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2013年7月

2013年7月20日 (土)

武雄市図書館がアベノミクスの象徴だなんてありえないから。

 
7/12に武雄市で行なわれた安倍総理の街頭演説での発言から、

   「武雄市図書館はアベノミクスの象徴」

などというあまりにもデタラメな話が拡散されてしまいそうなので、
事実関係(一部は推測になりますが)などを、しっかり書いておこうと思います。

長くなるので最初に概要を書いておくと、

   武雄市の市政アドバイザーであったSIIIS社の杉山隆志氏が
   2013/4/23放送のニュースウォッチ9を見た感想として呟いた言葉が一人歩きし、
   回りまわって安倍首相が伝聞形で発言することになった。

ということになるのではないかと推測しています。

また、それも踏まえて、

   武雄市図書館の改装は、「アベノミクスの象徴」と言うにはあまりにも酷すぎる事業であり、
   上記の発言はアベノミクスの価値を自ら貶めるだけのどうしようもなく不適切な発言である

ということを示しておきたいと思います。

 
■「武雄市図書館はアベノミクスの象徴」などという話が出てきた経緯

最近になってこのような話が出てきたのは、7/12に自民党公認候補への応援演説のために
武雄市を訪れた安倍晋三首相が、街頭演説の中で以下のように発言したからです。
Youtubeの動画から、その発言を書き起こしてみました。
 

   (2013/7/12) 安倍晋三首相 武雄 街頭演説 - YouTube(冒頭0:30~)

   『ただいま、市長から直接ご紹介いただきました。
    私も全国回っておりますが、市長さん自ら司会をやってるのは、
    ここ武雄が初めてであります。
    さすが、自らなんでもやるアイデアマン。
    あの図書館も、ツタヤと組んで、新たな取り組み、
    アベノミクスの象徴とも言われています。
    さすがだなあ、と感心をさせていただいたような次第であります。』

 
関連するニュース記事や樋渡市長のブログやFacebook記事も挙げておきます。

   (2013/7/12) 総理、「武雄市図書館はアベノミクスの象徴だ、と言われている」と発言 : 武雄市長物語

   (2013/7/12) 樋渡市長Facebook

   (2013/7/13) 安倍首相、樋渡・武雄市長と蜜月アピール - MSN産経ニュース

 
上記のMSN産経ニュースによると、樋渡市長は自分の演説の中で、

   『図書館ができたのもアベノミクスのおかげ。』

などと発言したそうです。
リップサービスとはいえ、よくもまあ恥ずかしげもなくデタラメを言うものですね。

 
とりあえず樋渡市長のデタラメ発言の方から端的にツッコんでおくと、

   ○武雄市図書館・歴史資料館は2000年10月に新築開館したもの。

   ○まだ新しく綺麗だった図書館7.6億円(うち国税2億、市税2.6億)もかけて改装して
    指定管理者制度でCCC社(ツタヤの運営会社)に運営させるという話は、
    樋渡市長らの手により、

      2012年05月 市民らに何の事前説明もなく、突然代官山や佐賀県庁で
               CCC社との基本合意の記者会見を実施。
      2012年07月 臨時市議会でCCC社への委託を可決。
      2012年09月 市民アンケート終了数日後に、突然従来の説明の倍額の改装予算を提出し、
               結果的に市民を騙す形で可決。
               (そんな予算を知らされていなかった市民のアンケート結果が悪用された)
      2012年11月 改装工事開始。
      2012年12月 市民に事前説明もなく、突然ツタヤへの蘭学館明け渡しを発表し可決。
               (11/15の市民説明会では蘭学館は残すという趣旨の説明がなされていた。)

    という無茶苦茶な流れで進められてきたもの。
    なお、当時の政権は民主党の野田内閣。

   ○第二次安倍内閣が発足したのは2012年12月26日。

というのが事実です。
要するに、樋渡市長らがゴリ押ししただけなので、アベノミクスは全然関係ないですね。

 
さて、次に安倍首相の発言をよく見てみましょう。

   『アベノミクスの象徴とも言われています。

「言われています」とありますね。伝聞形です。
つまり、安倍首相がそう言っているわけではなく、誰かがそう言っていたわけです。
では、誰が「アベノミクスの象徴」などと言い始めたのでしょうか?

心当たりとしては、2013/4/23に放送されたNHKニュースウォッチ9があります。

   [ニュースウオッチ9]の番組概要ページ(2013/04/23) - TVトピック検索

   ニュースウオッチ9|2013/04/23(火)放送 | TVでた蔵

   “民間パワー”で活性化を - NHK 特集まるごと

 
書かれているとおり、この番組では「民間パワー」の例ということで、図書館の運営を
TSUTAYA(CCC社)に委託した武雄市図書館の例がちょこっと取り上げられました。

ちなみに、樋渡市長はこの番組に取り上げられることを以下のように表現しています。

   【お知らせ】今晩、NHKニュースウォッチ9に : 武雄市長物語(ブログ)(2013/04/23)
   今日(23日)21時から、ニュースウォッチ9の中で、
   「アベノミクス×武雄市図書館×武雄市長(私)」の趣旨の特集。全国放送です。

   樋渡市長Facebook(2013/04/23)
   今日もまた良いことが続く。今日(23日)21時からのNHKニュースウォッチ9に、
   【アベノミクス×武雄市図書館×私】の特集が出ます。全国放送。良かったら、ご覧くださいね。

 
本人は意気揚々と「アベノミクス」と「私(樋渡市長)」を入れてますが・・・

 
ということでしたから、結果的にとはいえ、随分と大袈裟な表現でしたね。
なお、ツイッターでのこの番組への反応は、togetterでまとめられています。

    NHKニュースウオッチ9“大手レンタルビデオ店 公共図書館を運営”の反応 - Togetter

 
そして、この反応の中に、つい最近(2013年5月頃?)まで
武雄市の市政アドバイザーを務めておられた

SIIIS社の代表取締役の杉山隆志氏
(@TakaFlight)のツイートがあります。

 
はい、「アベノミクス」「象徴」という言葉が出てきましたね。
おそらくですが、上記の杉山氏のツイートが、

    「武雄市図書館はアベノミクスの象徴」

というデタラメな言葉の由来ではないかと思います。
(ツイッターでも指摘した方がおられました。
 というか、私はその方の指摘を見て気づいて、この記事を書きました。)

SIIIS社の杉山氏は、武雄市のFacebook関連の業務を受注したり、
つい最近まで市政アドバイザーを務めておられたりと、かなり以前から深く武雄市に
関わっている方で、武雄市に移住もされておりますし、現在でも武雄市ICT教育推進協議会委員を務めたり、
FB良品という通販サイトの運営を受託したりしています。
プライベートでも樋渡市長の友人だそうで、バリバリの武雄市関係者(利害関係者)ですね。
市政アドバイザーとして、武雄市図書館の件についても色々アドバイスしていたようです。

まあそういうわけですので、杉山氏が番組を見て「アベノミクスの象徴」という捉え方をしたこと自体は、
当事者かつ樋渡市長の支持者としての視点からすれば、当然といえば当然だと思います。
もちろん私としては大いに異論がありますが、それは下で詳しく述べることとします。

で、上記の杉山氏のツイートは、樋渡市長もリツイートしていますので、
当然ながら、樋渡市長もアベノミクスの象徴云々という言葉を知っているわけです。
以下は、安倍首相が武雄市を訪れる1週間前の樋渡市長のFacebook記事からの抜粋です。

    樋渡市長Facebook(2013/7/5)
    公共空間に民間の力を大胆に入れるという意味からか、
    武雄市図書館は、アベノミクスの象徴の一つになっているらしい。
    来週、武雄市に当のご本人がお越しになるかも。

 
伝聞という形で、「アベノミクスの象徴」という言葉が一人歩きを始めました。
これは推測になりますが、安倍首相の来訪が決まった後、樋渡市長は何らかの機会に

    「武雄市図書館はアベノミクスの象徴とも言われているんですよ」

といった話を安倍首相にしていたのではないでしょうか。
あるいは後述する河野太郎議員が、以前の視察で樋渡市長らから聞いた話を
事前に安倍首相にしていたのかもしれません。
事実関係は確認しようがないので、あくまでも推測でしかありませんが。

何にせよ、

    「(武雄市図書館は)アベノミクスの象徴とも言われています

などという伝聞系の言葉は、安倍首相が誰かから話を聞いていなければ、
出てくるはずがありませんので、杉山氏の言葉が回りまわって
安倍首相に伝わって、街頭演説での発言につながったものと推測しています。

市政アドバイザーとして武雄市図書館構想にも大いに関わっていた
杉山氏が発した言葉を、安倍首相の口から言わせたというのは、
結果的に「うまくやったな」と評すればよいのですかね。
もちろん別の方がそう評していた可能性もありますが、確認しようがありません。

 
ただ、伝聞形とはいえ、安倍首相が

    「(武雄市図書館は)アベノミクスの象徴とも言われています

と発言したのは事実ですので、安倍首相もそう考えているか、
少なくとも否定はしていないということになりますね。
リップサービスのつもりなのでしょうが、その後には

    「さすがだなあ、と感心をさせていただいたような次第であります。」

という言葉も続いておりますし、前向きに受け止めていると考えられます。
非常に情けない話だと思いますが、実態を知らなければそんなものかもしれません。
アベノミクスの評価を自ら落としてしまう愚かな発言だと思いますが、それは下で説明します。

 
■武雄市図書館は「アベノミクスの象徴」にふさわしいのか?

さて、ここからが重要です。
果たして武雄市図書館は「アベノミクスの象徴」にふさわしいものなのでしょうか?
これまで当ブログでも散々書いてきていますが、簡単に武雄市図書館改装の実態を書いてみましょう。

   ●武雄市図書館は2000年10月に新築開館したばかりの、
     まだ新しく綺麗な図書館であり、改装の必要などまったくなかった。
     (一部雨漏りなどは起きていたそうだが、通常のメンテナンスレベルの話である。)

   ●樋渡市長がカンブリア宮殿というTV番組で代官山蔦谷書店を見てそれに惹かれ、
     独断的にCCC社(蔦屋書店の運営会社)への委託を推し進めた。
     (後で議会を通したからそれで良いという話ではない。
      説明責任を果たすどころか、市民を欺いて改悪していったのが問題。)

   ●代官山蔦屋書店っぽくするため、あるいはCCC社に来てもらうためだけに、
     合計7.6億円もの大金(別の図書館が建つほどの金額)をかけて
     改装工事を行った。(7.6億円の内訳は、国税2億・市税2.6億・CCC社3億

   ●武雄市の従来の図書館運営費用実質的に1.2億円程度だったが、
     平成25年度当初予算の図書館費(PDF)は1.5億円超となっている。
     つまり武雄市図書館・歴史資料館の運営費は削減されていないどころか、
     むしろ以前よりも増加している。(ただし延べ開館時間は増加している)

 

他にも色々と言いたいことはありますが、普通に考えて大雑把に言うと

    「樋渡市長の暴走による、ただの無駄遣い」

だと思うのですよね。
こんなものが、「アベノミクスの象徴」でいいんでしょうか?

無駄な改装に税金を湯水のように使って、コスト削減にもならないまま
民間企業に運営を委託する
のがアベノミクスだとでも言うのでしょうか?

近隣のレンタル店からは売り上げが1,2割落ちたという悲鳴も上がっています。
その店とは別に、武雄市内には以前から割と大きなTSUTAYA武雄店もあります。
武雄市図書館のすぐ隣にある「ゆめタウン」の中には書店やカフェもあります。
「かぶらない品揃えにする」などの口約束は完全に反故にされ
なんの遠慮もなく、新作ディスクや新刊本が置かれています。
このように、既に近隣にある業種の店舗を公共施設内に問答無用で誘致し、
地方都市の比較的少ない購買客を強奪する状況を作り出す
のがアベノミクスなのでしょうか?

コストが増加した分、開館時間も延び、現在のところ来館者も大幅に増えているといった、
ある意味では良い部分もあるでしょう。
(来館者と言っても多くは図書館ではなく、ツタヤやスターバックスの客のようですが。)
しかし、こんなデタラメな改装や運営が「アベノミクスの象徴」として持て囃されるようであれば、
その失速も近いと思います。非常に残念であり、失望せざるをえません。

 
 
■"象徴"発言が「安倍首相が言った」ということにされ喧伝されている様子

安倍首相が武雄市を訪れた7/12の夜。
武雄市文化会館で、首相の応援を受けた自民党候補の決起大会が行なわれました。
その時の樋渡市長の挨拶の様子を、武雄市民の方がFacebookにアップロードなさっておられます。

   自民党候補の決起大会における樋渡市長の挨拶(動画)

動画の2:00頃から、樋渡市長が安倍首相の発言に触れているので、
該当部分を書き出してみました。

   『そして武雄市図書館。
    河野先生おっしゃいました。
    今日の安倍先生も、あ、安倍総理もおっしゃいました。
    「アベノミクスの象徴だ」。
    これだけの多くのことができる。
    地方でもやれば出来るんです。
    それも皆さん達のおかげであり、
    これも自民党、公明党しか応援してくれませんでした。』

些細と言えば些細な表現の違いかもしれませんが、

   「安倍総理が、"アベノミクスの象徴とも言われています" と言った」

ではなく、

   「安倍総理が、"アベノミクスの象徴だ" と言った」

ということになっていますね。

おそらく、今後の樋渡市長の講演会や武雄市の行政視察などの場では、

   「安倍総理が武雄市図書館のことをアベノミクスの象徴だと言ってくれたんですよ」

という説明が繰り返されるのでしょうね。
仮に、元々は市政アドバイザーだった杉山氏の発言だったという推測が正しければ、
ある意味ただの自作自演のようなものだと思うのですが・・・。
実態を見据えず、そういうキーワードを使った説明を簡単に鵜呑みにして
何も考えず無批判に持て囃す方々が多いので、頭が痛いです。

 
更に、当日同行した河野太郎議員のツイート。

 
「アベノミクスの象徴として高く評価」とのことですが、街頭演説での発言をそうとらえたのか、
それとは関係なく、安倍首相がそう評価しているということなのか。
どちらにしても、上に書いたように、ろくでもない話だと思います。

本記事の本文はここまでとなります。
以下は、河野太郎議員やSIIIS社杉山隆志氏のツイートについて少し。
 
 
■おまけ: 武雄市図書館を高く評価している河野太郎議員

河野太郎議員は開館前の3/25に武雄市図書館を視察しているのですが、
それ以来、どうやら武雄市図書館のことを高く評価しているようで、
CCC社(TSUTAYA)の担当者に話を聞いたり、
地元の湘南に樋渡市長らを招いて講演を開こうとしたりしているようです。
色々と意見を送ったりもしましたが、特に反応は返ってきていません。
個人的に、河野太郎議員については割と好感を持っていたのですが、
武雄市図書館に関する姿勢については非常に残念に思っています。

以下、河野議員の主なツイートと、それについて送った意見などを挙げておきます。
他にも色々な方が意見を送っており、その一部も参考として引用させていただいております。
 

●3/25の視察以降のツイート

 
●7/12の安倍総理応援演説および候補者の武雄市決起集会当日のツイート

  ※「スタバのエリアではない席に座った図書館利用者にも注文を強要」については、
    以下のリンクが参考になります。

       武雄市図書館で苦情 スタバ席と共有席混同/佐賀新聞ニュース

       #武雄図書館 #武雄市図書館 の #スターバックス の話題を時系列で。 #takeolibrary - NAVER まとめ

 
 
■おまけ: 元・武雄市市政アドバイザー杉山氏の関連ツイート

 ●2013/4/23のNHKニュースウォッチ9についてのツイート

 
 ●2013/7/12の安倍総理の演説についてのツイート

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2013年7月 6日 (土)

武雄市図書館の問題について意見をまとめてみました

 
●2013/07/06 初版公開
   ※取り急ぎ書いたものなので、できれば手直ししていきたいと思っています。

●2013/7/9 14:20追記
  ○巨大書架についての説明に、蔵書の配置密度についての記述を追加。
 


 
武雄市図書館について、武雄市側の都合の良いデタラメな説明を鵜呑みにする方が非常に多いことを強く懸念しています。
特に、視察に行った議員らが、武雄市側から受けた説明を鵜呑みにして自分達の自治体に流布しているのをよく見かけます。

FacebookにしてもFB良品にしても武雄市図書館にしても、樋渡市長らがやっていることはつくづくデタラメだらけなのですが、
とりあえず武雄市図書館について、ある程度情報をまとめ、私の意見を伝えておきたいと考えました。

武雄市図書館を視察に行っても「ただそこにあるもの」を見るだけでは実態はわかりません。
出来上がったものだけを見て評価するのも1つの方法ですが、どうしても表面的になってしまうでしょう。
デタラメな説明を鵜呑みにしていては正しい効果も計れません。
経緯や実態にも正しく目を向け、自分自身でしっかりと考えて地元に反映していかなければ、
その自治体を誤った方向に進めてしまうことになりかねません。
どうか、しっかりと検証していただくよう、お願いいたします。

昨年9月から武雄市問題を追いかけてきた個人としての意見でもありますが、
簡単にまとめようと思っても、かなり長くなってしまいました。
取り急ぎ書いたものですので、まだ色々抜けとか甘い部分もあると思います。
情報源を知りたいといった問い合わせや、各種コメントなどあれば遠慮なくどうぞ。

 
 
■武雄市図書館の問題について比較的簡単に書いてみた

  武雄市図書館は4月の改装オープンから既に20万人以上が訪れるなど、
  ある程度の成果が上がっているように見えておりますが、私は主に以下のような点から
  今回の改装を批判しており、長期的な効果についても疑問視しています。
 

    1.改装計画が樋渡市長およびCCC社から一方的に押し付けられ、市民を欺き、貶める形で進められたこと。

      ○議論の積み重ねどころか市民への事前告知すらなく突然大々的にCCC社との合意が記者発表された。
        図書館は教育委員会の管轄であり、樋渡市長にはCCC社と合意する権限もなかった。
        その後、後付けで市議会を通したとはいえ、最初から指定管理者制度導入とCCC社への委託が
        既成事実化されていたことは、民主主義的なやり方とは到底思え無い。

      ○挙げられている「9つの市民価値」も、CCC社にとっての商業価値がほとんどであり、
        デメリットすらも美化して「市民価値」とした、あまりにも異様な「価値」となっている。

      ○市民アンケート終了数日後に、突然改装費を従来の説明から倍増させた予算案を提出し可決。
        アンケートに答えた市民はそのような倍増予算を知らなかったにも関わらず、
        その勝手な倍増予算を通すために市民アンケートの「7割が期待」という結果が利用された。
        これほどの予算がかかると事前に説明されていれば賛否も変わっていたのではないか。
       (市議会等では2~2.5億円と説明されていたが、実際には4.5億円の予算が提出された。)

      ○9月市議会で提案を含む請願を出した市民団体とその代表である井上一夫を、
        樋渡市長と山口昌宏議員が理不尽に誹謗中傷。
        樋渡市長は12月末にも井上氏が佐賀新聞社サイトに寄稿した記事について
       佐賀新聞社に理不尽な抗議を行っている。
        また、山口昌宏議員は2013年3月市議会でも同団体に対し理不尽な暴言を吐いている。

      ○11/15説明会では残すと説明していた「蘭学館」を、12月市議会で突然ツタヤに明け渡した。(後述)

 
    2.改装計画を進めるにあたり、市民への説明責任がまったく果たされなかったこと。

      ○2012年6月市議会の時点でネットに市民向けの説明ページを作ると表明されていたが、結局作られなかった。
       武雄市の公式HPやFacebookでのお知らせは「スターバックスが入ることになった」程度であり、
       図書館改装についてまともに説明するようなお知らせは全くされていない。
       市民は新聞発表などで知るしかなかったが、それですらまともな情報を知ることはできなかった。

      ○市民説明会は2012/5/20(130名)と2012/11/15(わずか23名)の、たった2回だけしか行われなかった。
       11/15説明会は、何故か祭り週間開始の前日という忙しくて参加しづらい日程で開催された上、
       市民への告知も新聞でわずかになされただけでネットでの告知はなされなかった。(告知を求めても無視された)
       樋渡市長は非公式に何度か説明会をやったと主張しているが、確認しようもない。

      ○上にも書いており、詳しくは後述するが、蘭学館の明け渡しについても、
        市民には途中まで「残す」と説明しておきながら、ギリギリになって
       その説明を相談もなく覆し、強引に明け渡した。

 
    3.2000年10月に出来たばかりの、まだ新しく綺麗だった図書館を、
       合計4.5億円もの多額の税金をかけて改装したこと。

       ※図書館を新築したと勘違いしている人も多いようだが、武雄市図書館は2000年10月に新築開館したもの。
        今回の改装は、建物の内部を大幅に改装しただけである。
        まだ12年しか経っておらず、新しく綺麗で素晴らしい図書館だったのだが、
        それにも関わらず4.5億円もの税金をかけて内部を改装したのである。
        樋渡市長がカンブリア宮殿で見た「代官山蔦屋っぽいもの」を求めるためだけに。

       ※改装前の武雄市図書館・歴史資料館の姿については以下のまとめを参照。

           ”図書館・歴史資料館がオープン!” #takeolibrary - NAVER まとめ

           市民を欺き貶める樋渡市長を「改革派市長」などと呼ぶな - Togetter

       ※ちなみに、小布施町立図書館まちとしょテラソの建設費は3.5億円だそうである。

       ※この4.5億円の一部は2.75億円の合併特例債で賄われるので、
         その交付税措置70%分、つまり約2億円が国税負担となる。
         武雄市の負担金額は残りの2.5億円。
        武雄市の世帯数は約17500世帯なので、
        世帯あたりに換算すると、1世帯あたり約14300円の負担となる。

       ※CCC社もそれとは別に改装に3億円を投じたとされているので、
        税金とあわせると7.5億円が改装に費やされた。
        5年間の指定管理委託であるにも関わらず、民間企業がこれだけの金額を投資するのは異常。
        後述するが指定管理の委託費は大幅な赤字確定の金額であり、ツタヤなどの売上でカバーするしかない。
        CCC社はこの3億円を、どのように回収するつもりなのだろうか?
        武雄市図書館をロールモデルとして売り込もうという動きがあるが、
        3億円も注ぎ込むような投資が普通になされるはずもなく、
        武雄市図書館が「特殊なケース」であることを忘れるべきではない。

       ※7.5億円というと、年間運営費の6倍、つまり6年分に相当する。
        また、武雄市図書館の年間図書購入費は1300万円ほどなので、約58年分の図書購入費に相当する。

       ※まだ新しい武雄市図書館の改装に7.5億円をかけたということの異常性をわかっていただきたい。

 
    4.武雄市は「年間の運営費を1割削減」と発表しているが、実際には削減されていないこと。

       ※武雄市の図書館費は図書館と歴史資料館をあわせた金額となっている。
        なお歴史資料館部分はCCC社による指定管理ではなく武雄市の直営のままである。

       ※武雄市の図書館費は、H23年度までの数年間は実質約1.2億円前後だったのに対し、
         H25年度当初予算では1.5億円強となっている。
        CCC社への図書館の指定管理委託費1.1億円はその中に含まれている。

       ※H22年度とH23年度の決算では図書館費は1.4億円前後になっているが、
        MY図書館という電子図書館計画(失敗しているし成功の見込みもない)のために
        導入費用や翌年度繰越金が発生したためであり、
        それを除いて考えれば実質的な年間の図書館運営費は1.2億円前後となる。

       ※H24年度の図書館費は休館日を前年より減らしたことで1.45億円を予定していたそうだが、
        11月~3月の5ヶ月館もの間、改装工事で休館していたこともあり、参考にならない。

       ※開館時間数が増えたのだから、運営費が高くなるのは当然でもあるのだが、
        何故「削減」とデタラメな主張を続けるのか理解できない。
        後述するが、1.1億円という委託金額も、大幅に金額が不足した異常な内容である。

 
    5.「蘭学館」を市民に相談もなくツタヤのレンタルコーナーとして明け渡したこと。

      ○「武雄市図書館」は、正式には「武雄市図書館・歴史資料館」。
        武雄市の貴重な蘭学資料と、図書館の司書や郷土資料とを連動させる狙いのあった複合施設である。

      ○「蘭学館」とは、武雄市の貴重な蘭学資料を常設展示する施設として建設された建物。
        武雄市図書館の正面入り口から見て左にある、楕円形の部分がそれにあたる。
        外壁にはオランダから取り寄せたタイルが使われているとのこと。
        2013年4月の改装開館以降はツタヤのCD/DVD/BDレンタルコーナーにされてしまっている。

      ○樋渡市長は2012年5月の発表当初から蘭学館(貴重な武雄の蘭学資料の常設展示館)を
        明け渡すことをほのめかしていた。
        また、2012年7月に武雄市を訪れた那須町長に対し、「蘭学館は取り壊し、CDなどの視聴覚室にする」と説明していた。
        しかしその後、9月市議会や11/15の市民説明会では蘭学館は残すと説明していた。
        それが12月市議会で突然覆され、ツタヤのレンタルコーナーとして明け渡すことになった。
        議員や市民への事前説明などは一切なく、青天の霹靂だった。

         ※12/10市議会での谷口議員(反対派)の質問さえ「蘭学館については現時点でお答えできない」としておきながら、
          翌日の12/11の吉川里己議員(市長の友人)の一般質問で
          突然蘭学館の明け渡しを発表するという、徹底した隠蔽工作でした。

      ○蘭学館は、多くがレプリカなどの固定展示であり、市民にとってはあまり変わり映えがしないため、
        観光客などを除けば訪れる人が少ないという状況は確かにあったようである。
        しかしながら、その改善方法はいくらでも議論の余地があったはずであるし、
        また市民も交えて議論しなくてはならない部分であっただろう。
        また、改装に4.5億円をかけたことも考えると、蘭学館の改善費用など微々たるものだろう。
        複合施設のメリットを活かし、よりよい展示を検討していくべきだったと考える。
        樋渡市長はそういった議論を一切行わず、問答無用でツタヤに明け渡してしまった。

      ○樋渡市長は「建設予定の新市庁舎に新蘭学館を作る」としている。
       だが建設はまだ計画段階であり、完成は早くても数年後。
       他の様々な課題についても具体的な話は一切されておらず、
       「ツタヤに明け渡したいがための、ただの先延ばしの逃げ」であることは明らかである。

        ※歴史資料は武雄市図書館・歴史資料館にある収蔵庫に設置されているが、
         新市庁舎には収蔵庫も作ることになるのか。

        ※新市庁舎に新蘭学館を置く場合、休日の運営などはどうするのか。
         武雄市の貴重な蘭学資料は観光資産の1つでもあり、平日のみの公開にするのは惜しい。

        ※新市庁舎に新蘭学館を作る場合、図書館とは別に管理運営のための職員が必要になる。
         平日だけなら市職員が対応すればよいが、休日運営はどうするのか。

        ※図書館と歴史資料館(蘭学館)とが切り離されてしまった場合、
         図書館の司書や郷土資料との連携がしにくくなるというデメリットもあるが、
         それについてどう考えているのか。
         これは歴史研究家などにとっては、大きなデメリットである。

        ※明け渡しにおいて示された主な理由は「訪れる人が少ない」というものだが、
         新市庁舎に移しただけで、人が来るようになるとでも思っているのだろうか。
         率直に言って歴史資料というのは地味なものでもあり、
         容器を変えただけで人が集まってくるはずもない。
         活用を考えることも大事だが、地元文化継承の面などから、
         地道な収集・保存・研究を行っていくことも大事な役割である。

        ※これらの点は樋渡市長のブログでもコメントしたが、まともに取り合われることはなかった。

        ※蘭学館が明け渡されてしまったことで、蘭学資料は収蔵庫に押し込められてしまい、
         企画展が催されない限り市民や観光客の目に触れる機会は無くなってしまった。
         文化的に大きな後退であると考える。

 
    6.武雄市とCCC社の1.1億円の指定管理契約は、事業計画書を見る限り

         「従来は歴史資料館も含め年間1.2億円で運営していたが、
          図書館だけでいいので下記の条件で1.1億円でやれ。」

         「従来の図書館は1日8~9時間290~331日開館だったが、
          それを1日12時間365日開館にしろ。」

         「従来の図書館スタッフは19人だが、委託では人件費は11人分しか出さない。」

       という、無理のある歪んだ契約になっていること。

       ○開館時間が大幅に増えたのに、人件費が大幅に削られている。
         委託費で受け止められなかった司書らはCCC社が蔦屋書店の店員として雇い入れており、
         蔦屋書店やスターバックスで利益を上げないと採算がとれないとCCC社が明言している。。
         つまり蔦屋書店やスターバックスで利益が上がらなければ、図書館運営そのものが成り立たないということになる。

       ○このような歪んだ契約は長期的に見て、サービスの低下や人員削減など、
         何らかの問題を引き起こしやすいと考えられる。

 
    7.既存の建物の広さ(狭さ)や、吹き抜けのホール型という構造的な特徴を考えると、
       商業部分を入れるのは明らかに無理があり、実際に無理が生じていること。
       (内容は後述)

 
    8.今回の改装は、多くのものを犠牲にした上で無理やり蔦屋書店とスターバックスを入れただけであり、
       トータルで見て「図書館や公共施設の価値」を上げたとは到底思えないこと。

 
    9.商業部分を表に出しすぎているうえ、図書館部分と明確な区分がなされていないこと。

      ○スタッフも図書館と蔦屋書店の両方の仕事をしており、指定管理の委託費の面でも、
        商業部分とどうやって分離して処理するのか不明確。

 
   10.武雄市がCCC社の営業に異様に便宜を図っていること。

      ○蔦屋書店の店名として「武雄市図書館」(最後に「店」がつかない)を名乗らせていること。
        レンタル1本無料のクーポンを「武雄市図書館」の名前で発行したりもしている。

      ○図書館の閲覧席を明確に案内せず、スターバックスの席であるかのようにしていること。
       (スターバックス周辺の黒い席50席だけがスターバックスの席であり、
        白い席16席や屋外テラス36席は図書館の席なのだが、
        まるでスターバックスの席であるかのようになっている。
        図書館の席なのにスターバックスの商品を買わないと座れないかのような誤認を招く。)

      ○行政財産の目的外使用許可を出しているCCC社営業部分の賃料を2分の1に減免。

      ○樋渡市長がTカードを他の自治体業務にも広げていくと発言していること。
       (住民票の発行、マイナンバー、生活保護、医療情報など)

      ○武雄市図書館で行われる講演会などのイベントは図書館がその委託費で行っているわけではなく、
        蔦屋書店が行っている模様であり、書籍の販売キャンペーンなどとも連動されているが、
       講演で使用されるメディアホールの使用料がどうなっているかなどについて、
        武雄市役所は回答を避けている。

 
   11.従来の利用カードがそのまま使えるにも関わらず、批判を押し切ってTカードを導入していること。

      ○「図書館の自由に関する宣言」の理念に反し、図書館の利用情報を、よりにもよって
        個人情報を収集して利益を得ている企業であるCCC社に渡していること。

      ○あまり知られていないが、Tカードは加盟店などから顧客の購買情報や個人情報などを広く収集し
       それをマーケティングなどに利用して利益を得ている。
       利用者はポイントを得る代わりに、買った品物や年収、家族構成など様々な情報を収集されていることになる。
       (無論規約に同意した上での収集ではあるが、医薬品の購入情報など繊細な情報も収集されている。
        問い合わせなどを行っても扱いが不明確な点もあるため、影響が懸念されている。)

      ○武雄市図書館では「利用者がいつ図書館を利用したか」という利用日時の情報がCCC社に提供されている。
       些細なように感じる方も多いと思われるが、利用情報も立派な個人情報である。

      ○樋渡市長は「個人を特定しない形で提供している」と主張しているが、
       Tカード番号を渡す以上、個人を特定できるのは当たり前であり、論理が成立していない。
       個人情報提供ありきのゴリ押しであり、まともな議論になっていない。

      ○規約の変更によりCCC社に渡す情報が安易に拡大されるのではないかという危険性がある。
       (なぜか武雄市図書館のTカード規約には「条例に優先する」と書かれている。)

      ○樋渡市長が個人情報の取り扱いについて非常にルーズであり
       無思慮な利用を進めようとしているのは数々の事例から明らかである。

      ○樋渡市長がTカードを他の自治体業務にも広げたいと発言している。
       (住民票の発行、マイナンバー、生活保護、医療情報)

 
   12.異常な巨大書架による大事故への懸念

      ○導入されている書架は1階部で最大高さ4.6m、2階部で最大高さ4mもある異常なもの。

      ○高さ2.1m以上の部分には落下防止柵がつけられており、利用者は職員に頼んで
       本を取ってもらう必要がある。
       実質的な閉架であり、背表紙の文字すら視認できない高さである。

      ○清掃や本の出し入れといった日常作業においてすら大きな危険を伴い、
        当然ながら地震時の崩落被害なども心配されること。

      ○2.1m以上の部分には落下防止柵が導入されているとはいえ、本が倒れてしまえば
       その柵も役に立たないし、実際に高所で倒れてしまっている本も目撃されている。
       棚板を後ろに傾けているという工夫もされているというが、柵も含め地震時にどれだけ効果があるのか疑問である。

      ○特に2階の書架は前に幅1.5mほどの通路しかなく、最悪の場合、
       8m下の1階まで本などが落下する可能性がある。
       (取り出し作業などで手を滑らせただけで大事故につながりかねない。)

      ○このような巨大書架を導入せざるを得なかった原因は、
        広さの足りない図書館に無理にツタヤなどの商業部を入れ込んだことや、
        閉架書庫や事務室等を潰したことの代償としか思えない。

      ○開架に配置されている蔵書密度を考えてみるとよくわかる。

          改装前: 1140平米に9万冊 →1平米あたり79冊

          改装後: 1572平米に20万冊 →1平米あたり127冊

        単純計算ではあるが、開架部分の蔵書密度が、従来の1.6倍になっている。
        これだけの詰め込みをしなければならず、危険な巨大書架を導入する羽目になっている。

      ○一見すると膨大な本が並べられており、圧倒されるかもしれないが、
        その実態は上に述べたとおり、本を詰め込んだだけで実用性に乏しい危険なものである。

 
   13.事務室などのバックヤードを大幅に狭くしたことで作業に支障が出ている様子が見られること。

      ○レファレンスカウンターの散らかり具合

      ○書架の乱れ。
       (365日開館になったことでまとまった時間がとれず、書架整理が追いついていないという話も。)

 
   14.バリアフリーの面で、改装前よりも劣化していること。

      ○エレベーターホールに段差が出来た点。
       (床下配線のため、1階の床が10センチほど上がっている。
        エレベーターホールの片側がスロープになっているが利用しにくい。)

      ○元々1階だけに置かれていた本が2階部分にも置かれることになり、
       利用者が2階に上がる必要性が生じている点。
       (以前は2階は勉強用の席や会議室などがあった程度。
        やむをえないとはいえ、昇降が必要になったのは事実。)

      ○入り組んだ書架配置。

 
   15.子供コーナーの機能性が、改装前よりも劣化していること。

      ○改装前は現在スタバがあるあたりが子供コーナーになっていた。

      ○読み聞かせ部屋の廃止。
        改装前はスタバのあるあたりに、仕切られた読み聞かせ部屋があり、
        子供が読み聞かせに集中できるような環境になっていた。
        改装後の子供コーナーは1階スタバ奥の端の開けた場所のみとなり、
        読み聞かせもそこで行うようになっているため、
        子供が読み聞かせに集中しにくい上、読む側の演出なども難しくなった。

      ○子供用トイレの廃止。
        改装前はスタバのあるあたりに子供用トイレがあり、すぐに連れて行くことができた。
        改装後の子供コーナーは1階奥の端に追いやられてしまっており、
        1つしか無くなってしまったトイレから距離がかなり離れてしまったため、親子ともに大変。

      ○機能性とは別だが、ツタヤの子供向けの売り物が置かれている棚と、
        児童書の棚とが明確な区分もされず隣り合っている状況であり、
        子供にとっては売り物と図書館の本とが区別しづらくなってしまっている。
        こういった商業意識丸見えの配置は図書館として好ましくないのではないかと考える。

 
   16.蔦屋書店やスターバックスが入っただけの施設の長期的効果への疑問

      ○主にスターバックスの珍しさとオシャレなイメージや、
        巨大書架に本が詰め込まれた何となく圧倒される雰囲気(前述の通り冷静に見れば危険なだけ)が持て囃され
        観光がてらの来館者が増えているようだが、それが落ち着いてきて「そこにあって当たり前」となった場合、
        何らかの効果を上げることができるのか疑問であること。
        率直に言って、そこらにある商業施設とほとんど変わらないのではないか。

 
   17.市内の書店、カフェ、レンタル店の経営への影響が心配されること。

      ○武雄市には従来からそれなりに大きなツタヤ店舗がすぐ近所に存在している。

      ○武雄市図書館のすぐ隣にあるショッピングセンター「夢タウン」にも、
        書店やカフェが入っている。

      ○当然ながら、市内には他にもレンタル店、書店、カフェなどがある。

      ○限られた購買人口を奪い合っている状況。
        民間の競争原理ならともかく、行政が業者を引っ張ってきての民業圧迫。
        樋渡市長は、市議会で地元書店を「既得権益」呼ばわりしている。
        CCC社への委託の話が出るよりも前には、地元書店への配慮をアピールしていたのだが、
        CCC社への委託を推し進めることになった途端に手のひらを返し貶めた。

      ○既に地元の店舗からは売り上げが減ったという悲鳴も上がっている。

 
   18.武雄市や樋渡市長が、武雄市図書館を始めとする各種市政について、
       おかしな説明や数字を、自分達に都合のいいように多用していること。

      ○代表的なものが上で述べた「運営費1割削減」。実際には図書館費は削減などされていない。

      ○市議会や、視察に行った議員らに対しても、おかしな数字や説明を出していることがわかっている。
       そのデタラメな説明を鵜呑みにして、自分達の地元に流布しているマスコミや議員が多すぎる。

 
   19.開示請求をしてさえ、まともな資料が出てこないことへの不審

      ○説明が無い、あるいはおかしすぎるため、有志の数名が開示請求を行っているが、
       武雄市図書館に関する開示請求は、そのほぼ全てが条例違反となる処理遅延となっており、
       いざ開示されても、意図を曲解した資料やごく一部の資料だけということが多いこと。
       意図的に処理を遅延させているとしか思えない状況。
       武雄市役所は、きちんとした手続きを行った上で図書館の改装を進めたのだろうか。
       とてもそうは思えない。計画が拙速すぎてまともな処理がなされていないのではないだろうか。

 
   20.反対者を理不尽に貶めてばかりという、樋渡市長の最悪の本質への懸念

      ○樋渡市長は、2013/1/21の徳島ICT講演会において

           「なんで市民の声を聞かなきゃいけないんだ」

        と言い放っている。「嫌なら選挙で落とせ」を免罪符に使い、
        まともな説明責任すら果たさずに施策を進めている。

      ○今回の図書館問題でもそうだが、市民や現場との合意形成を進めていくのではなく、
        一方的な説明ばかりを押し通し、批判や意見をする者に対して暴言などの過剰な攻撃性を示し、
        市議会等でも議員や市民、あるいは邪魔になるものを理不尽に侮辱し貶めてばかりである。
        とても民主主義政治家の資格があるとは思えない。

      ○2012年9月市議会では、図書館計画について提案を含めた請願を出した、
        「武雄市図書館・歴史資料館を学習する市民の会」と、その代表世話人の1人である
        井上一夫氏に対し、樋渡市長と山口昌宏議員が理不尽な罵倒を行っている。

      ○また、樋渡市長は2012年12月末に井上一夫氏が佐賀新聞のサイトに寄稿した
        ブログ記事について、佐賀新聞社に理不尽な抗議を行っている。
        井上一夫氏が示した懸念は妥当なものであり、樋渡市長の主張には具体性も正当性もなかった。

      ○武雄市の諸問題の元凶は、ほとんどがこの樋渡市長の最悪の本質に起因すると考えている。

 
   21.安易な施策の広がりへの懸念

      ○デタラメな説明を鵜呑みにして諸問題を検証しないまま武雄市図書館および樋渡市長の市政を
        「成功例」だとして持ち上げる動きが多く、そのような安易な姿勢は公共施設である図書館や
       民主主義を破壊する暴挙につながりやすく、腐敗が全国に広がる契機となってしまうことを強く懸念していること。

 
   ●補足情報1
      武雄市図書館の蔵書20万冊という数字は、以前から特に増えていません。
      改装前は19万冊ほど(うち開架9万冊)だったのを、
      改装後は閉架書庫を潰したため、その全てを開架に置いただけです。
      (前述したように書架上部などが実質的な閉架となっていますが。)

   ●補足情報2
      改装前の武雄市図書館では、現在のゆめタウン側入り口周辺が
      飲食コーナーになっており、水飲み場(ウォータークーラー)もありました。
      改装後はこの飲食コーナーが潰され、水のみ場も撤去されましたが、
      6月市議会で谷口議員らが追及したことで、今後水飲み場の設置が進められる予定です。
      しかしこのやりとりでも、樋渡市長は谷口議員に理不尽な侮辱をしていました。

 
 
  武雄市図書館を目当てに、多くの地方議員らが視察に訪れているようですが、
  それらの報告を見ると「来館者数の増加」「運営費削減」「指定管理による民間活用」という
  武雄市側の説明を鵜呑みにしてしまった、目先だけの短絡的な評価しか見られないものがほとんどです。
  地元議会で「武雄市図書館のように指定管理で~」と主張する姿も見られます。
  衰退しつつある地方自治について考えた時、何かをせねばならないと危機感を感じるのはわかるのですが、
  行政が果たす長期的な役割などを深く考えずに、短期的な成果ばかりを求めるといった
  安易な政治が広がっていってしまいそうで懸念しています。

     ※視察での説明内容がおかしいことについての実例を示している記事
         CCC社の視察説明スライドの数値等がおかしいのでコメントし、武雄市問題に関する思いも書いてみた

 
  大きな話の1つとして、多賀城市の例があります。
  移転する市立図書館について、一度はCCC社への指定管理委託を検討していると
  報道されましたが、その後公式見解としては具体的な話ではないと否定している模様です。
  武雄市のような「最初から委託ありきでの押し付け」がなされないよう注視していきたいと考えています。
  先日、多賀城市の市議にも意見を送ってみました。
  このテキストとは違った形で問題について述べています。
  もしよければご覧下さい。

      多賀城市議に送った意見

 
  武雄市の樋渡市長に関する様々な問題については、有志の手でまとめが作られています。
  問題が多すぎて、些細な点で騒ぎすぎていると感じられることもあるかもしれません。
  しかし、よく見てみればどこかで「おかしさ」を感じてもらえるはずです。
  自治体やその首長がここまでおかしな言動をとることは信じがたいとは思いますが、
  しっかりと事実を見据えて、ご自分の考えで検証してみてください。

      佐賀県武雄市の問題について:takeoproblem

 
  なお、当ブログ左上から、武雄市問題に関する記事一覧にアクセスすることができます。

      3.武雄市関連記事: さまよう金の髭

 

 

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