そうではないと説明しているのです。説明に整合性がありません。

  →武雄市図書館ではTカード番号と図書館利用ID、利用者住所氏名などを紐付けて管理しています。つまりTカード番号は個人に紐づいた情報です。

  →当然ですがCCC社でもTカード番号と利用者住所氏名などを紐付けて管理しています。つまりTカード番号は個人に紐づいた情報です。

  →つまり、樋渡市長の「Tカード番号等は個人に紐づいた情報ではない」という説明はどう考えても間違っています。この論法が通るのであれば、少し規約を変えるだけで貸し出し履歴等の情報までCCC社に渡せるということになりかねません。樋渡市長の個人情報保護意識が薄いこともよく知られており、それも懸念されています。

  →また、CCC社は加盟各社から貪欲に購買履歴などを収集し、そのデータをマーケティングなどの自社商売に利用している会社です。医薬品の購買履歴収集やデータの共同利用などの問題も指摘されており、行政が情報を渡す相手としては相性も最悪といえます。

  →こういった様々な問題があるにも関わらず、図書館にTカードが導入されてしまいました。樋渡市長は、住民票の発行やマイナンバー、病歴管理や生活保護などにもTカードを使いたいと発言しており、異様にTカードの拡大姿勢を見せています。これも異常なことであり今後への不安を隠せません。

  →色々な問題にくらべ、得られるメリットは「自動貸出機の利用促進」「Tポイント付与」だけです。たったこれだけのために様々な問題を無視して公共図書館にTカードを導入し、更に首長自ら利用拡大まで図っているというのは異常なことだと私は考えています。

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★まとめ
 まだ新しい図書館に7億5000万円もの改装費を投じたのですから、出来上がった武雄市図書館が良いものに見えるのは、ある意味当然です。
 品揃えが豊富な蔦屋書店やスターバックス、また、オシャレな雰囲気の内装が市民に喜ばれるだろうというのもよくわかります。
 しかし、それは果たして、本来不必要な多額の改装費を使ってまで「図書館」の中で行う必然性があるものなのでしょうか?
 例えばどこか別の場所に蔦屋書店とスターバックスが開店すれば同様に喜ばれたのではないでしょうか?営業面積だってもっと広くできたかもしれません。
 「図書館の中に蔦屋書店やスターバックスを入れる」という、ただそれだけの事のために国の税金2億円も含む改装費7億5000万円を投入する必要などあったのでしょうか?
 なぜそこまでして民間企業であるCCC社に便宜を図る必要があったのでしょうか?
 使われる4億5000万円(国2億、市2億5000万)の税金は、武雄市にとっても非常に貴重なお金のはずですが、市民は本当に図書館の改装を望んでいたのでしょうか?今後苦しくなることが見えている地方財政を考えると、もっと他にやるべきことがあったのではないでしょうか?
 武雄市では国民健康保険の負担金が上がったりもしているのですが、そのような財政状況で市長が自分の趣味で図書館を改装して喜んでいてよいものなのでしょうか?
 市議会などでデタラメな説明をしたり、市民を騙す形で計画を進めたり、反対意見を述べる議員や市民を始めとした人々を過剰に侮辱し攻撃するような樋渡市長らの政治姿勢を許してよいのでしょうか?
 様々な問題点があり、それらについてほとんどまともな議論が行われていませんが、それで良いのでしょうか?

 武雄市図書館の派手な見た目に惑わされず、計画の経緯や内包されている様々な問題にしっかりと目を向け議論するべきだと、私は考えます。

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コメント

4月7日(日)日テレ・バンキシャ!に武雄市図書館問題が出ることを、樋渡市長の個人ブログで知りました。「笑点」を見たあとの、日テレ・バンキシャ!の番組は、キャスターが分りやすく解説してくれるので良く見ます。今回、樋渡市長に密着取材をして報道するというので期待していますが、これまでのマスコミ報道は、つい表面を見て誤解したまま報道するケースが多く、心配していました。今回、 「さまよう金の髭」様が、丁寧な事前投稿をしていただいたようで、読んでみると、細かいところは私も知らなかった情報がありますが、基本的な指摘には賛同します。特に、図書館の本来のあり方を議論しないまま、CCCの営業、特に「書店」を図書館に渾然と導入してしまったこと、つまり代官山蔦屋(何回か訪問しました)を、これぞ図書館と思ってしまったところが問題だと思います。それに経理・設備投資面でも、おっしゃるように私も説明責任を、まったく果たしていないと思います。日テレ・バンキシャ!の取材チームは、この機会にぜひ、これまでの鋭い切り口による分析をお願いします。そうでないと、日本全国にムードに乗って安易に「武雄に続け!」 という首長が現れるかもしれないことを懸念します。

投稿: 福富洋一郎 | 2013年4月 6日 (土) 00時30分

>巨大書架の上部(2.1m以上)は落下防止柵が設けられており職員を呼んで本を取ってもらう必要があります。

行かれてみるとわかると思いますが、キャットウォークの上、最上段の本ですが、多くは今のところ、ダミーです。本のような外側があるだけで、本ではありません。いずれ蔵書が増えれば本に置き換わるとは思いますけれども。

私もさまよう金の髭さんと同じく、市外の者です。批判もあるとのことで、このブログを読んで勉強してからはるばる飛行機に乗って行ってみました。実際行ってみると、デメリットよりも、それ以上のメリットを正直感じました。3人で伺いましたが、「こんな図書館がうちの市にもあればなぁ」と異口同音の感想でした。少なくとも、武雄市のイメージアップにはつながっていると感じます。また、小学生からお年寄りまで、とても楽しそうに読書やお茶をなさっていたのが印象的で、外へ出ると舞い散る桜も美しかったですし、御船山も見られて感激でした。温泉も元湯と旅館のそれぞれがとてもよかったです。今回の図書館論争がなければ行くこともなかったでしょうが、また繰り返し訪れたい場所になりました。

ご批判もあるとは思いますが、コーヒーと読書が好きな自分には、この形態(スタバとTSUTAYA併設)がとても居心地がよく感じ、「飲みながら」・「借りる」・「買う」のできる武雄市図書館がとても羨ましく感じました。次は併設施設も作りたいというお話も聞きましたので、楽しみにしています。批判されているのに、肯定的で申し訳ないです。とても楽しかったので…。ベタ褒めしすぎですかね。

投稿: | 2013年4月 6日 (土) 08時28分

8時28分に投稿された方の感想有難うございました。私は見にいくことができないので、最近アップされたグーグルマップのストリートビューで、2階から360度の図書館内(店内?)を見て気になったことを確認している状況です。その意味で、日本テレビのバンキシャ!の映像に期待しています。
 そうですか、高い書架の一部はダニーですか。これはインテリアとしては「有り」かも知れません。ご感想には頷くところが沢山あります。とにかく、言いも悪いも多くの話題を提供し、その結果多くの人が来場することは地味になりがちな図書館の活性化の一手段だと思います。現に市外の人まで訪問しているのですから。私も5年前なら同じ感想を抱いたかもしれません。
 しかし私の住んでいる横浜市で、民間ノウハウ活用とコスト削減を狙って横浜市立図書館に指定管理者制度を導入しようとしたときに、川づくりボランティアや図書館ボランティア活動をしていた私は、公共図書館と指定管理についていろいろ勉強しました。その結果は、民間ノウハウといわれるものの殆どは、直営でも可能だし現に頑張っている直営図書館が多く存在します。そして、図書館の運営は手段であり、図書館の目的・有り方・ミッション・長期政策が重要ではないかということです。横浜市も不十分ですが、司書の人材は180人確保しています。武雄市は私の故郷である九州なので、このポイントが気になりました。市民参加と情報開示がどう贔屓目にみても課題と考え、「武雄モデル」が全国に広がることを懸念しているところです。

投稿: 福富洋一郎 | 2013年4月 6日 (土) 09時18分

この頃は、「民でやれるところは、民でやりましょう」が大流行ですが、基本は、「公でやらねばならないところは。公だ。」と思います。
私は、定年退職後、3年間ほど公立図書館に嘱託非常勤で勤めた経験があります。その時の話を、ちょっとだけします。

私の日々の仕事は、主に返却ポストの本の回収、配架や様々な利用者案内(導入されたばかりの自動貸出し機の案内も)など。
月末休館日には、司書さん方は、翌月に向けての資料(本・行政資料・郷土資料など)の受け入れ、廃棄・除籍、ポップ作り
月ごと新コーナー展示(子ども・大人)の準備などなど。私が気が付かない仕事が、きっとまだあったことでしょう。
一方、臨職の人を含め私たちは、新雑誌などの表裏表紙の専用テープ補強、本の修理、落書き消しなどの諸々の人手が足りない
ところのお手伝い(過去3か月分の各新聞の束ね替えも大変)でした。

これらの中には、当然日々していることもありますが、集中して、それらがたくさんできる有り難い月末休館日でした。
(月末休館日は、利用者にとって図書館は休みでも、スタッフは出勤です)

そして、私たちのような立場でも、館長さんはじめ、全スタッフでの打ち合わせにも参加させていただき、どうしたら利用者の
ための図書館運営ができるか、ふだんのホウレンソウ(報告・連絡・相談)の再確認をし合う仕事仲間として、勤め初めから自然に
定例打ち合わせ会に参加させていただきました。そうしたスタッフ間の交流がある楽しい職場でした。
さて、1日オープンした年中無休の新・武雄市図書館は、そうしたことをどうするのか、不思議でたまりません。

勤務していたころ、一番にびっくりしたのは、白杖の全盲(おそらく)の方が、利用されていたことです。私が、勤めていた分館には
点字図書・資料はありません。
どうされていたかというと、いつもの慣れた館内歩行ルートで幼児コーナーに行き、そして座り、ずっと館内の音や声、様子に耳を傾けて
おられました。小一時間くらいおられて、いつの間にか退館されていました。図書館を限定した利用の仕方しか頭になかった私には、大変に
勉強になったことでした。そのかたが来られるたびに、とより良い図書館の雰囲気にしなくてはと思いを強くしました。

CCCの売り場を通り抜けないと行けないという新・武雄市図書館は、そうした方々が自由に、安心して利用できる環境にあるのでしょうか?
先のコメントの方は、飛行機を利用して、新・武雄市図書館に行かれたとのこと。その好奇心の旺盛さには感服しますが、先ずは、地域住民の
すべてに開かれ、安心・安全に利用できる図書館創りが必要と思います。0歳児から誰にでも開かれている生涯学習の施設なのですから。

その自治体で全域でサービスを行き渡せるには、BM(ブックモービル)・移動図書館車、団体貸出の配本車、学校との連携、正規職員と
しての専門職・司書配置(公共・学校)などが必要です。旧武雄市に、いくら1館だけ立派な?図書館があってもダメでしょう。
市外住民でありますが、改修前の武雄市図書館・歴史資料館(エポカル武雄)を数度訪れています。使いやすく、スッタフさんの接遇も利用者に
しっかり寄り添っておられました。お隣の伊万里市民図書館は、全国的にも屈指の図書館ですが、その刺激を受けて切磋琢磨されている図書館だ
との印象を持っていました。

今回のような、巨額のお金をかけるのだったら、折角の大合併特例債を全域にわたるサービス拡充に使う方が、特例債の趣旨に合うのではと、
ずっと思っています。本当の政治家だったら「先憂後楽」。今回の政治屋・樋渡&取り巻き議員は、さしずめ「先楽後憂」の典型です。
いずれ、まわりまわってそのツケは、図書館利用者、住民(蘭学は国民的資料)にというわけです。蘭学資料が、紛失や売買とかにならなければ
いいのですが・・・。改装ばかりに関心がいって、蘭学資料が、粗雑に扱われていないか心配です。

安易な指定管理者運営(民間委託)は、スタッフのチームワークを壊し、図書館同士のネットワークを壊していくことを十分に考慮して
おく必要があります。図書館で利益を生むことはできません。図書館を起業支援などのために利用した方々が、先々の自らの仕事で
利益を得ることがあっても・・・・。
それを十分に承知の上で、CCCが引き受けたということは、個人情報収集会社としての役割をどこかで発揮できることを願っているからでしょう。
単に民間会社への便宜供与にとどまらず、「いつ、どこで、なにをした、どんな本を読んでいる」など、オマケ(Tポイント)を通して、私たちの
身辺にいつの間にか忍び寄ってくるのです。
日ごろ、ニュースで報じられる「データーのうっかり流失、サイバー攻撃」の被害は、いつでも誰にでも起こりうることです。
さまよう金の髭が、たびたび指摘されているように、「情報管理の脇が甘い樋渡市長は、特に注意」には、大いに同感いたします。

金の髭様、つい長いコメントになりまして、すみません。

投稿: けんさん | 2013年4月 7日 (日) 05時47分

金の髭さん、先のメールで入力ミスにより呼び捨てになっていました。
寝とぼけていましたので、ご容赦を・・・。

投稿: けんさん | 2013年4月 7日 (日) 10時58分

2013年4月6日(土) 08時28分投稿の方、感想ありがとうございます。
諸々の情報から、現時点では最上段などはダミーが多いということは存じております。
しかし、かなり上のほうにも蔵書が配置されていることは写真やストリートビューでも確認できます。
  例:
    http://d3j5vwomefv46c.cloudfront.net/photos/large/755204769.jpg
    http://d3j5vwomefv46c.cloudfront.net/photos/large/755209624.jpg
閲覧頻度が低いものを上に置くようですが、その結果、比較的重い本も上に置かれたりしているようです。
閉架書庫があった時には何も問題なかったのに、改装により無用な危険が増えたことは間違いないでしょう。
一見、圧倒される雰囲気をかもし出してはいるのですが、冷静に考えれば、危険性も考えずに
このような巨大な書架を使うのは、おかしな話なのです。利用者や職員にとってもデメリットだらけです。

また、出来上がった施設がそれなりの雰囲気を持つ良い場に見えるのは当然だと思っています。
なにせ、改装だけで7億5千万円もかけたのですから、それくらいの施設になって当然です。
実際のところ、書店やレンタル、スタバが同じ場所にあれば便利なのもわかります。
武雄市図書館を訪れたことで、武雄市という地域の素晴らしさに触れられたことも良い事だと思います。

しかし、武雄市図書館の場合は、記事に書いたように内包している問題点が多すぎるのです。
「見た感じ出来上がりがいいから別にいいじゃん」で済ませてはいけない数々の問題がそこにあります。
結局のところ、
  「まだ新しくて改装の必要などない図書館に7億5千万円もの改装費用をかけ、
   多くの問題を無視したまま、館内に蔦屋書店とスターバックスを無理やり詰め込んだだけ。」
というのが武雄市図書館です。
課題などがしっかりと検討され、市民の意見や施設の特性なども考えていたならまだよかったのですが、
そういう説明が一切なされないまま、様々な図書館機能を犠牲にして販売部が入れられ、
図書館との区別もはっきりしないまま、樋渡市長やCCC社がやりたい放題やっているのが現状です。
これまでの説明はデタラメだらけですし、開館後の色々な情報を見ると、
図書館として成り立っているかどうかすら疑問視されています。
議論の行方次第では、武雄市や武雄市民が大きな負債を負うことになりかねません。
全国の図書館に悪影響を及ぼしてしまうこともありえます。
そういう施設を「必要もなかったのに独善的に作ってしまった」のだと思っています。

なお、カフェを併設した図書館は全国にも多数あります。こちらをご覧いただくとよいでしょう。

   カフェがある図書館をまとめた地図 Twitterの「#図書館カフェ」参考に作成
   http://b.hatena.ne.jp/articles/201208/10130

記事の最後の文章に繰り返しになってしまいますが、
  「武雄市図書館の派手な見た目に惑わされず、計画の経緯や内包されている
   様々な問題にしっかりと目を向け議論するべき」
だと、私は考えます。

投稿: 金の髭 | 2013年4月 7日 (日) 23時42分

はじめまして、20代半ばの武雄市民です。
週末に新武雄図書館に行って、失望し、いろいろと検索していたら、ココにたどりつきました。

市民としてどうかと思われるかもしれませんが、恥ずかしながら、記事に書かれているような財政面のことはまったく知識がありません・・・。

ただ、体感として、新武雄図書館には、ガッカリです。
高校時代にはほぼ週1、大学の論文を書くためにも足しげく通った図書館。その図書館が変わるということだけでもガッカリでした。
私が無知だったということもありますが、本当に知らないところでアッという間に決定が下された印象です。。。
でも、「変わる」「新しい」ということだけで批判することはやめようと思い、途中からは、いい方に変わるならそれはそれで良いコトだと自分に言い聞かせていました。

実際に行ってみると、いい方に変わるどころか、従来のいい面が失われていると思います。

まず、建物。すごく気に入っていた天窓からの光が、高い本棚のせいで半減しています。
デザイン性か何か知りませんが、あんな圧迫感のあるところ、本当に落ち着きません。
おっしゃる通り、新しく、デザイン的にも素敵で、自慢の建物だったのに、それが初めて新図書館を訪れる人には、改築のおかげだと誤解されることが腑に落ちませんし、「おしゃれなツタヤ」を造るために利用されたようで、すごく不快です。

2Fは完全なる学習ルームだったのに、ツタヤ・スタバのせいで1Fから追いやられた本が並び、学生たちは、本を借りに来る人の出入りを気にしながら勉強しなきゃいけない環境になりました。
確かに、語学など、勉強に関係ある書籍が2Fに来ましたが、以前の図書館1Fには、「学習+本」のスペースがありました。
今の図書館では、カフェだのあって、静かに勉強するスペースは2Fのみ。2Fに行っても完全なる「学習」スペースではないんじゃないかと思います。

日当たりのいい場所にあった児童書のスペースも隅に追いやられました。
比較的入口近くにあったのに、あんな奥のスペースに追いやって、子どもが急にトイレに行きたいとか言い出したら、お母さん方は、端から端まで猛ダッシュしなければならないのでは・・・と危惧します。

歴史資料館のスペースも気に入っていたのに、なんでツタヤのレンタルスペースに乗っ取られなきゃいけないんでしょうか。。

図書館カードについても、散々「従来のカードも使用可能」という主張で、個人情報の問題をガードしてきたくせに、「カードの更新が必要」という説明がなさすぎです。
従来のカードも使えるんだと思って、1時間近くかけて本を選んだ後、「貸出カウンターはどこですか?」とスタッフに尋ねると、新しいカード、Tポイントカードを勧められ、
それを断ると、従来のカードでも更新が必要だと言い出し、「更新には1時間程度かかります」と言われました。結局、そんな時間もなかったので、時間をかけて選んだ本も借りれず帰りました。
1時間程度かかるコトにも理解できませんが、100歩譲ってそうだとしても、もし更新が必要という事実がわかっていれば、来館してすぐに手続きをしていたでしょう。
館内放送で流すなど、周知をすればいいのに。。
新カード、Tポイントを作るのがあたりまえ、従来のカードを使うなんて物好きくらいに思われてるんでしょうか。。
友人から聞いた話では、更新手続きの際、運転免許証を見せ、スタッフの方が番号を控えるそうですね。何のためなんでしょうか?
友人が番号を控えられることを拒否すると、スタッフはすんなり引き下がったそうです。だったら、最初から誰に対してもやらなきゃいいのに。。
以前は、紙切れ一枚で簡単に作れていたカードが、なんでこんなプロセスを経て作られなければならないんでしょう。。

言い出したら止まらないくらいです・・・。
地方行政に興味をもたなかった私にも責任がありますし、すごく悔やんでします。
(一市民が声をあげたところでむかしの図書館が守れたかは謎ですが)


ツタヤに行きたいなら、車で5分程度のところにあります。
本が買いたいなら、隣のゆめタウンにも書店が入っています。
コーヒー飲みながら本を読みたいなら、借りた本をもってカフェに行けます。


どうして、ツタヤ書店もスタバもあの場所にもってこなきゃいけなかったんだろう。。。
利用者数を増やすといっているけど、それってツタヤ書店来店者、スタバ来店者が増えるだけなんでは?と思います。

ツタヤに行く、カフェに行く。いろんな行動で「代用」できていたことを、「新しいコトできるようになりました!」とアピールして、結局、失われたのは、武雄市図書館だと思います。


ローカルTVで流れているインタビューも、選んでいるのか本当にみんなそうなのか、いい意見ばかりです。市長は本当にメディアの使い方が上手だと思います。
バンキシャ!必ず見ます。


どこかに吐出したくて、ココを利用してしまいすみません。。
長々と失礼しました。

投稿: | 2013年4月 8日 (月) 20時41分

金の髭さん、私も、図書館のオープン前にバンキシャの取材班の方に、貴方のブログの一部を渡して、武雄市の実情を解ってから、放映をお願いしますと訴えて見ましたが、放映に影響が有るかわ解りません。多分、市長の独演会になるのでは、無いかと危惧してます。貴方のブログを勝手に利用してすいません。余りにも変わり果てた、図書館が出来上がったものですから。此からも、追及をお願いします。

投稿: 芝刈正雄 | 2013年4月 9日 (火) 15時01分

>"20代半ばの武雄市民"様

色々と嘆かれるお気持ちはよくわかるつもりです。
感想を述べられている部分については懸念も上がっていたのですが、それが現実になってしまいました。
記事にも書きましたが図書館計画は市民とのコミュニケーションが皆無のまま進められたと考えています。
そのため、何がなんだかわからないうちに決まってしまった感じがするのも当然だと思います。

お書きいただいた中で1つ気になったのは、
  「従来の図書利用カードの更新手続きを申し込んだら1時間かかると言われた」
という部分です。これは普通に考えてありえないことだと思います。
有効期限が設けられたため更新手続きが必要ということは一応開館前から告知されてはいましたが、
手続きにそこまで時間がかかるなどということは告知されていません。
更新も含めたカード申し込みに列ができていて1時間くらい並ぶ必要があったということならまだわかりますが、
そういうわけでもなさそうですし、ただの更新手続きにそれだけ時間がかかるのは異常です。
Tカードへの誘導を意図したデタラメな説明だった可能性もありますので、
できることなら徹底的に図書館側を問い詰めてみて頂きたいところです。
Tカード登録を勧めるノルマがあるんでしょうかね・・・。
事情によっては、これは大きな問題だと思いますので、もしよければご検討下さい。
何かわかりましたらご連絡いただけますと助かります。

できてしまった以上、問題追求とあわせてより良い運用を目指していくしかないのですが、
そこで力になるのは、やはり実際に利用なさっている市民の方々の声だと思います。
なかなか難しい部分もあるかもしれませんが、どんどん声を上げていっていただければと思います。

投稿: 金の髭 | 2013年4月11日 (木) 00時38分

>芝刈正雄様

取材班への訴え、ありがとうございます。
私のブログ記事は、私が書いた部分についてはどんどん使っていただいて構いません。
問題の追求や改善につながるのであれば、それが一番です。
色々な訴えを汲んで、しっかりした番組になってくれればよいのですが・・・。

投稿: 金の髭 | 2013年4月11日 (木) 00時42分

>"20代半ばの武雄市民"様

気になったので4/11の夕方に、武雄市図書館に電話で問い合わせてみました。
カードの更新にかかる時間についてですが、

  ●空いていれば5分程度で終わる。

  ●ただ、全員の更新作業が必要な状況なので混雑している。

  ●だいたいの目安としては15分かかると案内しているが、
    週末など混雑している時は、30分~40分かかることもある状況。

  ●Tカードでも従来型カードでも、かかる時間はほとんど変わらない。

とのことです。
「1時間かかる」と言われたのは、相当混雑している時だったのでしょうか?
開館したばかりで混雑しているとはいえ、これほど時間がかかるのであれば、
ウェブサイトや市報などでもしっかりと告知しておいてほしいものですね。
借りたい本を選んでカウンターに持っていって初めて手続きが必要だと知るという方も
それなりに多いと思われますので・・・。
メリットばかりが知らされている状況ですが、もっと利用者目線に立った運営になるよう、
働きかけていくことが必要だと思います。

投稿: 金の髭 | 2013年4月12日 (金) 00時34分

「図書館雑誌」(2013年3月号)の特集は、「東日本大震災から2年」です。

その一つ「沿岸被災地を走り続けてー岩手の公共図書館と書店とともにーでは、
古賀東彦さん(公益法人シャンティ国際ボランティア会岩手事務所/山元事務所長)が
活動の背景や移動図書館車の様子などまとめておられます。
文章の最後の方で、「仮設でひとりでコーヒーを飲むより、移動図書館でみんなの
顔を見ながら飲むといちだんとおいしいよね」という声をいただかれたとのこと。

2年前のあの大震災から、早や4か月後の7月17日には、総勢十数名が関わり、
軽トラで運行開始。
600~800冊の本しか載せられなかった移動図書館車。当時、満員電車みたいな
図書館車という声もあったとか。子どもたちがいち早く図書館車に気づき、多くの人が
集まってこられたとか。返却もできるよう2週間ごとの再来訪という工夫も。

私たちの(軽トラ移動)図書館は、「みんなの居場所」。図書館車のそばにキャンプ用の
ターフを広げ、その下に折り畳みの机を広げ、丸椅子を並べたそうである。

机の上には、その日の岩手日報や雑誌を置き、コーヒーなどの飲み物をお出しして、
くつろいでいただく。「本を読む気には、まだならないな」と、本を借りずにコーヒーを
飲んでおしゃべりだけしていかれる方も大歓迎。・・・・・
本を届けるだけでなく、被災地の人々とのつながりを大切にしたいという言葉が
印象的でした。原点に帰ることができる一文。
お近くの図書館にて、ご一読をお勧めいたします。

翻って、武雄市長の樋渡啓祐氏は、3月下旬?に、武雄市図書館の内覧会に
お越しくださいの文章の中では、「・・・ところで、市民のための図書館とは、
どういうものでしょうか。…(中略)・・・武雄市民の誇りとなる、知的かつ文化的、
歴史的な価値を持つシンボルです。」と述べています。

この言葉が、いかに空疎であり、血税の無駄遣いであったことが、いろんな実態を
通して、今や露見しつつあります。とても覆い隠せるものではありません。

先述の被災地軽トラ移動図書館と武雄市図書館内のコーヒーとは、ひと味もふた味も
違うものでしょう。市民の、市民による、市民のための「居場所」、「地域づくりの拠点」と
しての図書館がどちらなのかは、だれの目にも明らかです。

これからも武雄市図書館の弛まない検証を続けていきたいと思います。

投稿: けんさん | 2013年4月17日 (水) 18時49分

コメント同士のやりとりで申し訳ありません。
けんさんの二つの書き込みを読み、図書館が想定する「市民」というものをあらためて考えてみました。
なぜか市長が目の敵にする 日比谷図書文化館では、昨年秋、「新しい図書館学第3回 ビッグイシュー日本の佐野未来さんと考えよう!図書館にできること」と題する講座が開かれました。テーマは図書館のホームレス問題でしたが、迷惑利用への対策でなく、住まいや仕事を失い情報を最も必要とする情報弱者の彼らに、市民の自立を支援する情報機関として、図書館は何ができるかを考えようという企画でした。
意見交換で特に面白かったのは、図書館の中で、他の利用者から迷惑だという声があるなら図書館が外に出ていけばいいというものでした。
その他様々な意見が出されましたが、残念ながら、まだいずれも実現はしていません。しかし、その視点、姿勢には驚かされました。何より、ホームレスも「市民」であり、むしろ図書館を最も必要としている人であるというスタート地点こそが、「無料貸本屋」と「図書館」を隔てるものだと感じました。
他方、残念ながら武雄市立図書館は、その真逆だと言わざるを得ません。「事業」としては成功するかもしれません。しかし、そこには図書館の誇りも輝きもないように思います。

そういえば、ほとんど破たんしているはずの武雄市MY図書館はまだがんばるようです。図書カードが全国誰でも作れるようになったせいで、登録者はずいぶん増えているようです。そのため、コンテンツの充実が急務のようですが、無料または格安で提供してもらうことを公言しているようで、著作物をなんだと思っているという声も漏れ聞きます。

投稿: e.s. | 2013年4月19日 (金) 10時54分

「市民無視の姿勢」は武雄市図書館問題で大きなウェイトを占める問題だと考えています。

>e.s.様
>MY図書館の登録者はずいぶん増えている

増えているのでしょうか?新しい図書利用カードは95%くらいTカードになっていると報道されていますが
MY図書館の利用では「図書利用カード番号」が必要になります。
これは「Tカード番号」とは異なる番号となるはずで、従来型利用カードの裏面にバーコードと一緒に
印刷されているものではないかと推測しているのですが、Tカードの場合は印字欄はないように見えます。
Tカードの場合、「図書利用カード番号」は用紙か何かで渡されるのでしょうか?
そうでないとMY図書館への登録そのものができないように思えます。
もし情報をご存知でしたらお知らせいただけると助かります。

投稿: 金の髭 | 2013年4月24日 (水) 00時08分

オープン時に他県の人が押し寄せ、話の種的にTカードを作って、MY図書館アプリもダウンロードしているようです。
間違いがあるかもしれませんが、Tカード導入後は、アプリから送られてくる利用申請と図書館のTカード番号の照合作業をやっているようです。今のところ、手作業でやっているようですね。

投稿: e.s. | 2013年4月24日 (水) 06時30分

>e.s.様

情報ありがとうございます。手作業で照合作業ですか。
図書利用カード番号のかわりにTカード番号を送ってもOKになってるのかもしれませんね。
何のアナウンスもしてないのは武雄市らしいといえばらしいですが・・・。

投稿: 金の髭 | 2013年4月25日 (木) 20時19分

書き忘れていましたが、作業に当たっているのは図書館職員ではありません。
帳簿上いなくなると人件費が減ったと(本気で)思い込む、公務員らしいやり方だと感じています。民間だと監査か株主総会でつるし上げられるやり方でしょう。

投稿: e.s. | 2013年4月26日 (金) 07時58分

>e.s様

長らくコメントのチェックを怠っており失礼しました。
たしかMY図書館はCCC社への委託内容に入っていないため武雄市の直営扱いだと思いますが、
「作業に当たっているのは図書館職員ではありません」というのは、
武雄市役所の文化・学習課の職員の方とかがやっているということですかね?
さすがに蔦屋書店の店員がやるわけではないでしょうし。(やっていたら大問題)

このようなものも含め、CCC社への委託費以外にも図書館関連の費用は発生しており、
H25年度当初予算の図書館費(歴史資料館含む)は1.53億円と、従来より3千万円ほど上がっていますね。
更にCCC社は蔦屋書店やスターバックスで上げた利益を図書館運営にも回さないといけないわけで、
武雄市が発表している「運営費1割削減」はデマカセにもほどがあり、
歪んだ委託契約だなと、つくづく思います。

投稿: 金の髭 | 2013年6月17日 (月) 15時56分

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