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2013年9月21日 (土)

嘘までついて皇室を政治利用する樋渡市長

今回は他の方が書いた記事の紹介と、それについての感想・意見を書いた記事となります。

まずは、keikumaさんによるこちらの記事をご覧下さい。

  武雄市長・樋渡啓祐氏による皇室の政治利用とウソ - サーバ管理者日誌(2013/9/19)

 
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■「宮内庁からオファーがあり武雄市図書館のご視察が決定した」という嘘
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keikumaさんの記事を読んで頂ければわかりますが、概要は以下の通りです。

  1.2013/8/5に高円宮妃殿下が武雄市図書館をご視察なさった。

  2.樋渡市長は、妃殿下の武雄市図書館のご視察について、当日(8/5)に

      2か月前、宮内庁からオファーがあり腰抜かしました。魚拓

    とツイッターで発言していた。

  3.佐賀新聞も、

      話題の図書館とあって宮内庁側から視察を要望。魚拓

    と報道していた。

  4.しかし、keikuma氏が宮内庁や佐賀県に開示請求をかけて調べたところ、
    武雄市図書館のご視察は、武雄市教育委員会の文化・学習課が、
    3/22に視察候補地として強く推薦していたためであることが判明した。
    「宮内庁からオファー(要望)した」という事実は無い。

  5.妃殿下のお成りの目的は、武雄市で行われる
      「高円宮賜杯 第46回全国高等学校アーチェリー選手権」(高校総体)
    への御臨席であり、武雄市図書館のご視察はそれに伴うものであった。

  6.これらを踏まえると、樋渡市長の言動は、
    「虚偽発言による皇室の政治利用」と言わざるをえない。

 
アーチェリー選手権への御臨席については当初から報道されていましたが、
武雄市図書館のご視察は、武雄市からの強い推薦を受けて視察地を決定したものであり、
「高円宮妃殿下や宮内庁がオファー(要望)したものではない」ということが明らかになったということです。
皇室の政治利用は厳に慎むべきものであり、嘘までついた樋渡市長の言動は余りにも異常です。

 
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■武雄市図書館改装という施策のアピールのための皇室の政治利用
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上にも示しましたが、「宮内庁からオファーがあった」とする樋渡市長のツイートはこちら。 

 
keikuma氏の記事にある通り、2ヶ月前という時期についてもそうですが、
「宮内庁からオファーがあり」という樋渡市長の発言についての根拠は見当たりません。

また、樋渡市長は妃殿下のご視察を受けて、ブログとFacebookに以下の記事を投稿しています。

    高円宮妃殿下が武雄市図書館にお成り : 武雄市長物語(2013/8/5) (魚拓

    樋渡市長Facebook記事(2013/8/5) (魚拓

 
見てわかる通り、これらの記事では、

    「妃殿下の主目的がアーチェリー大会への御臨席だったこと」

    「妃殿下が武雄市内の特別擁護老人ホーム御船荘もご視察なさったこと」

という点には一切触れていません。
武雄市図書館のご視察にしか触れていないのです。

その上で、ブログ記事の中で、

    『妃殿下におかれては、武雄市図書館を極めて高く評価頂き、心から光栄に思えました。
     今まで、CCCと連携して行ってきたことが、先の市民アンケートでの83%の満足、
     そして、今回の妃殿下のご評価で、間違っていなかったとを確信。』

と述べています。ツイッターでの「宮内庁からオファーがあり」という発言もあわせ、
この内容では、事情をよく知らない人は、

    「高円宮妃殿下が宮内庁を通じて武雄市図書館を視察なさりたいという要望をお出しになり、
     そのためだけに武雄市にお成りになり、武雄市図書館を高く評価なさった。」

と勘違いしてしまうでしょう。明らかに、

    「武雄市図書館という自分の施策をアピールし、
     正当化するために、皇室を利用する。」

という意図が透けて見えます。

樋渡市長の「嘘・大袈裟・紛らわしい」を多用した情報発信はいつものことですが、
今回の件は「皇室の政治利用」という極めて繊細かつ重要な問題を含んでおり、
いつも以上に看過できぬものであると考えています。

 
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■報道関係者に嘘をついての風説の流布の可能性
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また、佐賀新聞の報道にある、

    「話題の図書館とあって宮内庁側から視察を要望。」

という記述の根拠も非常に気になります。
普通に考えて、宮内庁関係者がこのような発言をするはずがありませんので、
樋渡市長のデタラメな発言を根拠として、裏も取らずにそのまま報道したとしか思えません。
「首長によるデタラメな風説の流布」の可能性が高く、
これについても厳しく調査し、明確にしていくべきだと考えます。

なお、ツイッターで気づいた方がおられましたが、「宮内庁側から視察を要望」と報じたのは、
知りうる限り佐賀新聞だけであり、毎日新聞朝日新聞西日本新聞では、
「宮内庁側から視察を要望」という報道はされていません。

※2013/9/22 7:30追記
  これを踏まえ、佐賀新聞社の問い合わせ窓口に質問と要望のメールを送りました。
  内容は記事末尾に示します。
  抜けている部分や甘い部分があるかもしれませんし、
  色々な方が問い合わせれば、それだけ対応も真剣になると思いますので、
  問い合わせてみると良いかと思います。

 
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■「蘭学館」の名前を出して推薦を行う教育委員会
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もう1つ釈然としないのは、武雄市教育委員会(文化・学習課)が、
以下のように、御視察先候補地の推薦の中で「蘭学館」の名前を出していることです。

keikumaさんのブログより開示資料の画像を引用

 
このブログでも色々と書いてきましたが、「蘭学館」とは、武雄市図書館・歴史資料館のうち、
外から見るとレンガ造りのように見える部分の建物のことであり、
武雄市に伝わる貴重な蘭学資料を常設展示していた建物でした。
しかし、武雄市図書館の強引な改装にあたり、樋渡市長と教育委員会は、市民を欺いて
この「蘭学館」をツタヤに明け渡し、CD/DVDの有料レンタルコーナーにしてしまいました。

その強引で異常な経緯の詳細は、こちらの記事やまとめに書いています。

   武雄市の新図書館の安全性は未だ疑わしく、商業主義の文化破壊でもあると考えます

   市民を欺き貶める樋渡市長を「改革派市長」などと呼ぶな - Togetter

 
ご視察先の推薦書が出された2013/3/22と言えば、
4/1の改装開館目前であり、翌週には内覧会を控えていた頃です。
当然ですが、既に蘭学館は明け渡されてツタヤの有料レンタルコーナーにされてしまっています。
8月頃に妃殿下が「蘭学館」を視察なさることは不可能です。

確かに、2012年12月市議会で決まった
  武雄市図書館・歴史資料館設置条例
  武雄市図書館・歴史資料館設置条例施行規則
の条例改正が施行されたのは2013/4/1付ですから、
推薦書作成の3/22時点では条例上は蘭学館も存在します。

確かに、3/22時点で、お成りの時期に該当する2013/7/13~8/15には、
現在の蘭学・企画展示室で「鍋島家・温泉・やきもの」の企画展
開催される予定になっていましたので、蘭学館が無くても、
蘭学資料の一部が見れたことは事実です。

それでもやはり、市民を欺いた強引な改装により、

  「常設展示館の蘭学館を明け渡してツタヤのレンタルコーナーにしたため、
   企画展をやらない限り蘭学資料を見ることができなくなった。
   つまり武雄市図書館の文化的な価値は改装前よりも下がったと言っても過言ではない。」

という現在の状況を作り出した樋渡市長や教育委員会が、蘭学館の名を出して
「歴史的価値」を皇室にアピールする姿には、違和感を感じるのです。
ぶっちゃけて言うと、

  「市民を欺いて蘭学館をツタヤに明け渡すのに一役買った教育委員会が、
   どのツラ下げて蘭学館の名前を出して歴史アピールしてるんですか?」

ということです。

武雄市に伝わる蘭学資料が非常に貴重なのは間違いありません。
教育委員会には、樋渡市長の愚策に流されることなく、
しっかりした歴史文化遺産の継承と、その活用を考えていってもらいたいものですが、
現在の武雄市教育委員会は流されてばかりであり、確固たる姿勢が全く見えません。
基本的には愚策を連発し圧力をかける樋渡市長に原因があると考えていますが、
このままでは武雄市の教育行政は崩壊するのではないかと懸念しています。
武雄市民がもっと危機感を持って見ていかないと、教育は悪い方向に進んでしまうでしょう。

 
 
なんだか、最後の蘭学館の話が長くなってしまいましたが、以上です。
皇室の政治利用まで平気で行う、詭弁だらけの樋渡市政は、一日でも早く終了してもらいたいものです。
なんとしても来年4月の武雄市長選挙で落選してほしいものですが、
対抗候補が出てくるかどうかなどを考えると、頭が痛いですね。

どなたか、武雄市のために立ち上がって下さる方はおられないでしょうか。
他力本願で申し訳ないのですが、もうあまり時間がありません・・・。

 
 
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■付記: 9/22の朝に佐賀新聞社に送った質問・要望メールの内容

タイトル:
  宮内庁が武雄市図書館の視察を要望したという記事に関する質問と要望

内容:

8/5付の以下の記事に関する質問と要望を送ります。

  該当記事:
    高円宮妃が武雄市図書館へ 「居心地いい」
    http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.2525843.article.html

「皇室の政治利用」という重大な問題に関わる内容ですので、
迅速かつ具体的で明確な回答と対処を要望いたします。

  質問1.この記事の中に、
         「話題の図書館とあって宮内庁側から視察を要望。」
       という記述がありますが、これはどのような根拠に基づいた記述でしょうか?
       情報源を具体的かつ明確にお示し下さい。
       「関係者の発言」などといった表現で誰の発言なのか曖昧にするような回答はおやめ下さい。

  質問2.宮内庁や佐賀県への開示請求により、
         「宮内庁側から武雄市図書館の視察を要望した事実は存在しない」
       ということが明らかになりました。詳しくは以下の2つの記事をご覧下さい。
       これらの情報を踏まえると、佐賀新聞の
         「話題の図書館とあって宮内庁側から視察を要望。」
       という記述は「誤報」ということになると思いますが、
       これについて具体的かつ明確な見解をお示し下さい。

         サーバ管理者日誌 武雄市長・樋渡啓祐氏による皇室の政治利用とウソ
         http://www.nantoka.com/~kei/diary/?20130919S1

         嘘までついて皇室を政治利用する樋渡市長
         http://goldenhige.cocolog-nifty.com/blog/2013/09/post-7543.html

  要望1.質問1と質問2に対し、具体的かつ明確な回答をお願いいたします。

  要望2.「宮内庁側から視察を要望」という件が誤報、あるいは要訂正であった場合、
       該当記事を訂正するとともに、何故このような間違いが発生したのかという
       具体的な経緯説明もあわせて追記して下さい。

  要望3.仮に本件が「誰かの発言をそのまま報じただけ」ということでしたら、
       「誰かの発言を報じただけなので問題ない」「以後注意する」として終わらせるのではなく、
       「何故事実と異なる発言がなされたのか」など、根本的な問題追及を行って下さい。

  要望4.できることなら本件についての追及・検証記事を書いて公表して下さることを望みます。
       要望3にもうっすら書いたとおり、本件はおそらく、
          「樋渡市長あるいは武雄市関係者が取材の場で"宮内庁側から視察要望があった"と発言していた」
       というのが原因なのではないかと推測しているのですが、樋渡市長や武雄市関係者は普段から
       デタラメな発言を数多く繰り返しております。にも関わらず、説明や数字の根拠について全く確認せず、
       樋渡市長らの発言を鵜呑みにして報道する佐賀新聞の姿勢に強い疑問と不信感を持っています。
       これを機会に、
          「樋渡市長ら武雄市関係者の発言の扱いの見直し(客観的な情報源からの事実確認が必須)」
       という点についても、周知徹底を図っていっていただきたく思います。


なお、質問・要望内容と回答は、私のブログ等で公表させていただく予定です。
最初に述べた通り、「皇室の政治利用」に関する大きな問題だと考えておりますので、
迅速かつ具体的で明確な回答と対処を望みます。


参考:
  「宮内庁側から視察を要望」と報道したのは、私が知りうる限り佐賀新聞だけです。
  他紙ではそのような報道はなされておりません。

    皇室:久子さまが武雄市図書館を視察 /佐賀- 毎日jp(毎日新聞)
    http://mainichi.jp/feature/koushitsu/news/20130806ddlk41040489000c.html

    ようこそTSUTAYA図書館 4カ月で入館者34万人 [佐賀県] - 西日本新聞
    http://www.nishinippon.co.jp/nnp/saga/article/31249

    朝日新聞デジタル:高円宮妃久子さま、佐賀・武雄市図書館見学 - 佐賀 - 地域
    http://www.asahi.com/area/saga/articles/SEB201308050041.html

 

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