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2013年10月 4日 (金)

武雄市の固定資産税率・介護保険料・水道料金・国民健康保険税について

樋渡市長は各地での講演会や応援演説、視察者への説明やインタビューなどで、

  「固定資産税・介護保険料・水道料金を下げた」

と言って回っているようです。引き下げがあったのは事実なのですが、酷いときには、

  「全部2割~3割下げた。」

と、引き下げ率を膨らませた大嘘をついています。

特に、2013/9/21に堺市長選に出馬していた維新候補の西林克敏氏の応援にかけつけた
樋渡市長の演説での嘘が酷かったのですが、これについては別記事で書こうと思います。

とりあえず、嘘の一例。(2011年6月のツイートです)

 
また、2013年4月には国民健康保険税が平均12.9%引き上げられているのですが、
それには全く言及していないようです。

呆れ果てたので、それぞれについて具体的な数字を調べてまとめてみました。

最初に概要だけまとめると、以下のようになります。

  ●武雄市の合併について 

    ◎現在の武雄市は2006年に武雄市・山内町・北方町が合併して出来たもの。
      合併後もしばらくは旧3地区で公共料金や税率等に差があった。

  ●固定資産税率について

    ◎2006(H18)年の合併前は、武雄市地区は1.55%、
      山内町・北方町は1.40%という差があった。

    ◎2006(H18)年の合併により、武雄市地区は1.55%のまま、
      山内町・北方町は1.48%への引き上げが行われた。

    ◎2009(H21)年度に、市内全域で固定資産税が1.55%に統一された。
      (武雄市地区は1.55%でそのままだが、
       山内町・北方町では1.48%→1.55%の引き上げとなった。)

    ◎2010(H22)年4月1日に、1.55%から1.48%に引き下げられた。

    ★つまり、合併前からトータルで見ると、
      武雄市地区にとっては1.55%→1.48%の引き下げだが、
      山内町・北方町にとっては、1.40%→1.48%の引き上げとなる。

    ◎なお、固定資産税の標準税率は1.40%なので、
      元々武雄市の固定資産税率が高かっただけで、現在の1.48%は高止まりの状態。

    ◎佐賀県内では鹿島市(1.50%)に次いで2番目に固定資産税率が高い
      それ以外の自治体は標準税率(1.40%)となっている。

  ●介護保険料について

    ◎武雄市の介護保険事業を行っているのは、
        武雄市・鹿島市・嬉野市・大町町・江北町・白石町・太良町
      の4市3町で構成される、杵藤地区広域市町村圏組合となる。

    ◎第4期(2009(H21)年度~)に、第3期(2006(H18)年度~)との基準額比で
      15.8%の引き下げが行われた。

    ◎しかし、その後、第5期(2012(H24)年度~)に、第4期との基準額比で
      13.6%の引き上げが行われた。

    ◎つまり、第3期から第5期を基準額比で見ると、
      トータルで4.3%の引き下げとなる。

    ◎第5期の介護保険料基準額で見ると、佐賀県内の7つの介護保険事業者の中では、
      3番目に安い金額となっている。

  ●水道料金について

    ◎2008(H20)年4月1日に改定され、月20立方メートル利用の
      標準家庭で見た場合に、5.1%~18.9%の引き下げが行われた。
      減収率で見ると、13.11%の引き下げとなる。

      ※引き下げ率に幅があるのは、合併前の武雄市・山内町・北方町で水道料金に差があったため。
        なお、2006年4月時点の武雄市地区の水道料金は全国4位の高さだった。

    ◎2008(H20)年4月の引き下げ後の武雄市の水道料金は、平成23年度末時点で、
      佐賀県内の17の水道事業者の中では上から5番目の高さとなっている。

  ●国民健康保険税について

    ◎2013(H25)年4月1日に、モデルケースでの計算で12.9%の引き上げが行われた。
      (モデルケースになったのは40歳の夫婦と子供2人で給与収入約358万円という家庭)

    ◎佐賀県内の各自治体の平成25年度の国民健康保険税を同様のモデルケースで見ると、
      武雄市は佐賀県内の20の自治体の中では上から6番目の高さとなっている。

 

かろうじて「2割」に近いのが、武雄市地区だけで見た水道料金引き下げ率18.9%でしょうか。
引き下げが行われたのは事実ですが、「2割~3割下げた」は基本的にデタラメですね。
国保の引き上げには一切言及せず、引き下げ率を大幅に偽って吹聴。呆れたものです。

以下、詳細なデータを示していきます。長いので直接飛べるリンクつけておきますね。

  合併と樋渡市長就任について

  固定資産税率について

  介護保険料について

  水道料金について

  国民健康保険税について

  武雄市図書館の改装などやっている場合だったのだろうか?

 
 
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■武雄市の合併と樋渡市長就任について
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  ●武雄市は2006(H18)年3月1日に、隣接する北方町・山内町と合併している。

     参考:
       武雄市 - Wikipedia

 
  ●樋渡市長の就任は合併直後の2006年4月16日
    リコールの動きに対抗して2008年11月21日に辞職。
    2008年12月28日の出直し選で再選
    2010年4月11日の市長選で当選
    そして現在に至る。
    要するに、2006年4月の就任以降の実績を見ていけば良いということ。

  ●樋渡市長は第1期のマニフェスト「みんなの具約42」の中で、
    水道料金、固定資産税の税率、介護保険料等の引き下げを挙げていた。

     参考: 武雄市:市長の部屋

 
  ※重要
    2014年4月には市長選挙が行われる予定です。
    そこでもし樋渡市長が再選されてしまうと、
    武雄市も日本も酷い状況になっていくと思います。

  
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■武雄市の固定資産税率について
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  ●合併前の固定資産税率は、
      武雄市 1.55%
      北方町・山内町 1.40%
    となっており、差があった。

  ●合併にあたり、合併協議会で策定された新市建設計画では、

      「固定資産税は武雄市区域については現行のとおり。
       山内町区域、北方町区域は2006(H18)年度に1.40%から1.48%に、
       2009(H21)年に1.55%と段階的に調整。」

    とされ、実際にそうなった。

  ●その後、2009(H21)年9月市議会で、
      「第70号議案 武雄市税条例の一部を改正する条例」
    が審議・可決され、2010(H22)年4月1日に、
    固定資産税率が1.55%から1.48%に引き下げられた。

  ●つまり、合併前からの固定資産税率の変化を表にすると以下のようになる。

  武雄市地区 山内町地区 北方町地区
2006年合併直前 1.55% 1.40% 1.40%
2006(H18)年度 1.55% 1.48% 1.48%
2009(H21)年度 1.55%
2010(H22)年度 1.48%

 
  ●なお、固定資産税の標準税率は1.4%であり、武雄市の1.48%は高止まりの状態

  ●2013年10月現在の佐賀県内の各自治体の固定資産税率は以下の通り。
    ほとんどの自治体は標準税率となっており、武雄市は鹿島市に次いで高いということになる。

    ◎1.40%(標準税率)の自治体
      伊万里市、嬉野市、唐津市、神埼市、小城市、佐賀市、多久市、鳥栖市、
      吉野ヶ里町、基山町、上峰町、みやき町、玄海町、有田町、大町町、江北町、白石町、太良町

    ◎1.48%の自治体
      武雄市

    ◎1.5%の自治体
      鹿島市

  ●年度毎の固定資産税の決算金額は以下の通り。

     参考: 予算・財政状況 | 市政情報 | 佐賀県武雄市
 

各年度の固定資産税決算金額
年度 固定資産税の決算金額 前年度との差額 備考
2006(H18)年度決算 2,631,341(千円) 合併。
2007(H19)年度決算 2,671,454(千円) 40,113(千円)  
2008(H20)年度決算 2,700,224(千円) 28,770(千円)  
2009(H21)年度決算 2,645,486(千円) -54,738(千円) 市内全域で
固定資産税率を
1.55%に統一。
2010(H22)年度決算 2,536,496(千円) -108,990(千円) 固定資産税率を
1.55%→1.48%に
引き下げ。
2011(H23)年度決算 2,600,457(千円) 63,961(千円)  

 
  ●参考:

     固定資産税 - Wikipedia

     武雄市・山内町・北方町合併協議会 協定項目(確認内容を参照)

     武雄市・山内町・北方町合併協議会 新市建設計画

     武雄市税条例

     固定資産税 - くらしの便利帳(武雄市役所)

     市長提案事項説明要旨 | 平成22年3月定例会 | 武雄市議会

 
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■武雄市の介護保険料について
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  ●武雄市の介護保険事業をおこなっているのは、杵藤地区広域市町村圏組合
    組合の構成市町は武雄市・鹿島市・嬉野市・大町町・江北町・白石町・太良町
    2013年10月時点の組合管理者は武雄市の樋渡啓祐市長。

  ●杵藤地区広域市町村圏組合の介護保険のページから、
    第3期~第5期の介護保険事業計画を見ることができる。

     第3期介護保険事業計画(2006(H18)年度~)

     第4期介護保険事業計画(2009(H21)年度~)

     第5期介護保険事業計画(2012(H24)年度~)

  ●第3期~第5期について、介護保険料の基準額の年額と月額を調べると以下のようになる。

期間 介護保険料基準額 第3期との比率 第4期との比率
年額 月額
第3期(2006(H18)年度~) 61476円 5123円 100% 118.8%
第4期(2009(H21)年度~) 51768円 4314円 84.2% 100%
第5期(2012(H24)年度~) 58824円 4902円 95.7% 113.6%

 
  ●つまり、第4期に15.8%の引き下げが行われたのは事実だが、
    第5期には、そこから13.6%の引き上げが行われたことになる。
    第3期から第5期をトータルで見ると、「4.3%の引き下げ」ということになる。

  ●佐賀県内の第5期(2012~2014年度)の介護保険料の基準額は以下の通り。
    7事業者中、高い順で5位、安い順で3位。
    10市中、高い順で6位、安い順で2位。

佐賀県内の各事業者の介護保険料基準額
【第5期(2012(平成24)年度~2014(平成26)年度)】
高い順に上から並べています。
介護保険事業者 介護保険料基準額
年額 月額
伊万里市 69540円 5795円
有田町 69504円 5792円
佐賀中部広域連合
(佐賀市・多久市・小城市・神埼市・吉野ヶ里町)
63240円 5270円
唐津市 61200円 5100円
杵藤地区広域市町村圏組合
(武雄市・鹿島市・嬉野市・大町町・
 江北町・白石町・太良町)
58824円 4902円
鳥栖地区広域市町村圏組合
(鳥栖市・みやき町・基山町・上峰町)
55992円 4666円
玄海町 49200円 4100円

 
    参考記事: 佐賀県内65歳以上の介護保険料、4月から引き上げ/佐賀新聞ニュース(2012/3/19)

 
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■武雄市の水道料金について
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  ●2006年の合併前は、武雄市・山内町・北方町で水道料金に以下のような差があった。
    (合併時に策定された新市建設計画より)

  武雄市 山内町 北方町
基本料金 2047円
(8立方メートル)
1970円
(8立方メートル)
1785円
(10立方メートル)
超過料金(1立方メートル) 325.5円
(9立方メートル~)
260円
(9立方メートル~)
357円
(11立方メートル~)
標準家庭の水道料金
(月に20立方メートル利用)
5953円 5090円 5355円

 
     参考:

       新「武雄市」水道料に格差 (2006年2月28日) | 佐賀新聞ニュース

 
  ●合併時に策定された新市建設計画では、

      「平成19年度までは現行の料金体系とし、合併後速やかに
       新市の水道整備計画を策定し、適正な料金のあり方等について検討し、
       料金の統一を図るものとする」

    とされていた。

  ●これを踏まえ、2007(H19)年度に、武雄市行政問題専門審議会にて
    水道料金の審議が行われた。

      武雄市行政問題専門審議会(水道料金)の審議結果の概要(武雄市役所)

 
  ●審議の結果を踏まえ、2007(H19)年12月市議会で、
      「第61号議案 武雄市水道事業給水条例の一部を改正する条例」
    が議論され、可決された。

  ●これらの経緯を経て、2008(H20)年4月1日に、水道料金の改定(引き下げ)が行われた。
    月に20立方メートルを利用する標準世帯の月額水道料金は以下の通り。

  武雄市 山内町 北方町
2008(H20)年4月の改定前 5953円 5090円 5355円
2008(H20)年4月の改定後 4830円
引き下げ額(月額) 1123円 260円 525円
引き下げ額(年額) 13476円 3120円 6300円
改定前との比率 81.1% 94.9% 90.2%

 
     参考:

       水道料金の計算方法|武雄市水道料金の仕組み|佐賀県武雄市

 
  ●疑問
    2010年3月市議会における樋渡市長の演告にある、

       「月20立方メートル使用の標準世帯で年間9,300円の減額、
        平均13パーセントの減額となりました。」

    というのは、どういう計算をしたものなのだろう?

    ◎引き下げ額の年額を単純に平均すると、7632円となり、「9300円」とは一致しない。

    ◎改定前の武雄市・山内町・北方町の水道料金を単純に平均すると、5466円。
      改定後の4830円をその平均との比率で表すと、88.4%となる。
      この計算だと、11.6%の引き下げということになり、「平均13%」とは一致しない。

    ◎武雄市で18.9%、山内町で5.1%、北方町で9.8%の引き下げだが、
      この引き下げ率を単純に平均してみても、約11.3%となり、「平均13%」とは一致しない。

    ⇒2013/10/9追記
      武雄市役所水道課から、13%、9300円の根拠について回答を頂きました。
      「13%」については、平成17年度の旧3地区の調定額を改定後の金額で試算し、
      減収率を計算したものとのことです。
      「9300円」については、旧武雄市地区の年71436円(月5953円)の13%ということで
      約9300円の減額との回答でしたが、一番高かった旧武雄市地区の金額を元に
      計算した金額ですので、説明には不適切な数値だと考えます。
 

  金額 備考
平成17年度の調定額(旧市町合計)
1,326,560,831円 改定前
平成17年度分を改定料金で試算
1,152,595,264円 改定後
C=A-B 173,965,567円 減収額
C÷A 13.11% 減収率

 
  ●樋渡市長の下記ブログ記事によると「最大で2割下げた」ということらしいが、
    これは恐らく武雄市地区だけで見ると18.9%の引き下げになるということを
    指しているのではないかと思われる。

      武雄市役所は職員31%減らしたよ。 : 武雄市長物語(2011/2/19)

 
  ●なお、武雄市行政問題専門審議会の審議結果には、

      「3年ないし5年以内に経費削減効果を見極め、さらに料金の見直しを行うこと

    という文言が入っており、2013(H25)年度は、この「5年以内」の期限となっている。
    樋渡市長は色々な場で数%下げるという発言もしているが、
    市議会の議事録などを見ても、議案などは出ていないような?
    具体的な検討はどうなっているのだろうか。

    ⇒2013/10/9追記
      武雄市役所水道課に質問させていただいたところ、料金改定の検討は進めており、
         「長期財政計画」
         「施設・設備更新計画」
      などを検討しているという回答がありました。

 
  ●参考:武雄市の水道料金が高い理由

    武雄市の水道料金が高いのは以下のような理由があるとのこと。

    ◎牟田勝浩議員のブログ記事

       水道料はなぜ?高い・・・(2009/11/9)

 
    ◎樋渡市長のツイッター発言

 
    ◎武雄市職員 小松政氏のツイッター発言

 
  ●参考:合併当時の武雄市の水道料金は全国4位の高さだった。

    合併直後の2006(H18)年4月下旬~5月上旬にかけて毎日新聞が行った調査によると、
    武雄市地区の標準世帯(月20立方メートル利用)の5953円という水道料金は、
    全国4位という高さだった。

     参考: 八ッ場(やんば)あしたの会 - 「水道料金:7倍以上の地域格差 8割以上の市が民間委託」(毎日新聞)-5/14
 

2006年毎日新聞調査
水道料金高値上位10地区
(料金は1カ月に20トン使用時、メーター代込み)
順位 自治体名 水道料金
山形県酒田市松山地区 6132円
熊本県上天草市大矢野地区 6090円
北海道夕張市 6048円
佐賀県武雄市武雄地区 5953円
佐賀県多久市 5880円
佐賀県嬉野市塩田地区 5880円
山形県村山市 5754円
熊本県天草市御所浦地区 5670円
茨城県桜川市真壁地区 5640円
10 佐賀県小城市三日月地区、
熊本県上天草市竜ケ岳地区など
5460円

 

2006年毎日新聞調査
水道料金安値上位10地区
(料金は1カ月に20トン使用時、メーター代込み)
順位 自治体名 水道料金
兵庫県赤穂市 829円
静岡県伊豆の国市大仁地区 882円
静岡県富士吉田市 1022円
神奈川県秦野市 1050円
富山県黒部市 1081円
静岡県伊豆市土肥地区 1154円
静岡県沼津市沼津地区 1210円
静岡県富士市 1260円
山口県岩国市 1281円
10 岐阜県関市関地区 1320円

 
  ●参考:2011(H23)年度末時点の武雄市の水道料金は佐賀県内では5番目の高さ。

    佐賀県の平成23年度の資料によると、佐賀県内の水道事業者の水道料金は以下の通り。
    武雄市は17事業者のうち、上から5番目の高さとなっている。

      参考: 佐賀県:平成23年度「佐賀県の水道」を公表しました
 

2011(H23)年度末現在の佐賀県の水道料金
※月20立方メートル利用の標準家庭での月額水道料金
※事業主体ごとに高い順に表示。
順位 事業主体名 水道料金 備考
多久市 5460円  
大町町 5460円  
江北町 5460円  
白石町 5200円  
武雄市 4830円  
西佐賀水道企業団 4540円 佐賀市・小城市・白石町の一部
伊万里市 4300円  
佐賀東部水道企業団 4095円 佐賀市・神埼市の一部、
吉野ヶ里町、基山町、上峰町、みやき町
鹿島市 3780円  
10 玄海町 3750円  
11 有田町 3685円  
12 嬉野市 3640円  
13 唐津市 3420円  
14 佐賀市 3360円  
15 鳥栖市 3150円  
16 小城市 3030円  
17 太良町 2940円  

 
  ●参考: 水道事業会計資料はこちらから。

      予算・財政状況 | 市政情報 | 佐賀県武雄市

 
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■武雄市の国民健康保険税について
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  ●関連記事など

    武雄市が国保税引き上げへ 平均12・9%アップ/佐賀新聞ニュース(2012/8/28)

    国保が上がります。解説① : 武雄市長物語

 
  ●2012年9月市議会で、
      「第67号議案 武雄市国民健康保険税条例の一部を改正する条例」
    が、審議され可決された。

  ●2013(H25)年4月から、国民健康保険税が平均12.9%引き上げられた。

  ●武雄市役所ホームページでの説明

    国民健康保険税 - くらしの便利帳(武雄市役所)

説明から抜粋:

厳しい国保の財政事情

近年、高齢化や医療技術の高度化等により医療費は年々増加する現状で、
市の国民健康保険事業の運営は厳しくなっています。
また、基金は底をつき平成21年度からは毎年赤字が続き、
平成23年度までの累積赤字は、4億807万円と厳しい財政運営を強いられています。

このため、国保の累積赤字の解消に向け、国民健康保険税の税率改正を行います。
また、市の繰入を5,000万円行い、国民健康保険税の収納率向上に向けた努力を続けるとともに、
医療費適正化のための事業に努めていきます。

 
  ●引き上げにあたっての試算(抜粋)

    2012年9月21日市議会における、福祉文教常任委員長(松尾陽輔議員)の説明から

      「今回、税の見直し改正をお願いしなければ、平成29年度においては、
       累積で約19億7,000万円の赤字になる見込みとの説明がありました。
       それが今回、税率改正と一般会計からの繰り入れ、
       さらには医療費の抑制策の推進等で平成29年度には
       約2億6,000万円の赤字となり、国保会計の大幅な改善になることとの
       試算説明でありました。」

 
  ●「平均12.9%アップ」という試算に関する詳細説明

    2012年12月13日の武雄市議会における江原一雄議員の発言から

      「市の試算でも、夫婦40歳と子ども2人の4人世帯で課税標準額200万円、
       夫の給与収入のみ約358万円の場合の国保税額を示されました。
       改正前は42万1,700円、来年4月からは47万6,000円。
       税率改正によっての差額が5万4,300円、12.9%であります。」

 
  ●武雄市の各年度決算における国保会計の状況は以下の通り。

     参考: 予算・財政状況 | 市政情報 | 佐賀県武雄市
 

  2006(H18) 2007(H19) 2008(H20) 2009(H21) 2010(H22) 2011(H23)
収支額 46,589(千円) 74,185(千円) -89,433(千円) -73,799(千円) -217,971(千円) -408,078(千円)
普通会計からの
繰入額
406,376(千円) 428,708(千円) 364,246(千円) 366,669(千円) 374,225(千円) 347,169(千円)
加入世帯数 9,768(世帯) 9,719(世帯) 7,332(世帯) 7,244(世帯) 7,247(世帯) 7,203(世帯)
被保険者数 19,757(人) 19,453(人) 13,946(人) 13,684(人) 13,488(人) 13,343(人)
1世帯当たり
保険税調定額
151,438(円) 166,542(円) 174,193(円) 173,881(円) 161,986(円) 165,413(円)
被保険者
1人当たり

調停額
74,872(円) 83,207(円) 91,581(円) 92,049(円) 87,034(円) 89,295(円)
被保険者
1人当たり

費用
279,730(円) 304,493(円) 408,323(円) 432,043(円) 449,808(円) 483,168(円)

 
  ●平成25年度の佐賀県内の各自治体の健康保険税は以下の通り。

    ※武雄市が示していたモデルケースで金額の高い順で左→右に表示。
      表が横長になりすぎたので上位10自治体、下位10自治体の2つに分割している。

    ※武雄市が示していたモデルケースは以下の通り。
       1.家族構成: 40歳の夫婦と子供2人
       2.収入: 夫の給与収入のみ。約358万円。
             (給与所得控除後の金額が約233万円)

    ※計算は以下の通り。
       ●所得割に掛ける金額は233万-33万=200万円。
       ●医療保険分J = 200万×所得割A%+均等割B×4人+平等割C
       ●後期高齢者分K = 200万×所得割D%+均等割E×4人+平等割F
       ●介護保険分L = 200万×所得割G%+均等割H×2人+平等割I
       ●合計額M = 医療保険分J+後期高齢者分K+医療保険分L

    ※武雄市は、モデルケースでの金額では佐賀県内の自治体の中では6番目の高さ。
 

  10
鹿島市 鳥栖市 大町町 太良町 唐津市 武雄市 みやき町 白石町 神埼市 佐賀市
医療保険分 所得割
(A)
11.1% 9.7% 9.5% 9.9% 10.4% 9.60% 9.70% 9.0% 9.60% 9.3%
均等割
(B)
25,200円 24,000円 24,600円 25,200円 20,300円 24,000円 25,700円 23,000円 24,000円 18,500円
平等割
(C)
37,100円 36,000円 31,600円 28,800円 30,700円 35,000円 33,000円 33,000円 32,000円 35,700円
賦課限度額 510,000円
後期高齢者
支援金
所得割
(D)
2.10% 2.7% 3.3% 3.3% 2.8% 2.40% 2.20% 2.9% 2.4% 2.3%
均等割
(E)
4,600円 7,000円 7,000円 6,000円 6,000円 6,800円 6,300円 7,000円 6,000円 7,400円
平等割
(F)
6,800円 9,000円 8,200円 8,400円 7,700円 7,800円 7,600円 8,200円 8,000円 6,000円
賦課限度額 140,000円
介護分 所得割
(G)
2.35% 2.8% 2.4% 2.0% 2.6% 2.20% 2.30% 2.2% 2.20% 2.8%
均等割
(H)
14,300円 10,000円 9,300円 8,800円 9,500円 10,000円 8,800円 10,300円 9,400円 9,600円
平等割
(I)
8,600円 6,000円 5,800円 5,000円 5,600円 6,000円 5,000円 7,000円 5,400円 5,600円
賦課限度額 120,000円
モデルケースでの
金額計算
医療保険分
(J)
359,900円 326,000円 320,000円 327,600円 319,900円 323,000円 329,800円 305,000円 320,000円 295,700円
後期高齢者分
(K)
67,200円 91,000円 102,200円 98,400円 87,700円 83,000円 76,800円 94,200円 80,000円 81,600円
介護分
(L)
84,200円 82,000円 72,400円 62,600円 76,600円 70,000円 68,600円 71,600円 68,200円 80,800円
合計
(M)
511,300円 499,000円 494,600円 488,600円 484,200円 476,000円 475,200円 470,800円 468,200円 458,100円

 

  11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
小城市 上峰町 基山町 伊万里市 江北町 吉野ヶ里町 嬉野市 多久市 有田町 玄海町
医療保険分 所得割
(A)
9.2% 9.0% 8.90% 9.37% 8.4% 9.8% 9.1% 9.2% 8.6% 7.00%
均等割
(B)
25,600円 25,000円 27,000円 21,800円 18,400円 23,800円 22,700円 22,000円 21,700円 19,000円
平等割
(C)
31,600円 30,000円 34,000円 32,100円 27,700円 32,000円 36,600円 28,000円 28,800円 24,000円
賦課限度額 510,000円
後期高齢者
支援金
所得割
(D)
2.3% 2.0% 1.70% 2.30% 3.4% 2.1% 2.30% 2.3% 1.8% 1.90%
均等割
(E)
6,600円 6,000円 5,300円 5,800円 7,600円 5,200円 5,400円 5,600円 4,700円 5,000円
平等割
(F)
7,800円 7,000円 6,600円 8,000円 8,400円 7,000円 5,600円 7,000円 6,500円 8,000円
賦課限度額 140,000円
介護分 所得割
(G)
1.9% 2.5% 2.40% 2.20% 2.44% 1.8% 2.10% 1.7% 2.0% 0.70%
均等割
(H)
8,100円 9,000円 8,600円 9,000円 9,700円 6,300円 8,500円 7,800円 9,100円 4,000円
平等割
(I)
5,500円 5,000円 5,000円 5,900円 5,600円 5,500円 5,100円 4,000円 5,000円 4,500円
賦課限度額 120,000円
モデルケースでの
金額計算
医療保険分
(J)
318,000円 310,000円 320,000円 306,700円 269,300円 323,200円 309,400円 300,000円 287,600円 240,000円
後期高齢者分
(K)
80,200円 71,000円 61,800円 77,200円 106,800円 69,800円 73,200円 75,400円 61,300円 66,000円
介護分
(L)
59,700円 73,000円 70,200円 67,900円 73,800円 54,100円 64,100円 53,600円 63,200円 26,500円
合計
(M)
457,900円 454,000円 452,000円 451,800円 449,900円 447,100円 446,700円 429,000円 412,100円 332,500円

 
  ●国民健康保険税の引き上げについて、市民にしっかりと説明された気配が無い件。

   ◎最初に国保の引き上げが市民に知らされたのは、2012/8/28の佐賀新聞の記事

   ◎樋渡市長が2012/9/2に自身のブログで解説①として記事を書いているが、
     あくまでもブログ記事であり正式な告知とは異なる。
     また、続きとして予定されていた解説②は結局書かれなかった。

   ◎引き上げの議決が行われたのは2012年9月市議会

   ◎広報武雄2012年11月号の9月市議会報告(PDF)では、国保の引き上げについて言及無し。

   ◎広報武雄2012年12月号(PDF)で、国保の税率引き上げが掲載されたが、
     改正時期と改正表を掲載しただけで、しっかりした説明は無し。
     平均12.9%の引き上げというモデルケースの説明も無し。

   ◎武雄市ホームページの平成24年度の更新情報を見ても、
     国保の税率引き上げに関するお知らせは見当たらない。

   ◎武雄市ホームページの「くらしの便利帳 国民健康保険税」のページでは、
     「平成25年度から国民健康保険税の税率が変わります」として説明されているが、
     平均12.9%の引き上げというモデルケースの説明は無し。
     また、このページの更新日は、何故か2010年3月9日になっており
     直接見に行かない限り、更新されたことに気づけない。

   ◎武雄市のFacebook(フェイスブック)でも、国保の引き上げに関する記事は見当たらない。

   ★2012/8/28の佐賀新聞の記事に概要は掲載されているが、
     その後の審議結果やモデルケースも含めた内容について、
     公式にもっと丁寧な告知・説明が必要だったのではないだろうか。
     この例に限らず、武雄市の、「都合が悪い説明を避ける」、「インチキグラフの多用」、
     「インチキアンケートの多用」、「新聞記事に頼りすぎの告知姿勢」といった姿勢は、
     説明責任の放棄どころか市民を騙していると言っても過言ではないレベルであり、
     真摯な説明が求められる「自治体」の仕事とはとても思えない。

 
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■まだ新しかった武雄市図書館の改装なんてやってる場合だったのだろうか・・・
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  ●維持的・継続的な財源の確保は必要だし、部分的な金額を取り上げて
    どうこう言うのはあまり適切ではないということもわかった上で、あえて言及する。

  ●武雄市の固定資産税率は、標準税率である1.40%を超える1.48%であり高止まりのまま。

  ●武雄市の国民健康保険の2011(H23)年度末までの累積赤字額は4億807万円。
    経営は非常に厳しく、今後も赤字経営になる見通し。

  ●武雄市図書館・歴史資料館は、2000年10月に新築開館したものであり、
    2012年時点ではまだ12年しか経っておらず、まだ新しく綺麗な図書館だった。

  ●それにも関わらず、樋渡市長は、武雄市図書館の改装を実施。
    武雄市図書館の改装につぎ込んだ税金は、4億6000万円。
    内訳は市税が2.6億、合併特例債による国負担分が約2億。

  ●4.6億円を武雄市の世帯数である約17000世帯で割ると、1世帯あたり約27100円となる。
    市税分の2.6億円を世帯数で割っても、1世帯あたり約15300円となる。

  ●確かに武雄市図書館は改装により来館者数が増えたことで持て囃されているが、
    その改装経緯や巨大書架の危険性などを含め、様々な問題点があると考えている。

      関連記事:
        ◎武雄市図書館の問題について意見をまとめてみました
        ◎市民を欺き貶める樋渡市長を「改革派市長」などと呼ぶな - Togetter
        ◎武雄市図書館の設計不備を建築基準法のせいにする樋渡市長(新報道2001)
        ◎武雄市図書館に関する文部科学省の指導を無視した樋渡市長
        ◎樋渡市長は武雄市図書館から子供を切り離すために新たに別館を建設するらしい    

  ★武雄市図書館の改装は必要だったのだろうか?
    「無駄な税金を払ってツタヤ・スターバックスに来てもらっただけ」としか思えないが、
    継続的に見た場合、本当に武雄市にとってプラスになるものなのだろうか?

  ★武雄市では今後、市庁舎の新築や、文化会館大ホールと体育館の複合施設、
    武雄市図書館の別館など、様々な施設建設が行われる予定となっている。
    合併時に策定した新市建設計画では86.5億円の利用を予定していた合併特例債は
    既にそのほとんどを使い切り、上限の173億円まで使えるように変更されるそうだ。
    武雄市図書館にも約2.7億円の合併特例債が使われたが、
    今後の様々な建設計画を考えた時、その支出は本当に適切だったのだろうか?

  ★話題性を追い求めるだけでなく、堅実な市政が行われるよう、
    武雄市民をはじめとした多くの人々による、冷静な市政監視と市政参加が行われることを望みたい。

  ★また、視察に訪れる国会議員、首長、地方議員や、報道するマスコミも、
    武雄市や樋渡市長の都合の良い説明ばかりを鵜呑みにするのではなく、
    事実を冷静に見つめて評価・報道する姿勢を持つことが重要だと考えます。

 
以上。

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