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2013年8月22日 (木)

武雄市図書館の設計不備を建築基準法のせいにする樋渡市長(新報道2001)

 
■この記事は、以下のTogetterまとめを、新報道2001での樋渡市長の
  デタラメ発言という切り口から書いてみたものです。
  情報としてはTogetterのほうが充実しており、この記事に書いていないことも
  多く含まれておりますので、Togetterのほうもあわせてご覧下さい。

   武雄市図書館2階のポールパーティションと巨大書架のリスク - Togetter
 


 
2013/8/18(日)のフジテレビ「新報道2001」に樋渡市長がゲストとして出演。
番組の公式動画がYoutubeに5本に分けてアップされています。

  新報道2001 WEB版 - YouTube (動画一覧)

     閣僚が靖国参拝...中韓は批判 新報道2001 2013年8月18日(1/5) - YouTube

     目指せ年間1,000万人"観光立国"への挑戦と課題 新報道2001 2013年8月18日(2/5) - YouTube

     観光立国・日本の"課題""不便な旅"どう変える? 新報道2001 2013年8月18日(3/5) - YouTube

     日常風景にある"日本の魅力" 新報道2001 2013年8月18日(4/5) - YouTube

     観光立国と官民連携 政治の役割どうあるべき? 新報道2001 2013年8月18日(5/5) - YouTube

 
この番組の中で、樋渡市長が、

    「武雄市図書館に関する
     自分達の愚か極まりない設計不備

     建築基準法のせいにしていた」

ので、記録としてご紹介。
詳細については以下のTogetterまとめでまとめておりますので、そちらをご参照下さい。
この記事では概要のみを示します。

   武雄市図書館2階のポールパーティションと巨大書架のリスク - Togetter

 
問題の発言があったのは、こちらの動画です。
流れ的には、(2:24~)を見ていただくと良いでしょう。
樋渡市長の発言は、(4:52~)となります。

     日常風景にある"日本の魅力" 新報道2001 2013年8月18日(4/5) - YouTube
     

 
大雑把に流れを示すと、古い建物の再生事業などに取り組まれている、
Open A代表の建築家、馬場正尊氏から、国交省の鶴保副大臣に、
以下のような直訴がありました。(他のゲストの話も含めた要約)

(2:24~)
建物の再生の障害になってる大きい理由の1つが建築基準法の確認申請。
その手続きが古い建物の再生になかなかあっていない。
新築向けに法律が作られているので煩雑になっている。
それにより、本当は起こるはずの投資や古い建物の再生が妨げられてしまっている。
それがクリアできると、放置されていた古い建物が新しく再生される機会が一気に増える。

例えば京都の古民家も旅館として再生するのがなかなか難しい。
宿帳が賃貸契約書になっていたりする。1日だけ住むと。ちょっと強引ですよね。
宿泊施設としては提供できない。

函館でも倉庫を利用して観光客に物凄く良い雰囲気を提供しているが
改築するときに耐震の話とか出てきてなかなか先に進まない。

規制緩和しないと日本の良いところが提供できなくなる。
日本の独特の文化を残していけるようにしてほしい。

 
馬場氏らのこの主張については、大変もっともであると思います。
そして、この流れの後に、樋渡市長が発言した内容が以下になります。

(4:52~)
いや~僕ね~、総務省にいたからわかるんですけど、
なかなかやっぱ動かないんですよ、役所って。
企業環境動かないんで、だからこうやって
さっき馬場さんが仰ったように、ここが問題だよっていうのを
具体的に提示してあげると、霞ヶ関もやっぱ動きやすくなるんで
それを提示するのは馬場さんだったり僕らの役割だと。

あの図書館もそうなんですよ
キャットウォーク作って、実は制限をかけてるんですよね。
あと3メートル足りないって。
3メートル足りなくて、全部右から左に行けなくなってるんですよ。
あ、このキャットウォークですよね。
あの手前のところというのは立ち入り禁止なんですよ。
だからそこの本の1000冊くらいがアクセスできないっていうふうになっていて
それも事細かに決まってるんで、それこそもう、任せてほしいって。我々に。
責任は全部自治体が取りますから。

 
さて、樋渡市長の言う

  「武雄市図書館2階キャットウォークの3m制限(立ち入り禁止)」

について、実状を示しておきましょう。
まず、問題の現場をGoogleストリートビューで見ると、こうなっています。


大きな地図で見る

見てのとおり、書架は連続しているのに、通路には「STAFF ONLY」と書かれた
ポールパーティションが置かれ、その奥は立ち入り禁止になっています。
立ち入り禁止部分の長さは3mでは済まない気もしますが、まあそこは置いておきましょう。

このように立ち入り禁止措置がされている理由については、
建築基準法施行令の「第二節 廊下、避難階段及び出入口」「直通階段の設置」を示す、
第百二十条
に、「階段まで30メートル」という規定があるためではないかと言われています。

 
ここで重要になってくるのが、

   「武雄市図書館2階のキャットウォーク(通路)は、
    改装前の武雄市図書館には存在しておらず、
    改装により増築されたもの」

ということです。

改装前から現在までの写真を並べてみますね。

武雄市図書館・歴史資料館の設計を担当した
佐藤総合計画のHPより引用。

2000年10月の開館直後。

 

樋渡市長の2012/11/23のブログ記事より引用。
改装工事のため、書架などを全て撤去したところ。
わずか築12年のこの建物のどこに改装の必要性があったのでしょうね。
ものすごくピカピカで綺麗に見えるのですが。

 

Googleストリートビューより。改装後の武雄市図書館。

大きな地図で見る

 
まあこんな感じで、2階にキャットウォークを増築して、4mもある巨大書架をずらっと並べたわけです。
(改装では事務スペースや閉架書庫を潰したり蘭学館を明け渡したりもしていますが省略。)

更に言うと、問題の2階キャットウォークは、当初は「閉架書庫バルコニー」として設計されていました。
階段を上がってすぐのところに「開架・閉架区分バリカー」を置き、
利用者が立ち入らないという前提で設計されていたわけです。

武市教文生第114号開示「全設計図面」より。

 
それが、開館直前の3月上旬になって「軽微変更届」が承認され
キャットウォークの大部分が開架にされ、おそらくは階段からの距離の制限により、
奥の3m(もっと?)だけは、ポールパーティションで区切って立ち入り禁止となったのです。
これについての詳細な経緯は、上にも示したこちらのまとめに記載しています。

    武雄市図書館2階のポールパーティションと巨大書架のリスク - Togetter

 
要するに、

   「改装計画において、キャットウォークと書架の増築設計時に、
    しっかりと建築基準法に従って検討を行い、
    適切な設計を行っていれば、
    奥の一部分だけ立ち入り禁止にするという間抜けな事態は防げた」

ということです。

上で書いたように、樋渡市長は番組の中で、キャットウォークの奥が
通行止めになっているのを建築基準法のせいにしています
が、

   「自分達がまともに設計しなかっただけ」

です。
樋渡市長の口からデマカセの妄言に騙されないようにしましょう。

樋渡市長は「スピードが最大の付加価値」などと言って、
武雄市図書館の改装計画を拙速に進めました
その結果、本来は行われるべきだった検討がまともに行われず、
行き当たりばったりで進められた結果、このような通行止めが生じたわけです。
「とりあえずやってから修正していけばいい」などと言っていますが、
一度作ってしまったキャットウォークや巨大書架をどうにかできるはずもなく、
ポールパーティションで区切ってお茶を濁すという状況は現在でも続いています。
樋渡市長の「スピード」とは、検討不足のまま暴走することなのでしょう。
それによって生じた「問題の修正コスト」も無視しており愚か極まりないと判断しています。

また、樋渡市長は番組の中で

  「それこそもう、任せてほしいって。我々に。
   責任は全部自治体が取りますから。」

などと発言していますが、これも要するに、

  「建築基準法の規制に引っかかる形で改装してしまったので、
   建築基準法を無視して運用させてほしい」

戯言をほざいてるだけですね。ツイッターでもこのような指摘が出ていました。

 
まったくもって、その通りだと思います。

 
なお、武雄市図書館では、異常で危険な巨大書架の導入により、
職員や来館者の命が危険に晒されている状況が続いていると考えています。

これも、無理な条件による改装計画欠陥設計
検討不足のまま拙速に進められた改装によるものであり、
万一事故が発生してしまった場合は、

  樋渡市長と武雄市役所、
   CCC社などによって引き起こされた人災

であると判断しています。
樋渡市長は「責任は全部自治体が取るから任せてほしい」などと言っていますが、
職員や来館者に危険を押し付けている人物や自治体に任せられるはずがありません。
一刻も早く、危険な状況が解消されることを願います。

Togetterのほうでは、それらの点も含めてまとめておりますので、是非ご覧下さい。

   武雄市図書館2階のポールパーティションと巨大書架のリスク - Togetter

 
最後に、上記まとめにも載せている、

   「武雄市図書館の巨大書架の危険性がわかる
    Googleストリートビューや写真」

をいくつか載せておきます。事故が起きないうちに改善されればよいのですが・・・。

Googleストリートビュー 2階北側から

 

Googleストリートビュー 2階南側から

 

Googleストリートビュー 1階4.6m書架の部屋

 

静岡県掛川市 第437回 いろんなところ いいところより引用

 

武雄市図書館の見学 | 蕨市議 ほやたけし(保谷武)です。より引用
DSCN6308

 

G1東松龍盛塾 募集開始より引用

 

Googleストリートビューより
2階キャットウォークの高所作業で使われる作業台。
おそらく長谷川工業(株)のDAD-210
天板高さ2.1m、最高高さ3.01m、重さ28kg。
巨大書架の上部にある本を取る場合は、この作業台を
幅1.5m、手すり高さ1.1m、長さ50mのキャットウォークを移動させて使う。
重労働であり、大きな危険も伴う。
閉架書庫を潰し、開架への蔵書収容密度を1.6倍に上げた弊害。

 
視察に行った方々は、巨大書架の危険性に気づかなかったのでしょうか?

 
■樋渡市長の迷言

 ●2013/1/21 徳島ICT講演会

   樋渡市長
   『なんで市民の声を聞かなきゃいけないんだ

 
 ●2013/5/4 テレビ西日本「土曜NEWSファイルCUBE」

  樋渡市長
   『この図書館が嫌だったら、
    もう、他所の図書館行きゃあいいんですよ。
    いやほんとに。

 まともな政治家ではないということに気づいてほしい。

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